
〔方言原話〕 くれー、ちゃーし、くぬ世(ゆー)んかい人間(にんじん)ぬ生(い)りたが、あんし、何故(ぬーんち)、九十七ないねー風車祝(かじまやー)ぬあが、んでぃる話い。昔(んかし)、昔(んかし)、大変(かーま)大昔(うーんかし)、なーだちゅ人間(にんじん)ぬくぬ世(ゆー)んかい、生(い)まりてぇーうらん、動物(いちむし)と植物(きーくさー)びけーるみーとーるばーに、天(てぃん)ぬ神様ぬうりんーじみそーやーなかい、「かんせーならんむん、人間(にんじん)造(ちゅく)りはるやる。」んでぃち、地上(ぢー)んかい降(う)りてぃめんそーやーなかい、土(んーちゃ)しなーてぃ、うりし、人(ちゅ)、人間(にんじん)ぬ童(わらび)ぬ人形たーち、男(いきが)と女(いなぐ)造(ちゅく)みそやーなかい、明日(あちゃー)までぃ乾(かー)らかしいるんせー、うり立てぃやーなかい、魂(まぶい)込(く)みるんせー、人(ちゅ)、人間(にんじん)ないせー、んでぃち、天(てぃぬ)んかい戻(むどぅ)てぃめんそーち、翌日(なーちゃ)降(う)りてぃめんそーちゃくとぅ、うぬ人形やたーちなむん、全部(むる)、掻(か)ち崩(くじ)らってぃねーらん。「何者(ぬー)ぬさがやーなーくれー。」んでぃ言(い)がなーまたたーち造(ちゅく)てぃ、「今日(ちゅー)造(ちゅく)てーくとぅ、明日(あちゃー)降(う)りてちーねー乾(かー)らちょーる筈(はじ)、魂(まぶい)込(ぐ)みないせーん。」でぃち、天(てぃん)ぬかい戻(むどぅ)てぃめんそーち、翌日(なーちゃ)降(う)りめんそーちゃくとぅ、またん、同様(ぬーぬぐとぅ)掻(か)ち崩(くじ)らってぃ、「誰(たん)ぬ何者(ちら)ぬする事(くとぅ)がやーえーくれーなー。」んでぃ言(い)がなーん、「あんしん今日(ちゅー)造(ちゅく)いねー、また明日(あちゃー)や魂(まぶい)込(ぐ)みないんせーん。」ち、また造(ちゅく)やーに、天(てぃぬ)んかい、帰(けー)とーみせーるばーやしが、翌日(なーちゃ)降(う)りめんそーちゃくとぅ、またん掻(か)ち崩(くじ)らってぃさくとぅ、今度(くんどー)天(てぃん)ぬ神様(かみさまー)くさみちみちみそーやーなかい、「とー、なーなー許さらん。」でぃ言(い)がなーん、またたーち造(ちゅく)てぃ天(てぃぬ)んかい帰(けー)とーるばーやしが、「今度(くんどー)なーくれー、誰(たー)ががすら見当(みいあ)てぃらはるやるん。」でぃち、夜中(ゆなか)、天(てぃん)から降(う)りめんそーちゃくとぅ、土(んーちゃ)ぬ中(なーか)から、真っ黒(まっくーるー)そーる者(むん)ぬ、むくむくしー出(いぢ)てぃちゃーに、うぬ人形たーち掻(か)ち崩(くじ)てぃねーらん。さくとぅ天(てぃん)ぬ神様(かみさまー)、「君(やー)がるむる、私(わー)が造(ちゅく)てーる人形や掻(か)ち崩(くじー)さや、なー許さらん。」でぃ言(い)みそーちゃくとぅ、うぬ真っ黒(まっくーるー)そーる者(むん)ぬ、「ああ、貴方(うんじょー)天(てぃん)ぬ神様、私(わん)ねー土地(じー)ぬ神様、私(わー)土(んーちゃ)使(ちか)てぃ、ありん、くりん、勝手(かってぃ)に造(ちゅく)いせー、なー許さらん。許さらんせー天(てぃん)ぬ神様、貴方(うんじゅ)るやる。」んでぃ、言(い)ちゃくとぅ、天(てぃん)ぬ神様、「あーえー、あんどぅーやる、んちゃ、くれー、何(ぬー)ぬ相談(あんねー)んさんぐとぅ、君(やー)土(んーちゃ)使(ちか)てぃ、人形造(ちゅく)たせー、くれー私(わー)がわっさたん。やしがよー、実(じちぇー)なー地上(ぢー)んかい植物(きーくさ)とぅ、動物(いちむし)びけーる居(う)くとぅ、人間(にんじん)造(ちゅく)れーやーんでぃ思(うむ)てぃるそーしが、あんすらー、うぬ土(んーちゃ)使(ちか)てぃ、人間(にんじん)造(ちゅく)やーに、人間(にんじん)ぬ子(くゎ)、孫(いまが)、産(なーし)ふぃーきーる間(うぇーま)、うぬ土(んーちゃ)、私(わん)にんかい、貸(か)らちとぅらさんがやー。」んでぃ言(い)みそーちゃくとぅ、土地(ぢー)ぬ神様(かみさまー)、「あーなー、、他人(ちゅ)ぬ土(んちゃ)、相談(あんねー)なしくに使(ちか)いせー、くれー、不埒な者(むん)やくとぅ、許さらんしが、貸ららちくぇーりんでぃ、言(い)ゆるむんやれーなーくれー聞(ち)さはるやしが、百年(ひゃくにん)ぬ間(うぇーま)る、貸らすんどー。うぬ二、三年(にん)前(めー)ないねー、合図(えーじ)すくとぅ、うんにんねー用意しみやーなかい、また土(んちゃ)んかい返(けー)しよー。」んち、相談(ちゅーごー)なやーに、天(てぃん)ぬ神様(かみさまー)人間(にんじん)ぬ童子(わらぢ)ぬ人形造(ちゅく)みそーやーなかい、翌日(なーちゃ)なたくとぅ、魂(まぶい)込(く)みてぃ人(ちゅ)、人間(にんじん)ぬ、初(はじ)みてぃ、くぬ地(ぢー)ぬ上(うぃー)んかい、出(い)ぢたんでぃ、生(い)まりたんでい。あんそーしが、だー、うったーや、童子(わらび)るやくとぅ、自分(どぅ)くろー食物(むのー)かめーてぃ、食(か)みゆーさんくとぅ、天(てぃん)ぬ神様(かみさまー)御月様(うちちゅーめー)から、アカナー使(ちか)てぃ餅(むち)落(う)とぅち、うぬ童子達(わらばーたー)んかい、食(くぇ)やーなかい、ふどぅうゎーちさくとぅ、童子達(わらばーたー)や次第次第(しでぇーしでぇー)にふどぅうぃーやーなかい、次第(しでぇー)に知恵(ぢんぶん)出(い)ぢてぃ、恥(はじ)かさわかいになたくとぅ、クバぬ葉(ふゎー)さーに前(めー)や覆(うす)てぃ、歩(あっ)ち、あんしまた何年(なんにん)かするうちねー、なーひん知恵(ぢんぶん)出(い)ぢてぃ、食(くぇー)ふぉーりーせーるせーる餅(むち)貯(た)みとーちーねー、何時(いち)やてぃん、食(か)まりねーくとぅ、んち、二人(たい)し貯みーるぐとぅなたくとぅ、えーなー、うんにんからーなー、天(てぃん)からぬ餅(むちぇー)、落(う)てぃらんなてぃさくとぅ、なーめーめーしー、食物(かみむん)とぅめーてぃ、食(か)いでぃ歩(あっ)ちゅだんでぃ、あんするうちねー、子供達(わらびんちゃー)ん生(い)まりー孫達(いまがぬちゃー)ん、また孫達(いまがぬちゃー)ん生(い)まりてぃさくとぅ、うぬ年寄達(とぅすぃんちゃー)や、今(なま)ぬ昔話(んかしばなしー)すんねーし、「天(てぃん)ぬあぬ、御月様(うちちゅーめー)んかえーアカナーが乗(ぬ)とーてぃ、しぐ西(いり)ぬ海いんぢ蟹(がに)取(とぅ)ってぃ食(か)むん。」あんし、うぬ童歌(わらびうたー)、「アカナーアカナーまーかいがー、西(いーり)ぬ海かい蟹(がに)取(とぅ)いがー、慶良間(きらま)ぬ後(くし)かい蟹(がに)取(とぅ)いがー、慶良間(きらま)ぬ後(くーし)ぬ古御月(ふるうちちぇー)。」んち歌てぃ、一緒(まじゅん)遊(あし)ぶたんでぃ、なーひん小(くぅ)さる子供達(わらばーたー)や、アカナや蟹(がねー)じょーぐーやしが、蟹(がねー)取(とぅ)てー食(くぃー)ゆーさんしが、田螺(たーんな)取(とぅ)てぃ、食(くぃ)くとぅ、昔(んかし)ぬぐとぅし、私達(わったー)んかいん、大餅(うふむち)、美味餅(やとぅむち)、沢山(だちぇーん)落(う)とぅちくぃみそーりんち、祖父(おじー)、祖母達(おばーたー)とぅ一緒(まじゅん)御願(うにげー)する童歌(わらびうた)。「御月様(うちちゅめー)さぬ、御月様(うちちゅめー)、大餅(うふむち)、美味餅(やとぅむち)うたびみそーり、田螺(たーんな)かめてぃうさぎらびら。」んち、皆(んな)し御願(うにげー)する童歌(わらびうた)。今(なま)んたーちぃ、ゆう年寄達(とぅすぃんちゃー)が歌みせーん。うんぐとぅするうちに年(にん)や飛車(とぅびぐるま)、月(ちち)や馬(んま)ぬ走(はい)んち、年(にん)、月(ちち)ぬないせー速(ふぇー)さぬ、急速(ちゅーちゃー)ん、九十七なたくとぅ、土地(ぢー)ぬ神様ぬ現りみそやーなかい、「君達(いったー)や用意しーよー、なー三年(さんにん)しぇー土(んーちゃ)んかい返(けー)いんどー。」んち、合図(えーじ)しみそーちゃくとぅ、くぬ年寄達(とぅすぃんちゃー)や、天(てぃん)ぬ神様ぬとぅくまんかい行(ん)ぢ、「土地(ぢー)ぬ神様があん言(い)っちめんそーちゃーびたん。」りち話(はなしー)さくとぅ、天(てぃん)ぬ神様(かみさまー)「とー、あんせーなー、なーまー二(たー)ち、三(みー)ちぬ童(わらび)とぅ同様(いーぬぐとぅ)、童(わらび)ないけーりてぃ、赤頭巾(あかじっちん)、被(かん)てぃ、赤羽織(あかはうい)ぐゎー着(ち)やなかい、アダニぬ葉(ふゎー)さーに作(ちゅく)てーる風車(かじまやー)持(む)っち、三叉路(みーちかじまやー)、四辻(わーちあぢまー)、橋ぬ上(うぃー)なーでぃーんなさーに、舞踊(すねー)てぃ歩く(あっ)ちぇーは。あんせー、土地(ぢー)ぬ神様がうり見(んー)じみそーやーなかい、『あいあい、くれー、九十七んでぃ思(うむ)たるむん、なーま三(みー)ち、四(わー)ちぬ童(わらび)やるむんなー。』んでぃ、思(うむ)みそーやーなかい、土(んーちゃ)んかい、返(けー)りよーや、しみそーらん筈(はじ)やくとぅ。」んち、ならーしみそーちゃくとぅ、うぬ年寄達(とぅすぃんちゃー)や、しぐ家(やー)かい帰(けー)てぃ行ちゃーなかい、赤頭巾(あかじっちん)、赤羽織(あかはうい)着(ちっ)ち、アダニぬ葉(ふゎー)さーに、作(ちゅく)てーる風車(かじまやー)持(む)っちゃーなかい、道々、子供達(くゎぬちゃー)孫達(んまがぬちゃー)、また孫達(んまがぬちゃー)、皆(んな)舞踊(すねー)てぃ歩く(あっ)ちさくとぅ、うりが、風車祝(かじまやー)ぬ道舞踊(みちじゅねー)ぬ始まいやんでぃ。あんし、後(あとぅ)ぬ世(ゆー)ぬ人達(ちゅぬちゃー)が、うり見(んー)ち、うんにんからーなー、「神様るなとーみせーん。」でぃち、「神とぅ称(たた)りーる人(ちゅ)やくとぅ。」んでぃち、やーなかい、「七橋(ななはし)ゆ渡(わた)てぃ、七四辻(ななゆちぢ)越(く)ちょてぃ、誠(まくとぅ)風車祝(かじまやー)や神ぬう祝(ゆえ)。」んでぃち、なー、神ぬう祝(ゆえー)んでぃるくとぅんかいなとーん。あんすくとぅ、御祝(ぐすーじ)んかい行ちゃーなかい、杯(さかぐち)かみてぃ、挨拶(いぇーさち)しーねー、「あやかーいがちゃーびたん。あやかーらちくぃみそーり。」