フカに助けられた漁師(方言)

概要

実はこれは、竹富町の字黒島であったということをお年寄りから聞きましたけれども、その人がやはり、ある日くり舟で釣りに海に出たそうであります。その人はやはり拝所にチビビとか何とかやる人役を持っておられたそうでありますね。そういう人であったらしいけど、すると、まあ夜間過ぎでありますからいつの間にか、風が時化てですね、もうとうとう島に帰ることも出来ない。途中で、船以上の立派な木の枝がですね、ちょうどもう流れて来るから、自分の持った道具も間違いないようにこの木の上に下げて、それに、助けられて、ある島にとうとう流れ着いたという。着いたから、「ここでも何とかもう生きなければいかない。」と思ってやっておるうちに、とにかくこれはちょっと、神様とのつながりもある人だから、ちょっとしたら夢を見るそうです。夢は、何かまあ助けの船が来るね、こういう夢を見たらしいんです。すると、「これは珍しい夢である。」としてね、この海岸に出て見ると、海の大きい魚のフカね、あれがすぐ浜で、ぐるぐるぐるぐるこうして回っとるね、「これは珍しい。」とこうして見ていたら、何回もぐるぐる回っているけど帰りもしない。この人はあまり珍しくてね、このぐらいまで、もうずんずん海に入って行って見たわけさあね。そうすると、とうとう後ではね、この人の足のあい中に頭をひっつけて入れてね、これはすぐ引き寄せてね。で、あれはね、もう怖いけどもその鱶に乗ってちょうどその魚の耳をつかんでおると、海をどんどん進んで行って、とうとう同じ自分の郷土の黒島に連れて来て降ろしたって。というわけでね、その血統はね、「鱶は自分の祖先の命拾いの恩人だ。」と言ってね、絶対この鱶を食べない。

再生時間:3:51

民話詳細DATA

レコード番号 47O200062
CD番号 47O20C004
決定題名 フカに助けられた漁師(方言)
話者がつけた題名
話者名 前野長用
話者名かな まえのちょうよう
生年月日 18920404
性別
出身地 沖縄県八重山郡竹富町字竹富
記録日 19750807
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 竹富町字竹富T39A4
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 20
発句(ほっく) 昔の話であるが
伝承事情
文字化資料 沖国大国文学科平成8度卒業論文 竹富島の民話 p67
キーワード 黒島,食べない
梗概(こうがい) 実はこれは、竹富町の字黒島であったということをお年寄りから聞きましたけれども、その人がやはり、ある日くり舟で釣りに海に出たそうであります。その人はやはり拝所にチビビとか何とかやる人役を持っておられたそうでありますね。そういう人であったらしいけど、すると、まあ夜間過ぎでありますからいつの間にか、風が時化てですね、もうとうとう島に帰ることも出来ない。途中で、船以上の立派な木の枝がですね、ちょうどもう流れて来るから、自分の持った道具も間違いないようにこの木の上に下げて、それに、助けられて、ある島にとうとう流れ着いたという。着いたから、「ここでも何とかもう生きなければいかない。」と思ってやっておるうちに、とにかくこれはちょっと、神様とのつながりもある人だから、ちょっとしたら夢を見るそうです。夢は、何かまあ助けの船が来るね、こういう夢を見たらしいんです。すると、「これは珍しい夢である。」としてね、この海岸に出て見ると、海の大きい魚のフカね、あれがすぐ浜で、ぐるぐるぐるぐるこうして回っとるね、「これは珍しい。」とこうして見ていたら、何回もぐるぐる回っているけど帰りもしない。この人はあまり珍しくてね、このぐらいまで、もうずんずん海に入って行って見たわけさあね。そうすると、とうとう後ではね、この人の足のあい中に頭をひっつけて入れてね、これはすぐ引き寄せてね。で、あれはね、もう怖いけどもその鱶に乗ってちょうどその魚の耳をつかんでおると、海をどんどん進んで行って、とうとう同じ自分の郷土の黒島に連れて来て降ろしたって。というわけでね、その血統はね、「鱶は自分の祖先の命拾いの恩人だ。」と言ってね、絶対この鱶を食べない。
全体の記録時間数 4:08
物語の時間数 3:51
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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