仲筋井戸(共通語)

概要

こっちは、今はこう水道があるけど、昔は水が全然不自由で、あっちの仲筋井戸(なーじかー)というところはね、あそこにまた昔のほら火の見櫓って言うんですか、敵が来るのを見るのさね。ンブフルとも、ごじゅんじょなんってもいう高台があるんですよ。やっぱしね、同じようなのが、今林になって見えないけど、向こうにもこっちにも三つありますよ。そのンブフルの上に自分の飼い犬を連れてね、登ってね、こう見とったらね、そしたら、この犬が何か水飲みたくて、ばあっと下りていったけど、そこの草叢から林の中に
入って行ったんだけど、戻ってきた犬を見たら、尻尾が濡れとったって。「あれぇ、これ水があるね。」と言って、そのころも水というのないから、その犬の飼い主はね、犬の後ついて行ったらね、そこに水がちょちょちょと湧いていたから、それで、「こっちに確かに水がある。」って見つけたもんだから、皆でそこを掘って、階段は犬の尻尾みたいにして、私なんかこの階段から降りてね、こっちの縁の方で水を汲んだの。こっちの方にはまたこう高くね、石で丸くね、高く積んで二つ置いてあるんです。そして、またもう少し下りると、そこは、犬がこう逆さになって水を飲んでいるような形にねなっていて、こっちは前足、こっちは後足で、こっちがもう犬の頭ね。その犬の頭の方には水が溜まっている。その犬の形に皆で掘って、今の仲筋井戸(なーじかー)にしたって。
 昔は、こっちだけがね、水汲むところだった。今はね、こう囲いしてあるけどね、昔は囲いしてなくってね、向こうから階段で下りるようになって、釣瓶で採るけどね、水汲むタアグ、桶にね、水がいっぱい溜まったら、そこから担いで上に登ったんですよ。水がずうっとそこにある。だから、今は水いっぱいあるからね、あそこは、子供たちがあっちに落ちたら危ないからって、みんな周囲をこんなにずうっと大きく積んだけどよ。
・仲筋井戸(なーじかー)‥‥仲筋村の酋長新志花重成の飼っていた犬が見つけたとされる。・ごじゅんじょなん‥‥ンブフルのこと。竹富島のほぼ中央に位置する。・ンブフル(一名牛岡)‥‥竹富島の中央に位置する丘。夜中に飛び出した牛が、角で土や石を放り上げて一夜のうちに築き上げた丘で、牛がその上で「んぶんぶ」鳴いていたことからこの名がついた。当時の酋長新志花重(あらしばなさかなり)はこれを見ておおいに喜び、この丘を土台に堅固な城を見張台を築き上げたという。現在は高台として、竹富島内を眺めることが出来る。・たあぐ‥‥たご。桶の一種。水を運ぶのに使う。桶の両側の板がおのおの一枚ずつ伸び、それに横木を通して取っ手とした桶。

再生時間:6:16

民話詳細DATA

レコード番号 47O200247
CD番号 47O20C014
決定題名 仲筋井戸(共通語)
話者がつけた題名
話者名 細原千代
話者名かな くまばらちよ
生年月日 19200124
性別
出身地 沖縄県八重山郡竹富町字竹富
記録日 19950322
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 竹富町字竹富T3A04
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 20
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 沖国大国文学科平成8度卒業論文 竹富島の民話 p19
キーワード 犬,尻尾,犬の形
梗概(こうがい) こっちは、今はこう水道があるけど、昔は水が全然不自由で、あっちの仲筋井戸(なーじかー)というところはね、あそこにまた昔のほら火の見櫓って言うんですか、敵が来るのを見るのさね。ンブフルとも、ごじゅんじょなんってもいう高台があるんですよ。やっぱしね、同じようなのが、今林になって見えないけど、向こうにもこっちにも三つありますよ。そのンブフルの上に自分の飼い犬を連れてね、登ってね、こう見とったらね、そしたら、この犬が何か水飲みたくて、ばあっと下りていったけど、そこの草叢から林の中に 入って行ったんだけど、戻ってきた犬を見たら、尻尾が濡れとったって。「あれぇ、これ水があるね。」と言って、そのころも水というのないから、その犬の飼い主はね、犬の後ついて行ったらね、そこに水がちょちょちょと湧いていたから、それで、「こっちに確かに水がある。」って見つけたもんだから、皆でそこを掘って、階段は犬の尻尾みたいにして、私なんかこの階段から降りてね、こっちの縁の方で水を汲んだの。こっちの方にはまたこう高くね、石で丸くね、高く積んで二つ置いてあるんです。そして、またもう少し下りると、そこは、犬がこう逆さになって水を飲んでいるような形にねなっていて、こっちは前足、こっちは後足で、こっちがもう犬の頭ね。その犬の頭の方には水が溜まっている。その犬の形に皆で掘って、今の仲筋井戸(なーじかー)にしたって。  昔は、こっちだけがね、水汲むところだった。今はね、こう囲いしてあるけどね、昔は囲いしてなくってね、向こうから階段で下りるようになって、釣瓶で採るけどね、水汲むタアグ、桶にね、水がいっぱい溜まったら、そこから担いで上に登ったんですよ。水がずうっとそこにある。だから、今は水いっぱいあるからね、あそこは、子供たちがあっちに落ちたら危ないからって、みんな周囲をこんなにずうっと大きく積んだけどよ。 ・仲筋井戸(なーじかー)‥‥仲筋村の酋長新志花重成の飼っていた犬が見つけたとされる。・ごじゅんじょなん‥‥ンブフルのこと。竹富島のほぼ中央に位置する。・ンブフル(一名牛岡)‥‥竹富島の中央に位置する丘。夜中に飛び出した牛が、角で土や石を放り上げて一夜のうちに築き上げた丘で、牛がその上で「んぶんぶ」鳴いていたことからこの名がついた。当時の酋長新志花重(あらしばなさかなり)はこれを見ておおいに喜び、この丘を土台に堅固な城を見張台を築き上げたという。現在は高台として、竹富島内を眺めることが出来る。・たあぐ‥‥たご。桶の一種。水を運ぶのに使う。桶の両側の板がおのおの一枚ずつ伸び、それに横木を通して取っ手とした桶。
全体の記録時間数 6:38
物語の時間数 6:16
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

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