
あるとき、蚤が虱のところに来て虱に聞いた。「あんたは何を食べてこんなに腹がふくれているか。」「わしは口から針を出して、人の背中に刺して血をどんどん飲んで、こんなに腹がふくれるまで肥えているよ。」と言ったら。今度は虱が蚤に、「あんたはなぜ腹がこんなにふくれているか。」と聞いたら、蚤は、「わしは人間のいちばんおいしいところの血を飲んでいる。あんたはそれがどこか分かるか。」と言った。「いや、分からない。それはどこか。」「それじゃあ、わしと一緒においしいところに行くか。」と言うから、虱は蚤に女の腿(もも)のところに連れて行ってもらって食べたらおいしかった。「おいしいなあ。」と食べながら行くと公園があって、その公園の周囲を巡ってみたら河原もあるから、「上等な公園だなあ。こっちはいいなあ。」と見ていると、「でももう少しで、目がない坊主が来るから、そのときはすぐに逃げないと、その坊主にやられて河原に落ちたら、生きられないよ。」と言うから虱は驚いて出ようとした。そのとき急に目がない坊主が来た。蚤はピャッと飛んで逃げたが、虱は二人の間ピタッと挟まれて潰(つぶ)されたので、ふくれていた腹が平になった。虱はそこからようやく逃げて家(うち)に帰って来て寝ていたら、蚤が来て、「どうしてるか。」と言うから、「ああ、あんたは人を置き去りにして逃げたから、わしは板ばさみになったから潰(つぶ)されて腹もなくなって寝ている。」と言ったら、蚤が、「ああ、そうか。それはあんたがのろまだからだよ。」と言ったから、虱は怒って蚤の腰を蹴っ飛ばした。だから今も蚤の腰は曲がっている。
| レコード番号 | 47O202052 |
|---|---|
| CD番号 | 47O20C109 |
| 決定題名 | のみと虱の話(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 大久真徳 |
| 話者名かな | だいくしんとく |
| 生年月日 | 18941018 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県八重山郡竹富町小浜 |
| 記録日 | 19760804 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄県口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 竹富町字小浜T30A09 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 11 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 平たい,腰曲げ |
| 梗概(こうがい) | あるとき、蚤が虱のところに来て虱に聞いた。「あんたは何を食べてこんなに腹がふくれているか。」「わしは口から針を出して、人の背中に刺して血をどんどん飲んで、こんなに腹がふくれるまで肥えているよ。」と言ったら。今度は虱が蚤に、「あんたはなぜ腹がこんなにふくれているか。」と聞いたら、蚤は、「わしは人間のいちばんおいしいところの血を飲んでいる。あんたはそれがどこか分かるか。」と言った。「いや、分からない。それはどこか。」「それじゃあ、わしと一緒においしいところに行くか。」と言うから、虱は蚤に女の腿(もも)のところに連れて行ってもらって食べたらおいしかった。「おいしいなあ。」と食べながら行くと公園があって、その公園の周囲を巡ってみたら河原もあるから、「上等な公園だなあ。こっちはいいなあ。」と見ていると、「でももう少しで、目がない坊主が来るから、そのときはすぐに逃げないと、その坊主にやられて河原に落ちたら、生きられないよ。」と言うから虱は驚いて出ようとした。そのとき急に目がない坊主が来た。蚤はピャッと飛んで逃げたが、虱は二人の間ピタッと挟まれて潰(つぶ)されたので、ふくれていた腹が平になった。虱はそこからようやく逃げて家(うち)に帰って来て寝ていたら、蚤が来て、「どうしてるか。」と言うから、「ああ、あんたは人を置き去りにして逃げたから、わしは板ばさみになったから潰(つぶ)されて腹もなくなって寝ている。」と言ったら、蚤が、「ああ、そうか。それはあんたがのろまだからだよ。」と言ったから、虱は怒って蚤の腰を蹴っ飛ばした。だから今も蚤の腰は曲がっている。 |
| 全体の記録時間数 | 9:31 |
| 物語の時間数 | 8:11 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |