多良間のマンノツキ(方言)                                          

概要

昔、多良間にマンノツキという意地の悪い男が住んでいた。この男は妻を迎えても、妻をいじめてばかりいた。3,4回も次々に迎える妻は逃げ出し、このことが噂になって多良間にはマンノツキに嫁ぐ女はいなくなった。そこで隣の老婆に相談した。老婆は、「宮古島の下地に金持ちがあり、娘がいる。こうこうしたらその娘を嫁にすることが出来るであろう」と教えた。マンノツキは教えられたとおり下地の金持ちの所へ行った。豚小屋や牛小屋を見て家の中に入ると、そこの主人が、「客だからお茶を出しなさい」と苧を紡いでいる娘に言った。娘がお茶を入れに立った時、男は煙草入れを苧を入れる入れ物の中に入れて蓋をしておいた。世間話の後、マンノツキは主人に、娘を嫁に欲しいと言う。主人は、娘が決めることだというので、娘に聞くと、娘は、「多良間でも評判の悪い男の所には嫁に行かない。そんな所へ行ったら殺されてしまう」と言った。マンノツキは、「嫌なら私が上げた煙草入れを返してくれ」と言って、娘の家を出た。娘の両親は、親の知らないうちに煙草入れまで貰っていて、何を言うか、と娘を追い出した。娘がマンノツキに、「私は煙草入れなど貰ったことはない」と言うと、マンノツキは「苧を入れる入れ物を見てごらん」と言う。娘が中を見ると、マンノツキの言う通りだった。二人は多良間に渡って夫婦になった。その後、娘の兄達が旅から帰って、妹のいないことに気付き、父親にたずねた。父親は、「あんなふしだらな女は、多良間のマンノツキにやったから、私の子供とは思うな、と言った。兄弟達は妹のことが心配で、多良間を訪ねる。マンノツキの家は夫婦で働いたので、金満家になっていた。兄弟達が会ってくれ、と言うと、妹は、両親に恨みがあるから、と会わずに戸の鍵穴から小指の先を出し、苦労をしているか楽をしているかは、小指の先でも分かるはずだと、見せた。兄弟は泣き悲しんで帰ったが、多分楽に暮らしているだろうと思った。マンノツキはそれから働き者になり、子供もたくさん産んで、家も栄えた。

再生時間:3:40

民話詳細DATA

レコード番号 47O235390
CD番号 47O23C286
決定題名 多良間のマンノツキ(方言)                                          
話者がつけた題名
話者名 佐和田カニ
話者名かな さわだかに
生年月日 19001211
性別
出身地 伊良部村佐和田
記録日 19750425
記録者の所属組織 沖縄国際大学口承研
元テープ番号 伊良部T39B02
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 20
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 いらぶの民話P394
キーワード 多良間,マンノツキ,意地の悪い男,妻をいじめる,隣の老婆に相談,宮古島の下地に金持ち,娘がお茶,煙草入れ,娘の兄達,金満家
梗概(こうがい) 昔、多良間にマンノツキという意地の悪い男が住んでいた。この男は妻を迎えても、妻をいじめてばかりいた。3,4回も次々に迎える妻は逃げ出し、このことが噂になって多良間にはマンノツキに嫁ぐ女はいなくなった。そこで隣の老婆に相談した。老婆は、「宮古島の下地に金持ちがあり、娘がいる。こうこうしたらその娘を嫁にすることが出来るであろう」と教えた。マンノツキは教えられたとおり下地の金持ちの所へ行った。豚小屋や牛小屋を見て家の中に入ると、そこの主人が、「客だからお茶を出しなさい」と苧を紡いでいる娘に言った。娘がお茶を入れに立った時、男は煙草入れを苧を入れる入れ物の中に入れて蓋をしておいた。世間話の後、マンノツキは主人に、娘を嫁に欲しいと言う。主人は、娘が決めることだというので、娘に聞くと、娘は、「多良間でも評判の悪い男の所には嫁に行かない。そんな所へ行ったら殺されてしまう」と言った。マンノツキは、「嫌なら私が上げた煙草入れを返してくれ」と言って、娘の家を出た。娘の両親は、親の知らないうちに煙草入れまで貰っていて、何を言うか、と娘を追い出した。娘がマンノツキに、「私は煙草入れなど貰ったことはない」と言うと、マンノツキは「苧を入れる入れ物を見てごらん」と言う。娘が中を見ると、マンノツキの言う通りだった。二人は多良間に渡って夫婦になった。その後、娘の兄達が旅から帰って、妹のいないことに気付き、父親にたずねた。父親は、「あんなふしだらな女は、多良間のマンノツキにやったから、私の子供とは思うな、と言った。兄弟達は妹のことが心配で、多良間を訪ねる。マンノツキの家は夫婦で働いたので、金満家になっていた。兄弟達が会ってくれ、と言うと、妹は、両親に恨みがあるから、と会わずに戸の鍵穴から小指の先を出し、苦労をしているか楽をしているかは、小指の先でも分かるはずだと、見せた。兄弟は泣き悲しんで帰ったが、多分楽に暮らしているだろうと思った。マンノツキはそれから働き者になり、子供もたくさん産んで、家も栄えた。
全体の記録時間数 3:44
物語の時間数 3:40
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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