
昔支那にあった話でございますけれども、支那にとっても優れた眼の医者がいたそうです。それで、その眼の医者のところに毎晩、きれいな女が来るそうです。それで後ではもう、「私を何とか嫁にもらってくれ。」というあんまり責められるもんだから、「それならば。」ということで、お医者さんは、まあ始めは、本当は化けた者であるということは知らずに、「こんなにもきれいな別嬪な娘が本当にいるんかな。」と思いながら、その女に頼まれて夫婦になったものの、いつも、もう朝が来ないうちに、「夜の明け方は、私は人に見られちゃ困るから。」と言って、この娘は、いつも帰りよったと。だから、少しお医者さんも怪しいということを思いついて、「どうして朝になったら帰るんだ。この女が帰る時に後をついて行って、どこの家の娘であるか確かめなきゃならん。」ということで、お医者さんは、この娘が出ていくのを後追いして行ったところが、ちょうど途中で、その娘はハブに化けちゃって、藪のの中にもう消えちゃった。「これはハブだったんだな。」と、その時にもうお医者さんはびっくりしちゃって、もう家に帰って来たんだが、その時にハブは、すでにもうお医者さんが自分の正体が分かったことを知って、今度は龍に化けて来た。
龍に化けちゃって、今度は、眼のお医者さんところに来て、「お医者さん、あんたは眼の医者のとっても専門だということを聞いて参りました。私は眼が悪くてどうも、眼がもうかすんじゃって見えないから、なんとかして私の眼を治していただけないでしょうか。」と、言うので、「それならば治してあげましょう。」と言っていたが、ところがこのお医者さんは、「ようし、これは幸いだ。これの絵を書いてまず龍という格好はこういうもんだということを残しておこう。」ということで、またこのお医者さんは、絵がとても上手だったとから筆とそれに紙と準備しておいて、この龍が来た時に、その入って来るところから、そして自分の前に座るところまで、じっと見ておいて、眼を治療しながら、この頭の方から書き始めたそうだ。そして、眼を治療してもらために、またその翌日も龍が来ると、また次の所を書いて、ちょうど一週間かかってこの龍の絵を完成して、「もうあなたの病気はもう完全に治りました。これで結構ですよ。もう今からは来なくてもいいから。」と、もうお医者さんが言うと、「それじゃあ、本当にありがとう。ご苦労さんでした。」ということで龍は帰った。それで、「これは本当にいいことを自分は書いた。よし、これを彫刻にして現そう。」ということで、お医者さんはこれを彫刻して、皆にそれを見せてから、「本当に龍っていうのはこんなものかな。」と言うから、「いやこれはハブが化けたらね、こういうこういう顔と格好になるんだ。」ということで、このお医者さんが龍の眼を治しながら眼二つで見た龍の彫刻から龍の彫刻が始まったという話を聞かされております。
| レコード番号 | 47O200007 |
|---|---|
| CD番号 | 47O20C001 |
| 決定題名 | 龍の絵(方言) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 東盛弘介 |
| 話者名かな | あいもりこうすけ |
| 生年月日 | 19010730 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県八重山郡竹富町字竹富 |
| 記録日 | 19760804 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 竹富町字竹富T31A04 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 12 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 沖国大国文学科平成8年度卒業論文 竹富島の民話 p87 |
| キーワード | 龍,医者,ハブ,絵,彫刻 |
| 梗概(こうがい) | 昔支那にあった話でございますけれども、支那にとっても優れた眼の医者がいたそうです。それで、その眼の医者のところに毎晩、きれいな女が来るそうです。それで後ではもう、「私を何とか嫁にもらってくれ。」というあんまり責められるもんだから、「それならば。」ということで、お医者さんは、まあ始めは、本当は化けた者であるということは知らずに、「こんなにもきれいな別嬪な娘が本当にいるんかな。」と思いながら、その女に頼まれて夫婦になったものの、いつも、もう朝が来ないうちに、「夜の明け方は、私は人に見られちゃ困るから。」と言って、この娘は、いつも帰りよったと。だから、少しお医者さんも怪しいということを思いついて、「どうして朝になったら帰るんだ。この女が帰る時に後をついて行って、どこの家の娘であるか確かめなきゃならん。」ということで、お医者さんは、この娘が出ていくのを後追いして行ったところが、ちょうど途中で、その娘はハブに化けちゃって、藪のの中にもう消えちゃった。「これはハブだったんだな。」と、その時にもうお医者さんはびっくりしちゃって、もう家に帰って来たんだが、その時にハブは、すでにもうお医者さんが自分の正体が分かったことを知って、今度は龍に化けて来た。 龍に化けちゃって、今度は、眼のお医者さんところに来て、「お医者さん、あんたは眼の医者のとっても専門だということを聞いて参りました。私は眼が悪くてどうも、眼がもうかすんじゃって見えないから、なんとかして私の眼を治していただけないでしょうか。」と、言うので、「それならば治してあげましょう。」と言っていたが、ところがこのお医者さんは、「ようし、これは幸いだ。これの絵を書いてまず龍という格好はこういうもんだということを残しておこう。」ということで、またこのお医者さんは、絵がとても上手だったとから筆とそれに紙と準備しておいて、この龍が来た時に、その入って来るところから、そして自分の前に座るところまで、じっと見ておいて、眼を治療しながら、この頭の方から書き始めたそうだ。そして、眼を治療してもらために、またその翌日も龍が来ると、また次の所を書いて、ちょうど一週間かかってこの龍の絵を完成して、「もうあなたの病気はもう完全に治りました。これで結構ですよ。もう今からは来なくてもいいから。」と、もうお医者さんが言うと、「それじゃあ、本当にありがとう。ご苦労さんでした。」ということで龍は帰った。それで、「これは本当にいいことを自分は書いた。よし、これを彫刻にして現そう。」ということで、お医者さんはこれを彫刻して、皆にそれを見せてから、「本当に龍っていうのはこんなものかな。」と言うから、「いやこれはハブが化けたらね、こういうこういう顔と格好になるんだ。」ということで、このお医者さんが龍の眼を治しながら眼二つで見た龍の彫刻から龍の彫刻が始まったという話を聞かされております。 |
| 全体の記録時間数 | 4:04 |
| 物語の時間数 | 3:38 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ○ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |