仲筋井戸(共通語)

概要

あの仲筋井戸は、仲筋御嶽の神様が飼っていた犬によって発見されたという伝えがあるね。犬がどうして水を発見したかというと、その犬を飼っていたのは、あの仲筋御嶽の言わば神様ということになるけど、その犬がね、旱魃の最中で暑くて暑くてたまらんで、飲む水も無く、皆が困っているときに、毎日水浴びをして濡れて来るから、仲筋御嶽の主は、「こんな旱魃の熱い日中に犬が毎日水浴びしてくるということは不思議だ。確かにどこかで毎日に水浴びして来るから、これは水浴びする時刻について行ってみよう。」ということで、この犬の後をついて行ったところ、犬が向こうの芭蕉畑の中の岩場みたいなところに入って行くから、そこに行って見ると、犬は、蟹の穴みたいなところに尻尾を入れて濡らして水を浴び、また尻尾を入れて濡らしては水を浴びしていたとということで、これを見て、「あはあ、毎日、水浴びしてきたのはこちらなんだな。確かに水があるからこうしてやっているんだ。」ということ、すぐに村の全員にあの水を見てもらったら、「じゃあ、こちらを深く掘ればあるんじゃないか。」ということでて、そこを掘ったら水があ
ったということで、掘り当てたのがあの仲筋井戸で、だから、犬が発見したとこれも伝説のように言い伝えられている。
 それで、あの井戸は犬を仰向けにした格好でずうっと積まれていたのよ。水桶担いで尻尾からずうっと回って、脊髄をずうっと階段にしてね、そして、水が溜まったときには、水面が犬の顔になってね、顔の両脇に耳がちょこっとちゃんと今でもありますよ。そして、前足の間から階段があって、それで、後ろ脚があって、その後ろ脚のところから尻尾がずうっと道の方に曲がって階段になって下まで降りれるようになっている。後で、後ろ脚と尻尾は切られちゃったけどね。僕なんか、あれ昭和十二年に現在の格好に、あの変え、変えたこの門中に変えてあるさ、昭和十二年に変えた。あの井戸を今の形に変えたのは、昭和十二年ですよ。もううちのおじいちゃん、うちのお父さんなんかがね、衛生部って時に、山城という駐在が来られましたよ。当時は駐在所のお巡りさんが衛生も見ていて、マラリア予防にケニネというのを配布して飲ませたり、献血もしたりしよったからね。そして、あの井戸は、大雨になると尻尾の階段から汚水がそのまま流れて来るし、力のある者は水桶を両手に担いだまま降りて来て、やっぱし足を突っ込んで、そのまま酌んでから上がって、次の人も同じことを繰り返して、お互いに足を洗いっこしながら使っていたから、うちのお父さんなんかと、駐在さんが、うちでお酒飲みながら、あの井戸の話をして、「水を見たらもうきれいに澄んが水だけど、向こうの井戸は衛生的に悪い。衛生的な水を飲もう。どうしても衛生的な水を飲むんだ。」と、こうしよう、ああしようと協議していたのが僕なんか十二才の頃だ。そして、そのときに、現在の形に変えちゃったんだ。
 今、現在は全然この井戸水飲まないし、水道の蛇口で水を飲むから衛生的な水はちゃんと飲んでいるんだけど、あの井戸は、犬が発見したという昔の伝説があって観光地として大切だから、井戸そのものを復元しようと今話したりしていますがね。

再生時間:1:12

民話詳細DATA

レコード番号 47O200278
CD番号 47O20C016
決定題名 仲筋井戸(共通語)
話者がつけた題名
話者名 高那三郎
話者名かな たかなさぶろう
生年月日 19260501
性別
出身地 沖縄県八重山郡竹富町字竹富
記録日 19950322
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 竹富町字竹富T06A07
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 20,12,
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 沖国大国文学科平成8度卒業論文 竹富島の民話 p16
キーワード 仲筋御嶽,犬,尻尾,
梗概(こうがい) あの仲筋井戸は、仲筋御嶽の神様が飼っていた犬によって発見されたという伝えがあるね。犬がどうして水を発見したかというと、その犬を飼っていたのは、あの仲筋御嶽の言わば神様ということになるけど、その犬がね、旱魃の最中で暑くて暑くてたまらんで、飲む水も無く、皆が困っているときに、毎日水浴びをして濡れて来るから、仲筋御嶽の主は、「こんな旱魃の熱い日中に犬が毎日水浴びしてくるということは不思議だ。確かにどこかで毎日に水浴びして来るから、これは水浴びする時刻について行ってみよう。」ということで、この犬の後をついて行ったところ、犬が向こうの芭蕉畑の中の岩場みたいなところに入って行くから、そこに行って見ると、犬は、蟹の穴みたいなところに尻尾を入れて濡らして水を浴び、また尻尾を入れて濡らしては水を浴びしていたとということで、これを見て、「あはあ、毎日、水浴びしてきたのはこちらなんだな。確かに水があるからこうしてやっているんだ。」ということ、すぐに村の全員にあの水を見てもらったら、「じゃあ、こちらを深く掘ればあるんじゃないか。」ということでて、そこを掘ったら水があ ったということで、掘り当てたのがあの仲筋井戸で、だから、犬が発見したとこれも伝説のように言い伝えられている。  それで、あの井戸は犬を仰向けにした格好でずうっと積まれていたのよ。水桶担いで尻尾からずうっと回って、脊髄をずうっと階段にしてね、そして、水が溜まったときには、水面が犬の顔になってね、顔の両脇に耳がちょこっとちゃんと今でもありますよ。そして、前足の間から階段があって、それで、後ろ脚があって、その後ろ脚のところから尻尾がずうっと道の方に曲がって階段になって下まで降りれるようになっている。後で、後ろ脚と尻尾は切られちゃったけどね。僕なんか、あれ昭和十二年に現在の格好に、あの変え、変えたこの門中に変えてあるさ、昭和十二年に変えた。あの井戸を今の形に変えたのは、昭和十二年ですよ。もううちのおじいちゃん、うちのお父さんなんかがね、衛生部って時に、山城という駐在が来られましたよ。当時は駐在所のお巡りさんが衛生も見ていて、マラリア予防にケニネというのを配布して飲ませたり、献血もしたりしよったからね。そして、あの井戸は、大雨になると尻尾の階段から汚水がそのまま流れて来るし、力のある者は水桶を両手に担いだまま降りて来て、やっぱし足を突っ込んで、そのまま酌んでから上がって、次の人も同じことを繰り返して、お互いに足を洗いっこしながら使っていたから、うちのお父さんなんかと、駐在さんが、うちでお酒飲みながら、あの井戸の話をして、「水を見たらもうきれいに澄んが水だけど、向こうの井戸は衛生的に悪い。衛生的な水を飲もう。どうしても衛生的な水を飲むんだ。」と、こうしよう、ああしようと協議していたのが僕なんか十二才の頃だ。そして、そのときに、現在の形に変えちゃったんだ。  今、現在は全然この井戸水飲まないし、水道の蛇口で水を飲むから衛生的な水はちゃんと飲んでいるんだけど、あの井戸は、犬が発見したという昔の伝説があって観光地として大切だから、井戸そのものを復元しようと今話したりしていますがね。
全体の記録時間数 1:25
物語の時間数 1:12
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

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