ショウガの由来(共通語)

概要

 山の一軒家があってね、米ってのは水田じゃないと作れないでしょ。あのころは、ほとんど米じゃなく麦は畑に作らして、あんまり米とかそういう物が無いもんだからね、あるものでしか人間の食事と出来ないわけさあね。それでいつも麦のご飯だけを妻が炊くもんだからね、旦那は怒ってね、「同じのしかくれんか。」って言うと、妻は、「どっからか米を持って来いって、ある物だけくれて金もないどこかにあるの。」って喧嘩してからね、妻は別れたんだって。妻と別れてからね、それからが夫は妻もいないから生活も出来ない。それでね、箕(そーき)といって、この丸くてこっちが薄くなってるのザルみたいな米をとばすのがあるさあな。昔はね、米を臼でひいてね、風がない時はあれでね、これでねこんなにやったらね、殻のほうが先にとばされて、これでもって残った米はまた搗いて。だから、そのために箕(そーき)っていうもんがねあるわけさ。夫はもの買うお金がなくて、竹で箕(そーき)を編んで売って回ったと。十何年なっておったか分からんけれどもあっちこっち箕(そーき)を売りに行かれたらね、子供がいたから、名前を聞いたみたい。聞いたら、「あはあ、これは自分の子供だなあ。」と分かったから、子供が持ってるもの買ってね、ご飯もあげてね、お金もね持たしてあげてるわけさ。子供は自分の親とも分からんさ。こんなやってるうちに子供が病気になってね、病気ならば母ちゃんどこに行ったか分からんわけだからどうせお父さんは自分で動かないといかんわけさな。今度は夫がね、また箕(そーき)を作って売りに回って歩くわけさ。回っていったら、そしたら、商談の時にある家の奥さんが麦のご飯出したわけさ。夫は、あんまり食事もやってなかったんでないでご飯が出たからね、その奥さんをよく見もしないですぐ食べよったって。食べよったら、それが昔の奥さんだからよ、「あんたは同じのばかりくれるって言って昔は麦のご飯は食べんって言っていたのに、今はおいしそうに食べていらっしゃるね。」って言うから、ぽっと見たからよ、昔の奥さんだから、夫は驚いて、「いい。」って言ってからよ、舌切ってすぐとばして行ったみたい。そしたら、女は、昔の夫が捨てて行った舌を見とってね、大事にしてね、そばにこれを埋めてあったみたい。そしたらね、あれから物が生えてきたって。生えてきたからね、根っこ掘ってみたらね、何か出来物ができてるみたいさ。あれと思ってね、取って食べてみたらちょっと苦みがあって、香りもいいから、「あい、これじゃあ食事にできるんじゃないかなあ。」って、それを食べていたと。それが茗荷の始まりで舌でからなっているわけだから、茗荷(みょうが)は必ず皮剥いて食べることとなっているって。これは昔の事実の話だから、その舌から茗荷(みょうが)ができたと昔からの伝え話がある。
①茗荷(みょうが)の由来‥‥この話では前夫の墓から茗荷が生えてくることになっているが、沖縄本島では煙草が生えてくる話があり、さらに後に掲載されている話のように亀に転生する話などもある。

再生時間:4:22

民話詳細DATA

レコード番号 47O200649
CD番号 47O20C038
決定題名 ショウガの由来(共通語)
話者がつけた題名
話者名 鳩間真吉
話者名かな はとましんきち
生年月日 19300215
性別
出身地 沖縄県八重山郡竹富町字鳩間 
記録日 19971120
記録者の所属組織 竹富町口承文芸学術調査団
元テープ番号 竹富町字鳩間107B04
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 12
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 沖国大国文学科平成9度卒業論文 鳩間島の民話 p50
キーワード 麦,ソーキ,舌
梗概(こうがい)  山の一軒家があってね、米ってのは水田じゃないと作れないでしょ。あのころは、ほとんど米じゃなく麦は畑に作らして、あんまり米とかそういう物が無いもんだからね、あるものでしか人間の食事と出来ないわけさあね。それでいつも麦のご飯だけを妻が炊くもんだからね、旦那は怒ってね、「同じのしかくれんか。」って言うと、妻は、「どっからか米を持って来いって、ある物だけくれて金もないどこかにあるの。」って喧嘩してからね、妻は別れたんだって。妻と別れてからね、それからが夫は妻もいないから生活も出来ない。それでね、箕(そーき)といって、この丸くてこっちが薄くなってるのザルみたいな米をとばすのがあるさあな。昔はね、米を臼でひいてね、風がない時はあれでね、これでねこんなにやったらね、殻のほうが先にとばされて、これでもって残った米はまた搗いて。だから、そのために箕(そーき)っていうもんがねあるわけさ。夫はもの買うお金がなくて、竹で箕(そーき)を編んで売って回ったと。十何年なっておったか分からんけれどもあっちこっち箕(そーき)を売りに行かれたらね、子供がいたから、名前を聞いたみたい。聞いたら、「あはあ、これは自分の子供だなあ。」と分かったから、子供が持ってるもの買ってね、ご飯もあげてね、お金もね持たしてあげてるわけさ。子供は自分の親とも分からんさ。こんなやってるうちに子供が病気になってね、病気ならば母ちゃんどこに行ったか分からんわけだからどうせお父さんは自分で動かないといかんわけさな。今度は夫がね、また箕(そーき)を作って売りに回って歩くわけさ。回っていったら、そしたら、商談の時にある家の奥さんが麦のご飯出したわけさ。夫は、あんまり食事もやってなかったんでないでご飯が出たからね、その奥さんをよく見もしないですぐ食べよったって。食べよったら、それが昔の奥さんだからよ、「あんたは同じのばかりくれるって言って昔は麦のご飯は食べんって言っていたのに、今はおいしそうに食べていらっしゃるね。」って言うから、ぽっと見たからよ、昔の奥さんだから、夫は驚いて、「いい。」って言ってからよ、舌切ってすぐとばして行ったみたい。そしたら、女は、昔の夫が捨てて行った舌を見とってね、大事にしてね、そばにこれを埋めてあったみたい。そしたらね、あれから物が生えてきたって。生えてきたからね、根っこ掘ってみたらね、何か出来物ができてるみたいさ。あれと思ってね、取って食べてみたらちょっと苦みがあって、香りもいいから、「あい、これじゃあ食事にできるんじゃないかなあ。」って、それを食べていたと。それが茗荷の始まりで舌でからなっているわけだから、茗荷(みょうが)は必ず皮剥いて食べることとなっているって。これは昔の事実の話だから、その舌から茗荷(みょうが)ができたと昔からの伝え話がある。 ①茗荷(みょうが)の由来‥‥この話では前夫の墓から茗荷が生えてくることになっているが、沖縄本島では煙草が生えてくる話があり、さらに後に掲載されている話のように亀に転生する話などもある。
全体の記録時間数 4:27
物語の時間数 4:22
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

トップに戻る

TOP