
今帰仁グシクとのいわれがあるテラガマってありますね。今帰仁グシクが落ちて、その当時の城主の千代松君が久志村の山中を彷徨って疲れ切って頭下げてです思案にくれていたそうですね。そのとき砂辺の寺の方にいた住職が馬を乗ってね、久志山中を通ったので、身なりの非常にいい男の子が疲れきってしゃがんでいたのを見て、「どうしたの。」と声をかけても、もうなかなか言わないから砂辺にいる自分は住職だと自分の身分などもあかしてね、親切に時間をかけて諭してね、話を聞いたら、やっと子どもが信用してね、「実は自分は今帰仁城の千代松君だけど、向こうが落城したもんだから逃げてきた途中だ。」というので、その子どもを連れてきて、恩納村の山田グシクに成人するまで預けてそこで育てて、そして、二十ぐらいなったときに砂辺のクマヤーの寺の方に連れてきて、名前は千代松君とは言わないで、岡春と名前を変えて、お寺の住職になって身分を隠していたみたいです。あのクマヤーの洞窟は、入り口と出口があって出口のほうにテラガマって言うんです。だけど、その寺はガマではないみたいよ。もっともっと大きかったみたいです。やがて千代松は砂辺殿内の娘と一緒になったとき、住職は始めて掌を見たそうですよ。そしたらその子どもの掌に半月があって、そして、砂辺殿内のまた娘の掌にも半月があったそうですね。二つあわすと満月になるわけです。これは生まれない前からのもう神が決めた夫婦の運があるということでですね。そういうことで砂辺で暮らしていたら、千代松君には敵になる今帰仁城の本部大主が、千代松君は砂辺にいるということを聞いて、砂辺の寺に来て、今帰仁城の前の家来と言って、「すぐ兵もたくさん集まって今帰仁城に攻めにいくから早く来い。」と連れに来たそうです。そしたらこの一緒になった砂辺の殿内の娘さんがね、もう真夜中に自分のその千代松君が殺されたという夢を見てね、読谷の残波かどこかで身投げをするんですよ。そしたら娘さんは漁夫に助けられたそうです。だからこのときも、そのお寺もね、今帰仁城から来たときの侍に全部焼かれ、住職も殺されたみたい。だけど、砂辺の殿内の娘さんは、砂辺の方に行ってまたその千代松君に会って、千代松君は本当の家来の方々を集めて、あの今帰仁城奪い取ったという。そういう昔話もあるんですよ。
| レコード番号 | 47O419183 |
|---|---|
| CD番号 | 47O41C472 |
| 決定題名 | ティラガマと岡春(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 与儀正仁 |
| 話者名かな | よぎせいじん |
| 生年月日 | 19321112 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 北谷町宇砂辺 |
| 記録日 | 19961813 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄国際大学口承研 |
| 元テープ番号 | 北谷町T24A18 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 20 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 今帰仁グシク,テラガマ,千代松君,久志村,住職,山田グシク,岡春,クマヤーの洞窟,砂辺殿内の娘 |
| 梗概(こうがい) | 今帰仁グシクとのいわれがあるテラガマってありますね。今帰仁グシクが落ちて、その当時の城主の千代松君が久志村の山中を彷徨って疲れ切って頭下げてです思案にくれていたそうですね。そのとき砂辺の寺の方にいた住職が馬を乗ってね、久志山中を通ったので、身なりの非常にいい男の子が疲れきってしゃがんでいたのを見て、「どうしたの。」と声をかけても、もうなかなか言わないから砂辺にいる自分は住職だと自分の身分などもあかしてね、親切に時間をかけて諭してね、話を聞いたら、やっと子どもが信用してね、「実は自分は今帰仁城の千代松君だけど、向こうが落城したもんだから逃げてきた途中だ。」というので、その子どもを連れてきて、恩納村の山田グシクに成人するまで預けてそこで育てて、そして、二十ぐらいなったときに砂辺のクマヤーの寺の方に連れてきて、名前は千代松君とは言わないで、岡春と名前を変えて、お寺の住職になって身分を隠していたみたいです。あのクマヤーの洞窟は、入り口と出口があって出口のほうにテラガマって言うんです。だけど、その寺はガマではないみたいよ。もっともっと大きかったみたいです。やがて千代松は砂辺殿内の娘と一緒になったとき、住職は始めて掌を見たそうですよ。そしたらその子どもの掌に半月があって、そして、砂辺殿内のまた娘の掌にも半月があったそうですね。二つあわすと満月になるわけです。これは生まれない前からのもう神が決めた夫婦の運があるということでですね。そういうことで砂辺で暮らしていたら、千代松君には敵になる今帰仁城の本部大主が、千代松君は砂辺にいるということを聞いて、砂辺の寺に来て、今帰仁城の前の家来と言って、「すぐ兵もたくさん集まって今帰仁城に攻めにいくから早く来い。」と連れに来たそうです。そしたらこの一緒になった砂辺の殿内の娘さんがね、もう真夜中に自分のその千代松君が殺されたという夢を見てね、読谷の残波かどこかで身投げをするんですよ。そしたら娘さんは漁夫に助けられたそうです。だからこのときも、そのお寺もね、今帰仁城から来たときの侍に全部焼かれ、住職も殺されたみたい。だけど、砂辺の殿内の娘さんは、砂辺の方に行ってまたその千代松君に会って、千代松君は本当の家来の方々を集めて、あの今帰仁城奪い取ったという。そういう昔話もあるんですよ。 |
| 全体の記録時間数 | 3:37 |
| 物語の時間数 | 3:37 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |