
ある人が嫁さんをもらおうと思って、嫁さんになる娘が家に行ってみると、その家の娘はなかなかの美人で可愛い娘だったので、この人こそ自分の家の嫁になるべきだと思って、喜んで家に連れて帰ったそうだ。連れて来たときは容姿もよく、美人でもあり、丈夫な身体で幸せな家庭であったと。ところがその女は、昨日よりも今日、今日よりも明日とだんだんお腹が大きくなっていったので、爺さんは初孫が生まれるものだと喜んで期待していたのだが、十か月過ぎ、十二か月になっても生まれないので、「こりゃどうしたことか。十か月も子供を宿しているのに、十二か月もなるのに生まれない。不思議だ。この子はなぜこのように一か年になっても生まれないのだ。」と言うと、その女は、「いや、子ではない。」「何なのだ。」「私は実家にいたとき、一日一回ずつおならをしていましたが、この家へ来てからは、今日も明日もじっとがまんしておならをしていないので、今一か年になってお腹がこんなになったので息をするにも苦しくなりました。。今でも大きくなっています。」と答えたので、「よし、そんなら、屁なら早く放(ひ)ってしまえ。放(ひ)ってしまえば、何んでもない。早く放(ひ)ろ。」と夫が言っても、夫の前だからできないし、お腹が大きいので、立ち上がることもできないでいたら、「ここで、この座敷で早く放ろ。」と夫が言ったので、ひょいと尻を振って屁を放(ひ)ると、台風が来たように後ろの雨戸、中の戸、障子などをめちゃくちゃにぶちこわし吹っ飛ばしたので、夫はそれを見てびっくりして炊事場にかけ込んだそうだ。ちょうどそのとき、尻は夫の方へ向いていたので、夫を吹き飛ばしたから、夫は屁の力で引っ繰り返り倒れてしまった。それで、その主人は、「ああ、屁が出ている間は起きられない。」とじっとしている間に、お椀から鍋・飯釜も全部吹っ飛んで砕け散ったから、いったいどうしたらよいかと途方に暮れていたが、そのうちに台風が吹くように吹きまくって、それから何ごともなかったように静まりかえった。そこで、「やれやれ。」と安心したとたんまたブーと普通のおならをすると、お嫁さんは、「ああ、これだけでした。」と普通の体の人になって戻って来たので、「そんなことなら、お前さんは毎日、毎日しなさい。」と許してくださったそうだ。
| レコード番号 | 47O201860 |
|---|---|
| CD番号 | 47O20C101 |
| 決定題名 | 屁こき嫁(方言) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 大久真徳 |
| 話者名かな | だいくしんとく |
| 生年月日 | 18941018 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県八重山郡竹富町小浜 |
| 記録日 | 19750808 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄県口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 竹富町字小浜T46B01 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 13 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 初孫,台風 |
| 梗概(こうがい) | ある人が嫁さんをもらおうと思って、嫁さんになる娘が家に行ってみると、その家の娘はなかなかの美人で可愛い娘だったので、この人こそ自分の家の嫁になるべきだと思って、喜んで家に連れて帰ったそうだ。連れて来たときは容姿もよく、美人でもあり、丈夫な身体で幸せな家庭であったと。ところがその女は、昨日よりも今日、今日よりも明日とだんだんお腹が大きくなっていったので、爺さんは初孫が生まれるものだと喜んで期待していたのだが、十か月過ぎ、十二か月になっても生まれないので、「こりゃどうしたことか。十か月も子供を宿しているのに、十二か月もなるのに生まれない。不思議だ。この子はなぜこのように一か年になっても生まれないのだ。」と言うと、その女は、「いや、子ではない。」「何なのだ。」「私は実家にいたとき、一日一回ずつおならをしていましたが、この家へ来てからは、今日も明日もじっとがまんしておならをしていないので、今一か年になってお腹がこんなになったので息をするにも苦しくなりました。。今でも大きくなっています。」と答えたので、「よし、そんなら、屁なら早く放(ひ)ってしまえ。放(ひ)ってしまえば、何んでもない。早く放(ひ)ろ。」と夫が言っても、夫の前だからできないし、お腹が大きいので、立ち上がることもできないでいたら、「ここで、この座敷で早く放ろ。」と夫が言ったので、ひょいと尻を振って屁を放(ひ)ると、台風が来たように後ろの雨戸、中の戸、障子などをめちゃくちゃにぶちこわし吹っ飛ばしたので、夫はそれを見てびっくりして炊事場にかけ込んだそうだ。ちょうどそのとき、尻は夫の方へ向いていたので、夫を吹き飛ばしたから、夫は屁の力で引っ繰り返り倒れてしまった。それで、その主人は、「ああ、屁が出ている間は起きられない。」とじっとしている間に、お椀から鍋・飯釜も全部吹っ飛んで砕け散ったから、いったいどうしたらよいかと途方に暮れていたが、そのうちに台風が吹くように吹きまくって、それから何ごともなかったように静まりかえった。そこで、「やれやれ。」と安心したとたんまたブーと普通のおならをすると、お嫁さんは、「ああ、これだけでした。」と普通の体の人になって戻って来たので、「そんなことなら、お前さんは毎日、毎日しなさい。」と許してくださったそうだ。 |
| 全体の記録時間数 | 3:33 |
| 物語の時間数 | 4:01 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ○ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |