蚤と虱とヒーラー(方言)

概要

 蚤とですね、それからここではシジランと言いますがね、着物を不潔にされた兵隊さんなんかにつく虱とですね、またこの畳の間に出来る不潔な沖縄でヒーラーと言うんじゃないですか、くさいやつがあるでしょう。この三つがですね、そろって、一応御馳走作って食べようということで、赤豆ですよ、それを持ってきて、三名で共同で煮ていたんだが、これを煮る間はヒーラーにですね、「あんたはた炊事婦だな。」と炊き人にしておいて、この蚤と虱とですね、夜の海にかがり火をつけて、あさりに行ってるわけです。で、行っ
たらノミは飛ぶのも素早いでしょう。どんどん、あちらこちら飛ぶんだが、この虱はもうぐずぐずしてもうのろいでしょう。ほんで魚は取るけれどもこの持ち役の虱がなかなか、来てくれんもんですから、もて、蚤は持てないですよ。後では蚤が怒っちゃってね、「早く来い、早く来い。」って言うても、虱がのろのろしてるもんだから、「もうここに美味しいもんがあったけれども、お前がのろいもんだから、これ逃がしてしまったんじゃないか。こんなのろいんでは一緒に取れないじゃないか。」って言って、虱の白いこの背中をかがり火でもって、焼き付けるって。そうした時にね、虱は痛いから、「もう取るのはこれだけでいいから行こう。」と帰ってきたら、今度はこのヒーラーはね、赤豆は煮たけれども、蚤と虱がなかなか海に行ったまま帰ってこんもんだから、一つ食べ、二つ食べってね、帰って来るのがもう遅いもんだから全部食べ尽くして中身はい、一個もないらしいんです。で、蚤と虱が海から帰って来てひもじいから、「だあ、お前煮たか。」と聞く、「煮たよ。」とヒーラーが言うから、鍋開けて見たら汁ばっかりで、もう中身は一つもない。「こいつはこのう、自分一人みんな食べちゃったんじゃないか。」と怒って、赤豆の煮汁をぶっかけてですね、蚤と虱と二人でもって、ヒーラーを交互に踏み潰したって。「ああ、許してくれ、許してくれ。」と言うても聞かないで踏むんですから、ヒーラーは、少し盛り上がっておったが、踏まれて今のように平たくなって、それに火傷をしたから赤い色をしておるということだ。またこの白い虱はね、かがり火でやられたんだから、ここの背中の方にこの焼き後が現在残ってるという。
・ヒーラー‥‥ゴキブリ。ヤマトクムシャとも言う。

再生時間:2:20

民話詳細DATA

レコード番号 47O200028
CD番号 47O20C003
決定題名 蚤と虱とヒーラー(方言)
話者がつけた題名
話者名 与那国清介
話者名かな よなぐにせいすけ
生年月日 19011102
性別
出身地 沖縄県八重山郡竹富町字竹富
記録日 19750807
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 竹富町字竹富T38A01
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 11
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 沖国大国文学科平成8年度卒業論文 竹富島の民話 p101
キーワード 赤豆
梗概(こうがい)  蚤とですね、それからここではシジランと言いますがね、着物を不潔にされた兵隊さんなんかにつく虱とですね、またこの畳の間に出来る不潔な沖縄でヒーラーと言うんじゃないですか、くさいやつがあるでしょう。この三つがですね、そろって、一応御馳走作って食べようということで、赤豆ですよ、それを持ってきて、三名で共同で煮ていたんだが、これを煮る間はヒーラーにですね、「あんたはた炊事婦だな。」と炊き人にしておいて、この蚤と虱とですね、夜の海にかがり火をつけて、あさりに行ってるわけです。で、行っ たらノミは飛ぶのも素早いでしょう。どんどん、あちらこちら飛ぶんだが、この虱はもうぐずぐずしてもうのろいでしょう。ほんで魚は取るけれどもこの持ち役の虱がなかなか、来てくれんもんですから、もて、蚤は持てないですよ。後では蚤が怒っちゃってね、「早く来い、早く来い。」って言うても、虱がのろのろしてるもんだから、「もうここに美味しいもんがあったけれども、お前がのろいもんだから、これ逃がしてしまったんじゃないか。こんなのろいんでは一緒に取れないじゃないか。」って言って、虱の白いこの背中をかがり火でもって、焼き付けるって。そうした時にね、虱は痛いから、「もう取るのはこれだけでいいから行こう。」と帰ってきたら、今度はこのヒーラーはね、赤豆は煮たけれども、蚤と虱がなかなか海に行ったまま帰ってこんもんだから、一つ食べ、二つ食べってね、帰って来るのがもう遅いもんだから全部食べ尽くして中身はい、一個もないらしいんです。で、蚤と虱が海から帰って来てひもじいから、「だあ、お前煮たか。」と聞く、「煮たよ。」とヒーラーが言うから、鍋開けて見たら汁ばっかりで、もう中身は一つもない。「こいつはこのう、自分一人みんな食べちゃったんじゃないか。」と怒って、赤豆の煮汁をぶっかけてですね、蚤と虱と二人でもって、ヒーラーを交互に踏み潰したって。「ああ、許してくれ、許してくれ。」と言うても聞かないで踏むんですから、ヒーラーは、少し盛り上がっておったが、踏まれて今のように平たくなって、それに火傷をしたから赤い色をしておるということだ。またこの白い虱はね、かがり火でやられたんだから、ここの背中の方にこの焼き後が現在残ってるという。 ・ヒーラー‥‥ゴキブリ。ヤマトクムシャとも言う。
全体の記録時間数 2:40
物語の時間数 2:20
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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