おいがらすのちえ
竹富島の北の海岸の森で烏が遊んでおって、「この島の南の方の牧場に、牛が死んでいるそうだ。今日はご馳走だ。行こうじゃないか。」と言って、協議して、若い烏達が南の牧場に飛び始めたら、この烏の中には年取った烏も入っていたので、その一羽の烏は、「自分は年寄だから、こんな青年と競走して飛んだら羽が弱いからとってもかなわんな。」ということで、また考えだして、「早く飛んで行ったら、牛というのは角は二つあるが、左の角は私のもんだから、これは食べていかんよ。あなたは行くなら右の角だけ食べれよ。」って言ったら、もう若い烏は喜んで、「年寄の烏が来ないうち行って角を食べよう。」と言って早く飛んで行ってこの片角の一本の角を若い烏達は、とんとんとんこうひっついて食べようと食べようとするけんども、角だから固いもんだから、食べられない。
年取った烏は後からゆっくりゆっくり、飛んで来て、柔らかな牛の目二つをぐうってぬいて食べたから、早くから行っておった、青年烏は、「もう本当年に取った人にはかなわんねえ。我らは食べられん角を自分の嘴まで痛ましてやっても何も食われんけども、もう年取った烏は後から来て、一番柔らかい目二つから取って食べたなあ。」という話があるもんだから、「もう年取った人にはかなわない。一日でも二日でも、早く生まれた人にはかなんどう。」という話があるわけですね。
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レコード番号 | 47O200046 |
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CD番号 | 47O20C004 |
決定題名 | 老烏の知恵(方言) |
話者がつけた題名 | - |
話者名 | 石川亀美屋 |
話者名かな | いしかわかみや |
生年月日 | 18970325 |
性別 | 男 |
出身地 | 沖縄県八重山郡竹富町字竹富 |
記録日 | 19750807 |
記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
元テープ番号 | 竹富町字竹富T38B4 |
元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
分類 | 11 |
発句(ほっく) | - |
伝承事情 | - |
文字化資料 | 沖国大国文学科平成8度卒業論文 竹富島の民話 p92 |
キーワード | 牛,角,目 |
梗概(こうがい) | 竹富島の北の海岸の森で烏が遊んでおって、「この島の南の方の牧場に、牛が死んでいるそうだ。今日はご馳走だ。行こうじゃないか。」と言って、協議して、若い烏達が南の牧場に飛び始めたら、この烏の中には年取った烏も入っていたので、その一羽の烏は、「自分は年寄だから、こんな青年と競走して飛んだら羽が弱いからとってもかなわんな。」ということで、また考えだして、「早く飛んで行ったら、牛というのは角は二つあるが、左の角は私のもんだから、これは食べていかんよ。あなたは行くなら右の角だけ食べれよ。」って言ったら、もう若い烏は喜んで、「年寄の烏が来ないうち行って角を食べよう。」と言って早く飛んで行ってこの片角の一本の角を若い烏達は、とんとんとんこうひっついて食べようと食べようとするけんども、角だから固いもんだから、食べられない。 年取った烏は後からゆっくりゆっくり、飛んで来て、柔らかな牛の目二つをぐうってぬいて食べたから、早くから行っておった、青年烏は、「もう本当年に取った人にはかなわんねえ。我らは食べられん角を自分の嘴まで痛ましてやっても何も食われんけども、もう年取った烏は後から来て、一番柔らかい目二つから取って食べたなあ。」という話があるもんだから、「もう年取った人にはかなわない。一日でも二日でも、早く生まれた人にはかなんどう。」という話があるわけですね。 |
全体の記録時間数 | 1:37 |
物語の時間数 | 1:21 |
言語識別 | 方言 |
音源の質 | ◎ |
テープ番号 | - |
予備項目1 | - |