舌きり燕(方言)

概要

子供のない爺さんと婆さんが、燕を自分たちの子供のように養っていた。爺さんは良い爺さんだったので、毎日山へ行って、ンータという木の実を取ってきて燕に与えた。婆さんは悪い婆さんだった。着物に入れる糊を作り、たらいに入れて庭に出しておくと、燕が飛んできて食べてしまった。怒った婆さんは燕の舌を切ってしまったので、燕は自分の住んでいる所へ帰っていった。山から帰って来た爺さんは燕の姿が見えないので、「燕はどこだ」と婆さんに尋ねると、「糊を食べたので舌を切ったら、山の中へ飛んで行った」と言う。爺さんはンータガマを持って燕を探しに出掛けた。いくつもの山を越え、一週間も二週間も探し回った。爺さんが歩き続けていると、道中で大きな燕が待っていたので、「舌の切れた燕はいないかね」と聞くと、その家蕃(道の番)の燕は「いるよ」と言って、爺さんをその舌切り燕の家まで連れて行った。そして「爺さんを案内したよ」と言うと、、舌切り燕が出て来て、「こんな遠い所まで」と言って、涙を流して喜んだ。爺さんも涙を流して喜び、「食べ物も持ってきたので、友達にも分けてあげなさい」と言った。そして舌切り燕は爺さんが八十八歳、九十九歳になるまでも食べていけるようにと、たくさんの黄金や宝物を箱いっぱいに詰めて、「これは家へ帰ってから開けて下さい。道中では開けないで」と言って渡す。爺さんは家へ帰ると婆さんに、「燕は利口だから、黄金や宝物をこんなにたくさんくれた」と見せた。すると婆さんは、「わしも行って貰ってくる」と言って、手ぶらで山へ出掛けた。ところが婆さんが貰ったのは、鬼の子のいっぱい詰まった箱だった。婆さんは、自分のも黄金だなと思って、家に帰るのも待てずに、道中でその箱を開けた。すると中からたくさんの鬼っ子たちが出て来て、悪い婆さんは食べられてしまった。良い爺さんは宝物をいっぱい積んで、八十八歳、九十九歳までも長生きしたそうだ。

再生時間:6:36

民話詳細DATA

レコード番号 47O235307
CD番号 47O23C280
決定題名 舌きり燕(方言)
話者がつけた題名
話者名 宮国カナ
話者名かな みやぐにかな
生年月日 19110410
性別
出身地 伊良部村字国仲
記録日 19760327
記録者の所属組織 沖縄国際大学口承研
元テープ番号 伊良部T33A03
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 12
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 いらぶの民話P226
キーワード 子供のない爺さんと婆さん,燕,山,ンータという木の実,着物に入れる糊,燕の舌を切った,舌切り燕,黄金や宝物,鬼の子
梗概(こうがい) 子供のない爺さんと婆さんが、燕を自分たちの子供のように養っていた。爺さんは良い爺さんだったので、毎日山へ行って、ンータという木の実を取ってきて燕に与えた。婆さんは悪い婆さんだった。着物に入れる糊を作り、たらいに入れて庭に出しておくと、燕が飛んできて食べてしまった。怒った婆さんは燕の舌を切ってしまったので、燕は自分の住んでいる所へ帰っていった。山から帰って来た爺さんは燕の姿が見えないので、「燕はどこだ」と婆さんに尋ねると、「糊を食べたので舌を切ったら、山の中へ飛んで行った」と言う。爺さんはンータガマを持って燕を探しに出掛けた。いくつもの山を越え、一週間も二週間も探し回った。爺さんが歩き続けていると、道中で大きな燕が待っていたので、「舌の切れた燕はいないかね」と聞くと、その家蕃(道の番)の燕は「いるよ」と言って、爺さんをその舌切り燕の家まで連れて行った。そして「爺さんを案内したよ」と言うと、、舌切り燕が出て来て、「こんな遠い所まで」と言って、涙を流して喜んだ。爺さんも涙を流して喜び、「食べ物も持ってきたので、友達にも分けてあげなさい」と言った。そして舌切り燕は爺さんが八十八歳、九十九歳になるまでも食べていけるようにと、たくさんの黄金や宝物を箱いっぱいに詰めて、「これは家へ帰ってから開けて下さい。道中では開けないで」と言って渡す。爺さんは家へ帰ると婆さんに、「燕は利口だから、黄金や宝物をこんなにたくさんくれた」と見せた。すると婆さんは、「わしも行って貰ってくる」と言って、手ぶらで山へ出掛けた。ところが婆さんが貰ったのは、鬼の子のいっぱい詰まった箱だった。婆さんは、自分のも黄金だなと思って、家に帰るのも待てずに、道中でその箱を開けた。すると中からたくさんの鬼っ子たちが出て来て、悪い婆さんは食べられてしまった。良い爺さんは宝物をいっぱい積んで、八十八歳、九十九歳までも長生きしたそうだ。
全体の記録時間数 6:36
物語の時間数 6:36
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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