
旧の三月三日は、女の節句と言われております。ある家庭は、大変な裕福な家庭で、お父さんは早くに亡くなってしまって、お母さんが親一人でお嬢さんを養っておるうちに、もうこのお嬢さんは、今日は明日は今年は来年はとしておるうちに、もう二十歳も余って年頃になって、嫁に行く頃になりましたら、その家に時々、好男子の男が来たり行ったり来たりして、もう三ヵ月も通って来て、この家の人と後はとうとう大変に親しくなって、このお嬢さんは、この男に騙されてもうもう夫婦となってしまって、体が変になってしま
ったので、隣に物知りのお婆さんがいらっしゃいましたので、「お婆さん。私は大変の元気の体であったけれども、この頃は、もう体が順調じゃないので仕事もできない。それで、お婆さんにちょっと伺ってお願いしたいと思って来ましたが。」と言われましたので、お婆さんは、「あなたは年頃もなったし、夢によくこれものっておるが、まずあなたの所に男の人が時々来ますか。」と尋ねましたので、このお嬢さんはもう遠慮なくある通り、「もう時々男の好男子が来たり、行ったり来たり行ったり。大変と親しく友達しておりま
す。」「はあ、これはね、間違いなくあなたはもう妊娠しとるんだ。妊娠しとるの間違いない。」「じゃあ、これはどうすればお婆さん、いいんですかね。良いように出来る方法はございませんか。」とお嬢様が尋ねましたら、お婆さんは、「あなたのところに来ているのはね、これは人間じゃなくして、ハブであったんだよ。あなたハブの子供を妊娠しとるんだ。」「じゃあ、これはどうすればいいですか。お婆さん。もうもう教えて下さい。」と言ってもうお願いしたところ、「ちょうど三月三日は女の節句とありますので、この日にフツの餅を沢山食べて、海岸に下りて、海水浴をしてきたら、これは流産するんだから、こうやりなさい。」と教えましたので、「それじゃあ、今日は自分はもうお婆さんが教えた通り実行しないとならない。」と思って、この三月三日に海岸に下りて、海の干瀬をあっちに渡り、こっちに渡って、もう海水を盛んに浴びたらこのお婆さんが教えた通り、ハブの子は流産して、その後は、漁師さんとの結婚も出来てもう安心したという。
| レコード番号 | 47O200534 |
|---|---|
| CD番号 | 47O20C031 |
| 決定題名 | 蛇婿入(方言) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 加治久政治 |
| 話者名かな | かじくせいじ |
| 生年月日 | 19060706 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県八重山郡竹富町字竹富 |
| 記録日 | 19760804 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 竹富町字竹富T125A5 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 20 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 沖国大国文学科平成8度卒業論文 竹富島の民話 p69 |
| キーワード | 三月三日,ハブ |
| 梗概(こうがい) | 旧の三月三日は、女の節句と言われております。ある家庭は、大変な裕福な家庭で、お父さんは早くに亡くなってしまって、お母さんが親一人でお嬢さんを養っておるうちに、もうこのお嬢さんは、今日は明日は今年は来年はとしておるうちに、もう二十歳も余って年頃になって、嫁に行く頃になりましたら、その家に時々、好男子の男が来たり行ったり来たりして、もう三ヵ月も通って来て、この家の人と後はとうとう大変に親しくなって、このお嬢さんは、この男に騙されてもうもう夫婦となってしまって、体が変になってしま ったので、隣に物知りのお婆さんがいらっしゃいましたので、「お婆さん。私は大変の元気の体であったけれども、この頃は、もう体が順調じゃないので仕事もできない。それで、お婆さんにちょっと伺ってお願いしたいと思って来ましたが。」と言われましたので、お婆さんは、「あなたは年頃もなったし、夢によくこれものっておるが、まずあなたの所に男の人が時々来ますか。」と尋ねましたので、このお嬢さんはもう遠慮なくある通り、「もう時々男の好男子が来たり、行ったり来たり行ったり。大変と親しく友達しておりま す。」「はあ、これはね、間違いなくあなたはもう妊娠しとるんだ。妊娠しとるの間違いない。」「じゃあ、これはどうすればお婆さん、いいんですかね。良いように出来る方法はございませんか。」とお嬢様が尋ねましたら、お婆さんは、「あなたのところに来ているのはね、これは人間じゃなくして、ハブであったんだよ。あなたハブの子供を妊娠しとるんだ。」「じゃあ、これはどうすればいいですか。お婆さん。もうもう教えて下さい。」と言ってもうお願いしたところ、「ちょうど三月三日は女の節句とありますので、この日にフツの餅を沢山食べて、海岸に下りて、海水浴をしてきたら、これは流産するんだから、こうやりなさい。」と教えましたので、「それじゃあ、今日は自分はもうお婆さんが教えた通り実行しないとならない。」と思って、この三月三日に海岸に下りて、海の干瀬をあっちに渡り、こっちに渡って、もう海水を盛んに浴びたらこのお婆さんが教えた通り、ハブの子は流産して、その後は、漁師さんとの結婚も出来てもう安心したという。 |
| 全体の記録時間数 | 9:48 |
| 物語の時間数 | 9:16 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |