
昔、富嘉部落のちょっと北の方でこう傾斜なったところにはアラブツという按司がおって、あそこは按司の屋敷だったから神高いといってもう簡単には入れないがよ、今では石垣の跡が残されていが雑草が生えていて入れるよ。それとペミシク武士といったらまだ向こうに石垣も積まれておったんだがよ、防波堤工事の会社があの石垣を壊したが跡は少し残っている。アラブツ武士は田圃や畑をたくさん持っておったらしいよ。その反対にまたペミシク武士は城の敷地としては申し分無い良いところだが、周辺の地形が地形なので財産が僅かだから、この田圃や畑の農業だけでは生活できないからね、海で漁をして生活の足しにしていたらしいよ。そのペミシク武士は、クブシミという甲イカを捕ってきて、あれの甲を砕いて粉にしてアラブツ武士が見るところの家の屋根にあれを塗ってよ、アラブツ武士に、「お前の田圃は六つだがさ、その餅米の粉でさ、漆喰代わりにこう塗りきれるか。」とほら吹いたらしいよ。そしたらアラブツ武士はね、「なあに、貧乏者のペミシク武士が出来るんだから自分も出来ないことはない。」と言って、家来に命じて餅米を搗いて粉にして漆喰代わりに家の屋根に塗ったら雨が降って濡れれば落ちて、物凄い損したらしい。だから、アラブツという按司は財産があって裕福な生活はしておったらしいんだが、ペミシク武士の知恵には勝てなかったらしいね。そしてよ、もう一回は、ペミシク武士が薩摩芋を食べて綺麗な糞をまってからね、それを部下に持って行かせて、アラブツ武士に見せたらしいね。そしてよ、「このような綺麗な糞が出来るか試しにやってごらん。」と言ったが、ペミシク武士はもう全然出来なかったらしいね。そして、ペミシク武士はまた牛の模型を作って屋根の上に乗せたらしいよ。アラブツ武士の屋敷からはすぐ見えるんだからね、アラブツ武士に、「牛を屋根の上に乗せきれるなら乗せてごらん。」と言ったら、アラブツ武士は何回も屋根に牛を乗せては落として牛を死なす。また乗せては落として死なせたから損したと。
| レコード番号 | 47O201444 |
|---|---|
| CD番号 | 47O20C073 |
| 決定題名 | アラブツ武士とペミシク武士(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 西石垣全助 |
| 話者名かな | にしいしがきぜんすけ |
| 生年月日 | 19170618 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県八重山郡竹富町波照間 |
| 記録日 | 19960319 |
| 記録者の所属組織 | 竹富町口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 竹富町字波照間T36A04 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 13 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 壁,甲イカ,糞,屋根 |
| 梗概(こうがい) | 昔、富嘉部落のちょっと北の方でこう傾斜なったところにはアラブツという按司がおって、あそこは按司の屋敷だったから神高いといってもう簡単には入れないがよ、今では石垣の跡が残されていが雑草が生えていて入れるよ。それとペミシク武士といったらまだ向こうに石垣も積まれておったんだがよ、防波堤工事の会社があの石垣を壊したが跡は少し残っている。アラブツ武士は田圃や畑をたくさん持っておったらしいよ。その反対にまたペミシク武士は城の敷地としては申し分無い良いところだが、周辺の地形が地形なので財産が僅かだから、この田圃や畑の農業だけでは生活できないからね、海で漁をして生活の足しにしていたらしいよ。そのペミシク武士は、クブシミという甲イカを捕ってきて、あれの甲を砕いて粉にしてアラブツ武士が見るところの家の屋根にあれを塗ってよ、アラブツ武士に、「お前の田圃は六つだがさ、その餅米の粉でさ、漆喰代わりにこう塗りきれるか。」とほら吹いたらしいよ。そしたらアラブツ武士はね、「なあに、貧乏者のペミシク武士が出来るんだから自分も出来ないことはない。」と言って、家来に命じて餅米を搗いて粉にして漆喰代わりに家の屋根に塗ったら雨が降って濡れれば落ちて、物凄い損したらしい。だから、アラブツという按司は財産があって裕福な生活はしておったらしいんだが、ペミシク武士の知恵には勝てなかったらしいね。そしてよ、もう一回は、ペミシク武士が薩摩芋を食べて綺麗な糞をまってからね、それを部下に持って行かせて、アラブツ武士に見せたらしいね。そしてよ、「このような綺麗な糞が出来るか試しにやってごらん。」と言ったが、ペミシク武士はもう全然出来なかったらしいね。そして、ペミシク武士はまた牛の模型を作って屋根の上に乗せたらしいよ。アラブツ武士の屋敷からはすぐ見えるんだからね、アラブツ武士に、「牛を屋根の上に乗せきれるなら乗せてごらん。」と言ったら、アラブツ武士は何回も屋根に牛を乗せては落として牛を死なす。また乗せては落として死なせたから損したと。 |
| 全体の記録時間数 | 8:46 |
| 物語の時間数 | 8:40 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |