イハ祝女殿内の化け猫(共通語)

概要

 恩納祝女殿内には化け猫のおもしろい話があるんですね。恩納祝女殿内は女亭主の旅館で猫を養っておったらしいですね。しかし、猫が何十歳と長い間養われていると智恵(じんぶん)が勝って、主を喰い殺して、自分が家の家主になるわけ。向こうの恩納祝女殿内のあたりは、次の部落まで遠いから夕方にそこを通ると夜となるから行ききれない。だから、そこに旅人が来て泊まるでしょう。それで、そこには夜でも歩ききれる強い人は次の宿まで行くが、弱い人は行ききらんからしょっちゅうそこに泊まったって。だが、泊まると金持ちと貧乏者とは、持っとるもので大体分かるから、泊まるとこの猫がね、その旅人を噛み殺して、持っとる資財はみんな自分が取って、またその座敷なんかの血は殺した痕なんか全然分からんぐらいに舌できれいに舐めて、骨は畑に持って行ってちゃんと上から土を被せて埋めて、お客にあげる野菜を作っていたというんですね。その畑は、死体を肥料にして野菜をいっぱい作ったら南瓜とか、冬瓜とかはすごい立派らしいのが出来たらしいんですよ。そのころ王様が野菜の品評会を催したらしいですね。そしたら、その隣近所の人達は、「あんたの家の南瓜とか、冬瓜とかは特別だから、この品評会に出せ。」と言うから、その品評会に出したらこれが一等賞となったわけ。王様は、「この野菜は、このぐらい上出来に出来ている野菜だから、これはどういう肥料を使っているか見てこい。」と部下に命じて調査させたらしい。調査のしたらその畑の肥料になっていたのはみんな人骨であったから発覚して、その化け猫は退治されたと。それで、「いる人(ちゅ)はういしが、出(いじゅ)る人(ちゅ)はうらん〔入る人はおるが、出ていく人がいない〕。」という歌の意味が分かったというんですね。出ていく人がいないのは、泊まった人をみんな噛み殺して畑に埋めてあるわけですよ。

再生時間:6:47

民話詳細DATA

レコード番号 47O201395
CD番号 47O20C069
決定題名 イハ祝女殿内の化け猫(共通語)
話者がつけた題名
話者名 勝連文雄
話者名かな かつれんふみお
生年月日 19170518
性別
出身地 沖縄県八重山郡竹富町波照間
記録日 19960318
記録者の所属組織 竹富町口承文芸学術調査団
元テープ番号 竹富町字波照間T32A02
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 12
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料
キーワード 旅館,野菜,人骨
梗概(こうがい)  恩納祝女殿内には化け猫のおもしろい話があるんですね。恩納祝女殿内は女亭主の旅館で猫を養っておったらしいですね。しかし、猫が何十歳と長い間養われていると智恵(じんぶん)が勝って、主を喰い殺して、自分が家の家主になるわけ。向こうの恩納祝女殿内のあたりは、次の部落まで遠いから夕方にそこを通ると夜となるから行ききれない。だから、そこに旅人が来て泊まるでしょう。それで、そこには夜でも歩ききれる強い人は次の宿まで行くが、弱い人は行ききらんからしょっちゅうそこに泊まったって。だが、泊まると金持ちと貧乏者とは、持っとるもので大体分かるから、泊まるとこの猫がね、その旅人を噛み殺して、持っとる資財はみんな自分が取って、またその座敷なんかの血は殺した痕なんか全然分からんぐらいに舌できれいに舐めて、骨は畑に持って行ってちゃんと上から土を被せて埋めて、お客にあげる野菜を作っていたというんですね。その畑は、死体を肥料にして野菜をいっぱい作ったら南瓜とか、冬瓜とかはすごい立派らしいのが出来たらしいんですよ。そのころ王様が野菜の品評会を催したらしいですね。そしたら、その隣近所の人達は、「あんたの家の南瓜とか、冬瓜とかは特別だから、この品評会に出せ。」と言うから、その品評会に出したらこれが一等賞となったわけ。王様は、「この野菜は、このぐらい上出来に出来ている野菜だから、これはどういう肥料を使っているか見てこい。」と部下に命じて調査させたらしい。調査のしたらその畑の肥料になっていたのはみんな人骨であったから発覚して、その化け猫は退治されたと。それで、「いる人(ちゅ)はういしが、出(いじゅ)る人(ちゅ)はうらん〔入る人はおるが、出ていく人がいない〕。」という歌の意味が分かったというんですね。出ていく人がいないのは、泊まった人をみんな噛み殺して畑に埋めてあるわけですよ。
全体の記録時間数 6:56
物語の時間数 6:47
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

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