ニーウスビの神の話(方言)

にーうすびのかみのはなし

概要

ずうっと昔、ニーラン神が大和の国から作物の種を数々持って来て、竹富島に船を着けた。その船をつけた所はニーラン神が船を着けところなので、ニーランと言うようになった。ニーラン神は、「この種を八重山の九つの村に配り、作物ができたら初穂を供えなさい。」と言って、竹富の早配りの神に預けた。その種を預かった神は、自分の島にはなんとかしてたくさんの種子を配るようにしようと思って、いろんな種袋の中から胡麻の種の袋を取り出し、その種に草の根っこを被せて隠して置いて、その他の袋の種を村々に分配した。それで、その早配りの神は種子を盗んで、草の根に隠したので、ニーウスピ〔根被い〕の神と呼ばれるようになった。作物ができるとどの作物もニーラン神に初穂は差しあげたが、その早配りの神が種を草の根に隠した胡麻の初穂だけは差しあげなかった。今でも胡麻の初穂は神にお供えしない。ニーラン神がおいでになったこの島のニーランには、旧暦の八月八日の日に、神女たちが出かけて、世迎(ゆーん)かいの祈願をし、そこからトンチャーという歌をうたって村へ上がって来と、入口で神女たちを侍ち受けて、スンズンという鼓を打って迎えています。
①ニーラン‥‥竹富島の西方でニライ・カナイの神を迎えるところ。②トンチャー‥‥ニライ・カナイからたくさんの穀物が運ばれて来たという内容の歌謡で「世迎い。」の行事や「種子取祭り。」の芸能のなかでも歌われる。③すんずん‥‥本土の鼓とは違う。ばちで打ち鳴らすしめ太鼓のこと。

再生時間:2:46

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民話詳細DATA

レコード番号 47O200121
CD番号 47O20C008
決定題名 ニーウスビの神の話(方言)
話者がつけた題名
話者名 大山功
話者名かな おおさんこう
生年月日 18921025
性別
出身地 沖縄県八重山郡竹富町字竹富
記録日 19760804
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 竹富町字竹富T36A03
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 20
発句(ほっく) むかし
伝承事情
文字化資料 『竹富島・小浜島の昔話』4 ニーウスビの神
キーワード 船,ニーウスビ,八月八日,トゥンチャー
梗概(こうがい) ずうっと昔、ニーラン神が大和の国から作物の種を数々持って来て、竹富島に船を着けた。その船をつけた所はニーラン神が船を着けところなので、ニーランと言うようになった。ニーラン神は、「この種を八重山の九つの村に配り、作物ができたら初穂を供えなさい。」と言って、竹富の早配りの神に預けた。その種を預かった神は、自分の島にはなんとかしてたくさんの種子を配るようにしようと思って、いろんな種袋の中から胡麻の種の袋を取り出し、その種に草の根っこを被せて隠して置いて、その他の袋の種を村々に分配した。それで、その早配りの神は種子を盗んで、草の根に隠したので、ニーウスピ〔根被い〕の神と呼ばれるようになった。作物ができるとどの作物もニーラン神に初穂は差しあげたが、その早配りの神が種を草の根に隠した胡麻の初穂だけは差しあげなかった。今でも胡麻の初穂は神にお供えしない。ニーラン神がおいでになったこの島のニーランには、旧暦の八月八日の日に、神女たちが出かけて、世迎(ゆーん)かいの祈願をし、そこからトンチャーという歌をうたって村へ上がって来と、入口で神女たちを侍ち受けて、スンズンという鼓を打って迎えています。 ①ニーラン‥‥竹富島の西方でニライ・カナイの神を迎えるところ。②トンチャー‥‥ニライ・カナイからたくさんの穀物が運ばれて来たという内容の歌謡で「世迎い。」の行事や「種子取祭り。」の芸能のなかでも歌われる。③すんずん‥‥本土の鼓とは違う。ばちで打ち鳴らすしめ太鼓のこと。
全体の記録時間数 2:46
物語の時間数 2:46
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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