
多良間モーサーが、西表の若い衆に食料を持って行く途中、嵐に遭い遭難した。船は沈んでしまったので食料箱につかまり漂流していた。流木が流れてきたのでそれにのり移った。それに乗っていくとある無人島に着いた。そこで生活を始めた。ある晩、神様のような人が現れ、「海の生き物があなたを帰してくれるので浜に出なさい。」と言われたが、夢だと思った。雨が降っていたので浜に出ず寝てしまった。又、同じ夢を見たので、着物を3枚着て松明を持ち、アンツクにいろいろ入れ、浜に出た。ボラが2匹捕れた。縄をぬって2匹を引っ張って歩いていると、1匹はちぎれてなくなった。1匹を追っていくと、ずっと深い所へ潜っていった。そこへ黄色いサメが来て股の間に入り、モーサーを乗せ、太陽が地平線からのぞくころになると、波照間島が見えた。波照間島が過ぎると、自分の故郷の黒島が見えた。アジャナ(でこぼこの多いところ)の50ピロほど手前の沖の方でサメは沈んだのでそこから泳いできた。サメはその周囲をぐるっと回っていたので、五尺ほどもある手ぬぐいをサメに投げてありがとうと言って手を振った。そして家の近くまで来ると、仲本部落の宮里クスクウンケシ、宮里ヤヌサ、川満ヤンタの3人が漁に出かけるのを見て、声をかけると、多良間モーサーの幽霊だと思い、逃げようとする。「助けて」と呼び止めると、多良間モーサー自身とわかり、一人は村に知らせに行った。すると家族が来て再会した。モーサーは一晩中泣いたため顎も硬くなって言葉もあまり出なくなった。彼が遭難した時のことは、漂流記と掛け軸は家宝として残っているそうだ。
| レコード番号 | 47O200787 |
|---|---|
| CD番号 | 47O20C044 |
| 決定題名 | サメに助けられた話(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 宮良勇吉 |
| 話者名かな | みやらゆうきち |
| 生年月日 | 19121025 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県八重山郡竹富町字黒島 |
| 記録日 | 19750809 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 竹富町字黒島T51A09 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 20 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 年寄りから聞いた話と漂流記を読んだ |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 西表,遭難,夢,波照間 |
| 梗概(こうがい) | 多良間モーサーが、西表の若い衆に食料を持って行く途中、嵐に遭い遭難した。船は沈んでしまったので食料箱につかまり漂流していた。流木が流れてきたのでそれにのり移った。それに乗っていくとある無人島に着いた。そこで生活を始めた。ある晩、神様のような人が現れ、「海の生き物があなたを帰してくれるので浜に出なさい。」と言われたが、夢だと思った。雨が降っていたので浜に出ず寝てしまった。又、同じ夢を見たので、着物を3枚着て松明を持ち、アンツクにいろいろ入れ、浜に出た。ボラが2匹捕れた。縄をぬって2匹を引っ張って歩いていると、1匹はちぎれてなくなった。1匹を追っていくと、ずっと深い所へ潜っていった。そこへ黄色いサメが来て股の間に入り、モーサーを乗せ、太陽が地平線からのぞくころになると、波照間島が見えた。波照間島が過ぎると、自分の故郷の黒島が見えた。アジャナ(でこぼこの多いところ)の50ピロほど手前の沖の方でサメは沈んだのでそこから泳いできた。サメはその周囲をぐるっと回っていたので、五尺ほどもある手ぬぐいをサメに投げてありがとうと言って手を振った。そして家の近くまで来ると、仲本部落の宮里クスクウンケシ、宮里ヤヌサ、川満ヤンタの3人が漁に出かけるのを見て、声をかけると、多良間モーサーの幽霊だと思い、逃げようとする。「助けて」と呼び止めると、多良間モーサー自身とわかり、一人は村に知らせに行った。すると家族が来て再会した。モーサーは一晩中泣いたため顎も硬くなって言葉もあまり出なくなった。彼が遭難した時のことは、漂流記と掛け軸は家宝として残っているそうだ。 |
| 全体の記録時間数 | 24:01:00 |
| 物語の時間数 | 23:43 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |