仲筋井戸(共通語)

概要

昔から、犬井戸(いぬがー)と呼ばれていた井戸があります。この井戸は、今仲筋井戸と言われております。この井戸を作られたのは、ずうっと昔で、その方は、ずっと南の果てに住んでおられたそうでございます。それで、「ここでは、水もないから、人間の暮らしは立たない。」と言って、ちょうど、この島の島の真ん中ごろにこうして引っ越して来て、それでも井戸がないから、「何とかして、水のあるところに井戸に掘って、水をもらうことができないか。」と言って、まあ、心配をしておるわけでございます。すると、この方は犬をずっと養ってかわいがっておられる関係から、この養われた犬が主人の気持ちを受け取ったでしょう。犬は、まあそれで、こっちの島には、蟹の穴があるんですが、そういうところに、自分の尾を突っ込んでみたりして、やっているうちに、この仲筋井戸のところに蟹の穴があったから、その穴の中に自分の尾を入れて、試してみると、そこにはとうとうもう水があって尾が濡れてきたそうです。それで、犬は、自分の主人に、もうああだこうだと、口は言わんけれども、あっちには水があるぞというような具合でね、そこの仲筋井戸のところの蟹の穴の水で濡れた尾のままで行って、この主人の回りを駆け回ったりして、自分の濡れた尾を出して見せたから、するとその主人は、「これはちょっと変だ。珍しい。」と思って、この青年は、帰ってその犬の後追いをしてみると、ちょうどそこに、まあ穴があって、その穴の中には少し水があってですね、犬はそこで尾を濡らしてるわけです。「あそこがやはり水だ。」と言ってね、井戸を掘ったところが立派な水が出てですね、そこは、「犬の見つけた井戸である。」ということで、犬井戸(いぬがー)と命名され、それから、まあその井戸が、昔から竹富の人類の飲み水としてですね、利用されて、その掘った人は、仲筋御嶽としてね、御願が建てられて、その御嶽の神様になったという昔話があるわけでございます。

再生時間:3:50

民話詳細DATA

レコード番号 47O200065
CD番号 47O20C005
決定題名 仲筋井戸(共通語)
話者がつけた題名 犬井戸
話者名 前野長用
話者名かな まえのちょうよう
生年月日 18920404
性別
出身地 沖縄県八重山郡竹富町字竹富
記録日 19750807
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 竹富町字竹富T39B1
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 20
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 沖国大国文学科平成8年度卒業論文 竹富島の民話 p18
キーワード 犬,蟹,尾,御嶽
梗概(こうがい) 昔から、犬井戸(いぬがー)と呼ばれていた井戸があります。この井戸は、今仲筋井戸と言われております。この井戸を作られたのは、ずうっと昔で、その方は、ずっと南の果てに住んでおられたそうでございます。それで、「ここでは、水もないから、人間の暮らしは立たない。」と言って、ちょうど、この島の島の真ん中ごろにこうして引っ越して来て、それでも井戸がないから、「何とかして、水のあるところに井戸に掘って、水をもらうことができないか。」と言って、まあ、心配をしておるわけでございます。すると、この方は犬をずっと養ってかわいがっておられる関係から、この養われた犬が主人の気持ちを受け取ったでしょう。犬は、まあそれで、こっちの島には、蟹の穴があるんですが、そういうところに、自分の尾を突っ込んでみたりして、やっているうちに、この仲筋井戸のところに蟹の穴があったから、その穴の中に自分の尾を入れて、試してみると、そこにはとうとうもう水があって尾が濡れてきたそうです。それで、犬は、自分の主人に、もうああだこうだと、口は言わんけれども、あっちには水があるぞというような具合でね、そこの仲筋井戸のところの蟹の穴の水で濡れた尾のままで行って、この主人の回りを駆け回ったりして、自分の濡れた尾を出して見せたから、するとその主人は、「これはちょっと変だ。珍しい。」と思って、この青年は、帰ってその犬の後追いをしてみると、ちょうどそこに、まあ穴があって、その穴の中には少し水があってですね、犬はそこで尾を濡らしてるわけです。「あそこがやはり水だ。」と言ってね、井戸を掘ったところが立派な水が出てですね、そこは、「犬の見つけた井戸である。」ということで、犬井戸(いぬがー)と命名され、それから、まあその井戸が、昔から竹富の人類の飲み水としてですね、利用されて、その掘った人は、仲筋御嶽としてね、御願が建てられて、その御嶽の神様になったという昔話があるわけでございます。
全体の記録時間数 4:40
物語の時間数 3:50
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

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