タマビーの女房(共通語)

概要

 昔、波照間に独り暮らしの男がいた。ある日その男が魚釣りに行くと釣れた魚はとってもきれいでかわいいタマビー〔フエフキダイ〕だったので、食べないで大きな水甕(みずがめ)で養っていた。ある日、畑から帰ってきて見ると洗濯もやってあるし、ご飯も作ってあるので、不思議に思って隣の家の人に聞いても、「分かりませんね。」という返事だった。同じことが二、三日続いたので、その男は畑に行く真似(まね)をして途中まで行って、戻ってきて隠れて見ていると、自分の養っている魚が水甕から体を震わせながら出てくるとかわいい娘になって、洗濯をしご飯を作っていた。その男が、「あなたはどこから来たの。」と聞くと、「私は普通の人間ではありません、龍宮の者です。龍宮からあなたを助けにきました。」と言った。その娘はその男に言った。「あなたが、私のことをタマビーと呼ばなかったら、十三年の間一緒に暮らすことが出来ますよ。」と言った。ある日、男がうっかり娘をタマビーと呼んだ。すると娘は、「あなたは約束を破って私に恥を掻かせたから、もう人間の姿ではおれません。私は家を出て行きますから草鞋(わらじ)を七足作って下さい。」と言った。男は娘が冗談を言っていると思ったが、七足の草鞋(わらじ)を作ってやると、娘はその草鞋(わらじ)を肩に掛けて、「それでは行きます。」と出て行った。男も後からついて行くと娘は海に行き、「もう行きますよ。」と言って海に入った。すると娘の足は魚になった。そのうちに足の膝まで海に入ると足全部が魚になり、脇腹まで海に入ると脇腹まで魚になった。その娘は、「私が首まで入ったら私は魚になって海の中に行きますよ。」と言って、海に入ると娘は身体はみんな魚になって海の中を泳いで行ってしまった。その男は、あわてて娘を呼んでも娘は帰って来なかった。その男は娘を呼びながらあちこち歩き廻っているうちに岩の上に倒れて死に浜辺で鳴く浜千鳥になった。

再生時間:7:09

民話詳細DATA

レコード番号 47O201316
CD番号 47O20C063
決定題名 タマビーの女房(共通語)
話者がつけた題名
話者名 桃盛茂
話者名かな とうもりしげ
生年月日 19221006
性別
出身地 沖縄県八重山郡竹富町波照間
記録日 19950910
記録者の所属組織 竹富町口承文芸学術調査団
元テープ番号 竹富町字波照間T19B01
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 12
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料
キーワード 魚,水瓶,竜宮,浜千鳥
梗概(こうがい)  昔、波照間に独り暮らしの男がいた。ある日その男が魚釣りに行くと釣れた魚はとってもきれいでかわいいタマビー〔フエフキダイ〕だったので、食べないで大きな水甕(みずがめ)で養っていた。ある日、畑から帰ってきて見ると洗濯もやってあるし、ご飯も作ってあるので、不思議に思って隣の家の人に聞いても、「分かりませんね。」という返事だった。同じことが二、三日続いたので、その男は畑に行く真似(まね)をして途中まで行って、戻ってきて隠れて見ていると、自分の養っている魚が水甕から体を震わせながら出てくるとかわいい娘になって、洗濯をしご飯を作っていた。その男が、「あなたはどこから来たの。」と聞くと、「私は普通の人間ではありません、龍宮の者です。龍宮からあなたを助けにきました。」と言った。その娘はその男に言った。「あなたが、私のことをタマビーと呼ばなかったら、十三年の間一緒に暮らすことが出来ますよ。」と言った。ある日、男がうっかり娘をタマビーと呼んだ。すると娘は、「あなたは約束を破って私に恥を掻かせたから、もう人間の姿ではおれません。私は家を出て行きますから草鞋(わらじ)を七足作って下さい。」と言った。男は娘が冗談を言っていると思ったが、七足の草鞋(わらじ)を作ってやると、娘はその草鞋(わらじ)を肩に掛けて、「それでは行きます。」と出て行った。男も後からついて行くと娘は海に行き、「もう行きますよ。」と言って海に入った。すると娘の足は魚になった。そのうちに足の膝まで海に入ると足全部が魚になり、脇腹まで海に入ると脇腹まで魚になった。その娘は、「私が首まで入ったら私は魚になって海の中に行きますよ。」と言って、海に入ると娘は身体はみんな魚になって海の中を泳いで行ってしまった。その男は、あわてて娘を呼んでも娘は帰って来なかった。その男は娘を呼びながらあちこち歩き廻っているうちに岩の上に倒れて死に浜辺で鳴く浜千鳥になった。
全体の記録時間数 7:55
物語の時間数 7:09
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

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