んでぇー言(ゆ)んぐとぅ、「拝(うが)まってぃくぃみそーり。」んでぃ言(ゆ)しがる本当(ふんとー)ぬ、挨拶(いぇーさち)ぬ仕方やんでぃる話(ななし)ぬ。神(かめー)あやかーいやならん、拝(うが)みるないるんでぃる話い。人(ちゅ)、人間(にんじん)ぬ始(はじ)いとぅ、風車祝(かじまやーすーじ)、道路舞踊行列(みちじゅねーい)ぬ由来記(ゆれーち)んでぃ。〔共通語訳〕 これは、いかにしてこの世の中に人間が生まれたか、そして、何故九十七才になると風車(かじまやー)祝いや、道路行列(みちじゅねー)があるか、と言うはなしである。昔、昔、大変大昔の事、いまだ人間がこの地上に存在していなくて、他の動物や植物だけが生えている時代に、天の神様がそれを御覧になられてこれではいけないから、人間を造ろうと、お考えになり、地上におりて来られて、土を捏ねて、それで人間の童子の人形を二つ、男と、女と造られて、明日迄乾かせば其れを立て、魂を込めると人間になるからと、二つの人形を造られて、天に戻って行かれました。翌日になって、降りてみてみると、その人形は二つとも、全部掻き崩されていました。天の神様は、何者がやったのだろうこれは、と、言はれながらも又二つ造ったから、明日降りてくると乾いている筈、魂を込めることが出来ると、言はれながら、天に戻っていかれました。翌日降りて来られて、見ると又同じ様に掻き崩されているので、何者のする事だろうかねえ。もう、これは。と、言はれながらも、それでも今日造っておけば又、明日は魂が込められるから。と、言はれて、また造って天に帰られたのですが。翌日降りてきて見るとまた同じように掻き崩されていますので、とうとう天の神様は怒られて、ああもうこの様な事をする者は許せん。と言はれながらも、また造って天に帰られたのですが、今度はもう誰がするのか見届けてやらうと思われて、夜中に天から降りてこられて見ていると。土のなかから真黒い者が、むくむくと出てきて、その人形を二つとも、全部掻き崩してしまったのです。すると、天の神様は「おおお前が私の造った人形を全部掻崩したのだな。もう許さん。」と言れましたので、その真っ黒いものは「おお貴方は天の神様。私は土地の神さまである。私の土を使って、あれも、これも、勝手に造るものは、もう許せない。許せないのは、天の神様貴方だ。」と言いましたので、天の神様は、「おおそうであったか。これは何の相談も無しに、貴方の土を使って、人形を造ったのは、これは私が悪かった。だがねえ。実を言えば、地上に、植物と、他の動物だけしか居ないから、人間を造らうと思ってやっているのだが、其れでは、私が其の土を使って、人間を造り、其の人間の。子供や、孫達が沢山増える間。其の土を私に貸してはくれないか。」と、申されましので、土の神様は。「ああ、いええ、他人の土を、何の相談もなく、勝手に使うものは、これは不将な奴だから許せんが、貸してくれと言うのは聞かなければいけないなあ。だがしかし、百年の間しか貸さないよ。其の二、三年前になると合図するから、其の時は、用意させて又土に返しなさい。」と相談がまとまりましたので、天の神様は、人間の童子の人形を造られて、翌日になると、魂を込められて、人、人間が始めて、この地上に出てきたのです。生まれたのです。だが二人とも童子で、自分たちで食べ物を探して食べることが出来ませんので、天の神様は、お月様から「アカナー」に命じまして、餅を落として童子達に食べさせて、育てさせますと、童子達はすくすくと成長して、いろいろと知恵も付き、あれこれと考えるようになり、恥ずかしさが分かるようになると、クバの葉で前を隠すようになりました。そうして又何年かする中に、もっと知恵が付き、食べ散らかしてある餅を集めて、貯めておくと、何時でも自分たちの食べたいときに食べられる。と、二人で貯えるようになりますと、其の時からはもう、落ちてこなくなりました。すると、其の後は、各人で食べ物を探して歩く様になったそうです。そうこうする中に、子供たちも生まれ、孫達、曾孫達も生まれるようになりますと、其の年寄り達は、今の昔話をするように。「天のお月さまには『アカナー』が集っていて、西の海にいって蟹を取って食べる。」と、話しながら歌った。童歌「アカナーアカナー何処へ行く、西の海へ蟹取りに、慶良間の後ろへ蟹取りに、慶良間の後ろの古お月」と言う歌は、皆が一緒に遊んでいた時の歌です。又もっと小さい子供たちは「アカナー」は蟹は上口だけれども。蟹を取って上げる事は出来ないが、田螺を取ってあげるから。昔のように、私たちにも大きな美味しい餅を沢山落としてくださいと。祖父さん、祖母さんと一緒になって御願いする童歌。「お月さま、お月さま、大きい餅、おいしい餅を落としてくださいませ。田螺を探して上げますから。」と皆でお願いする童歌、今も歌い次がれて、年寄りたちは歌います。そうこうする中に、光陰矢の如く、年は飛び車、月は馬の走り、年月の流れは早く、もう九十七才になりますと、土地の神様が現れになって、「君達は用意しなさいよ。もう三年すると、土に返るのですよ」と申されますと、その年寄りたちは、天の神さまのところに行き、「土の神様から、こう言うお告げがありました」と申し上げますと、天の神様は「そうであったか。それでは、まだ、二・三才の子供たちと同様に成済して、赤い頭巾に赤い羽織を着けて、「アダンの葉で作った玩具の風車を持って、三叉路や十字路、橋の上等を皆で舞い踊りながら練り歩きなさい。そうすると、土地の神様がそれをご覧になって、『あらあら、これは九十七才だと思ったのに、まだ三、四才の子供か』と思われて、土に返りなさいとは申されない筈だから」と教えて下さいましたので、その年寄りたちは、急いで家に帰っていき、赤い頭巾と、赤い羽織を作り、それを着けて、「アダン」の葉で作った、おもちゃの風車を持って、道路をかなたこちらと子供たち、孫たち、曾孫たちと皆で舞を舞ながら踊って歩きました。それが、風車祝いの行列の始まりだそうです。そして、後生野人達がこれを見て、この時からはもう「神様になっておられる」と言うことで「神と称えられる御方」であると言うことで「七橋を渡り七四辻越して誠風車祝は神のお祝い」と申し上げて、神様の御祝と言うようになっているそうです。だから、お祝の座に行き、杯を戴くときの挨拶をするときは「あやかりにきました。あやからしてください。」とは申し上がらないで、「拝みにきました。拝まれてください。」と申し上げて挨拶するのが、本当の挨拶と言う話。すなわち神様をあやかることはできません。拝むことは出来ると言うことです。人間の始まりと、風車祝い、道路行列の由来だとのこと。平成9年2月17日 高江洲亮・上原智子翻字 T1A4
| レコード番号 | 47O170002 |
|---|---|
| CD番号 | 47O17C001 |
| 決定題名 | 風車と人間の始まり(方言) |
| 話者がつけた題名 | 風車(カジマヤー)と人間の始まり |
| 話者名 | 阿波根昌栄 |
| 話者名かな | あはごんしょうえい |
| 生年月日 | 19210309 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県中頭郡北谷町字上勢頭 |
| 記録日 | 19970217 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | T01A04 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 12,80 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 『想い出の昔話』 |
| キーワード | 風車,天の神,地の神,土,魂,月,餅,寿命延ばし |
| 梗概(こうがい) | 〔方言原話〕 くれー、ちゃーし、くぬ世(ゆー)んかい人間(にんじん)ぬ生(い)りたが、あんし、何故(ぬーんち)、九十七ないねー風車祝(かじまやー)ぬあが、んでぃる話い。昔(んかし)、昔(んかし)、大変(かーま)大昔(うーんかし)、なーだちゅ人間(にんじん)ぬくぬ世(ゆー)んかい、生(い)まりてぇーうらん、動物(いちむし)と植物(きーくさー)びけーるみーとーるばーに、天(てぃん)ぬ神様ぬうりんーじみそーやーなかい、「かんせーならんむん、人間(にんじん)造(ちゅく)りはるやる。」んでぃち、地上(ぢー)んかい降(う)りてぃめんそーやーなかい、土(んーちゃ)しなーてぃ、うりし、人(ちゅ)、人間(にんじん)ぬ童(わらび)ぬ人形たーち、男(いきが)と女(いなぐ)造(ちゅく)みそやーなかい、明日(あちゃー)までぃ乾(かー)らかしいるんせー、うり立てぃやーなかい、魂(まぶい)込(く)みるんせー、人(ちゅ)、人間(にんじん)ないせー、んでぃち、天(てぃぬ)んかい戻(むどぅ)てぃめんそーち、翌日(なーちゃ)降(う)りてぃめんそーちゃくとぅ、うぬ人形やたーちなむん、全部(むる)、掻(か)ち崩(くじ)らってぃねーらん。「何者(ぬー)ぬさがやーなーくれー。」んでぃ言(い)がなーまたたーち造(ちゅく)てぃ、「今日(ちゅー)造(ちゅく)てーくとぅ、明日(あちゃー)降(う)りてちーねー乾(かー)らちょーる筈(はじ)、魂(まぶい)込(ぐ)みないせーん。」でぃち、天(てぃん)ぬかい戻(むどぅ)てぃめんそーち、翌日(なーちゃ)降(う)りめんそーちゃくとぅ、またん、同様(ぬーぬぐとぅ)掻(か)ち崩(くじ)らってぃ、「誰(たん)ぬ何者(ちら)ぬする事(くとぅ)がやーえーくれーなー。」んでぃ言(い)がなーん、「あんしん今日(ちゅー)造(ちゅく)いねー、また明日(あちゃー)や魂(まぶい)込(ぐ)みないんせーん。」ち、また造(ちゅく)やーに、天(てぃぬ)んかい、帰(けー)とーみせーるばーやしが、翌日(なーちゃ)降(う)りめんそーちゃくとぅ、またん掻(か)ち崩(くじ)らってぃさくとぅ、今度(くんどー)天(てぃん)ぬ神様(かみさまー)くさみちみちみそーやーなかい、「とー、なーなー許さらん。」でぃ言(い)がなーん、またたーち造(ちゅく)てぃ天(てぃぬ)んかい帰(けー)とーるばーやしが、「今度(くんどー)なーくれー、誰(たー)ががすら見当(みいあ)てぃらはるやるん。」でぃち、夜中(ゆなか)、天(てぃん)から降(う)りめんそーちゃくとぅ、土(んーちゃ)ぬ中(なーか)から、真っ黒(まっくーるー)そーる者(むん)ぬ、むくむくしー出(いぢ)てぃちゃーに、うぬ人形たーち掻(か)ち崩(くじ)てぃねーらん。さくとぅ天(てぃん)ぬ神様(かみさまー)、「君(やー)がるむる、私(わー)が造(ちゅく)てーる人形や掻(か)ち崩(くじー)さや、なー許さらん。」でぃ言(い)みそーちゃくとぅ、うぬ真っ黒(まっくーるー)そーる者(むん)ぬ、「ああ、貴方(うんじょー)天(てぃん)ぬ神様、私(わん)ねー土地(じー)ぬ神様、私(わー)土(んーちゃ)使(ちか)てぃ、ありん、くりん、勝手(かってぃ)に造(ちゅく)いせー、なー許さらん。許さらんせー天(てぃん)ぬ神様、貴方(うんじゅ)るやる。」んでぃ、言(い)ちゃくとぅ、天(てぃん)ぬ神様、「あーえー、あんどぅーやる、んちゃ、くれー、何(ぬー)ぬ相談(あんねー)んさんぐとぅ、君(やー)土(んーちゃ)使(ちか)てぃ、人形造(ちゅく)たせー、くれー私(わー)がわっさたん。やしがよー、実(じちぇー)なー地上(ぢー)んかい植物(きーくさ)とぅ、動物(いちむし)びけーる居(う)くとぅ、人間(にんじん)造(ちゅく)れーやーんでぃ思(うむ)てぃるそーしが、あんすらー、うぬ土(んーちゃ)使(ちか)てぃ、人間(にんじん)造(ちゅく)やーに、人間(にんじん)ぬ子(くゎ)、孫(いまが)、産(なーし)ふぃーきーる間(うぇーま)、うぬ土(んーちゃ)、私(わん)にんかい、貸(か)らちとぅらさんがやー。」んでぃ言(い)みそーちゃくとぅ、土地(ぢー)ぬ神様(かみさまー)、「あーなー、、他人(ちゅ)ぬ土(んちゃ)、相談(あんねー)なしくに使(ちか)いせー、くれー、不埒な者(むん)やくとぅ、許さらんしが、貸ららちくぇーりんでぃ、言(い)ゆるむんやれーなーくれー聞(ち)さはるやしが、百年(ひゃくにん)ぬ間(うぇーま)る、貸らすんどー。うぬ二、三年(にん)前(めー)ないねー、合図(えーじ)すくとぅ、うんにんねー用意しみやーなかい、また土(んちゃ)んかい返(けー)しよー。」んち、相談(ちゅーごー)なやーに、天(てぃん)ぬ神様(かみさまー)人間(にんじん)ぬ童子(わらぢ)ぬ人形造(ちゅく)みそーやーなかい、翌日(なーちゃ)なたくとぅ、魂(まぶい)込(く)みてぃ人(ちゅ)、人間(にんじん)ぬ、初(はじ)みてぃ、くぬ地(ぢー)ぬ上(うぃー)んかい、出(い)ぢたんでぃ、生(い)まりたんでい。あんそーしが、だー、うったーや、童子(わらび)るやくとぅ、自分(どぅ)くろー食物(むのー)かめーてぃ、食(か)みゆーさんくとぅ、天(てぃん)ぬ神様(かみさまー)御月様(うちちゅーめー)から、アカナー使(ちか)てぃ餅(むち)落(う)とぅち、うぬ童子達(わらばーたー)んかい、食(くぇ)やーなかい、ふどぅうゎーちさくとぅ、童子達(わらばーたー)や次第次第(しでぇーしでぇー)にふどぅうぃーやーなかい、次第(しでぇー)に知恵(ぢんぶん)出(い)ぢてぃ、恥(はじ)かさわかいになたくとぅ、クバぬ葉(ふゎー)さーに前(めー)や覆(うす)てぃ、歩(あっ)ち、あんしまた何年(なんにん)かするうちねー、なーひん知恵(ぢんぶん)出(い)ぢてぃ、食(くぇー)ふぉーりーせーるせーる餅(むち)貯(た)みとーちーねー、何時(いち)やてぃん、食(か)まりねーくとぅ、んち、二人(たい)し貯みーるぐとぅなたくとぅ、えーなー、うんにんからーなー、天(てぃん)からぬ餅(むちぇー)、落(う)てぃらんなてぃさくとぅ、なーめーめーしー、食物(かみむん)とぅめーてぃ、食(か)いでぃ歩(あっ)ちゅだんでぃ、あんするうちねー、子供達(わらびんちゃー)ん生(い)まりー孫達(いまがぬちゃー)ん、また孫達(いまがぬちゃー)ん生(い)まりてぃさくとぅ、うぬ年寄達(とぅすぃんちゃー)や、今(なま)ぬ昔話(んかしばなしー)すんねーし、「天(てぃん)ぬあぬ、御月様(うちちゅーめー)んかえーアカナーが乗(ぬ)とーてぃ、しぐ西(いり)ぬ海いんぢ蟹(がに)取(とぅ)ってぃ食(か)むん。」あんし、うぬ童歌(わらびうたー)、「アカナーアカナーまーかいがー、西(いーり)ぬ海かい蟹(がに)取(とぅ)いがー、慶良間(きらま)ぬ後(くし)かい蟹(がに)取(とぅ)いがー、慶良間(きらま)ぬ後(くーし)ぬ古御月(ふるうちちぇー)。」んち歌てぃ、一緒(まじゅん)遊(あし)ぶたんでぃ、なーひん小(くぅ)さる子供達(わらばーたー)や、アカナや蟹(がねー)じょーぐーやしが、蟹(がねー)取(とぅ)てー食(くぃー)ゆーさんしが、田螺(たーんな)取(とぅ)てぃ、食(くぃ)くとぅ、昔(んかし)ぬぐとぅし、私達(わったー)んかいん、大餅(うふむち)、美味餅(やとぅむち)、沢山(だちぇーん)落(う)とぅちくぃみそーりんち、祖父(おじー)、祖母達(おばーたー)とぅ一緒(まじゅん)御願(うにげー)する童歌(わらびうた)。「御月様(うちちゅめー)さぬ、御月様(うちちゅめー)、大餅(うふむち)、美味餅(やとぅむち)うたびみそーり、田螺(たーんな)かめてぃうさぎらびら。」んち、皆(んな)し御願(うにげー)する童歌(わらびうた)。今(なま)んたーちぃ、ゆう年寄達(とぅすぃんちゃー)が歌みせーん。うんぐとぅするうちに年(にん)や飛車(とぅびぐるま)、月(ちち)や馬(んま)ぬ走(はい)んち、年(にん)、月(ちち)ぬないせー速(ふぇー)さぬ、急速(ちゅーちゃー)ん、九十七なたくとぅ、土地(ぢー)ぬ神様ぬ現りみそやーなかい、「君達(いったー)や用意しーよー、なー三年(さんにん)しぇー土(んーちゃ)んかい返(けー)いんどー。」んち、合図(えーじ)しみそーちゃくとぅ、くぬ年寄達(とぅすぃんちゃー)や、天(てぃん)ぬ神様ぬとぅくまんかい行(ん)ぢ、「土地(ぢー)ぬ神様があん言(い)っちめんそーちゃーびたん。」りち話(はなしー)さくとぅ、天(てぃん)ぬ神様(かみさまー)「とー、あんせーなー、なーまー二(たー)ち、三(みー)ちぬ童(わらび)とぅ同様(いーぬぐとぅ)、童(わらび)ないけーりてぃ、赤頭巾(あかじっちん)、被(かん)てぃ、赤羽織(あかはうい)ぐゎー着(ち)やなかい、アダニぬ葉(ふゎー)さーに作(ちゅく)てーる風車(かじまやー)持(む)っち、三叉路(みーちかじまやー)、四辻(わーちあぢまー)、橋ぬ上(うぃー)なーでぃーんなさーに、舞踊(すねー)てぃ歩く(あっ)ちぇーは。あんせー、土地(ぢー)ぬ神様がうり見(んー)じみそーやーなかい、『あいあい、くれー、九十七んでぃ思(うむ)たるむん、なーま三(みー)ち、四(わー)ちぬ童(わらび)やるむんなー。』んでぃ、思(うむ)みそーやーなかい、土(んーちゃ)んかい、返(けー)りよーや、しみそーらん筈(はじ)やくとぅ。」んち、ならーしみそーちゃくとぅ、うぬ年寄達(とぅすぃんちゃー)や、しぐ家(やー)かい帰(けー)てぃ行ちゃーなかい、赤頭巾(あかじっちん)、赤羽織(あかはうい)着(ちっ)ち、アダニぬ葉(ふゎー)さーに、作(ちゅく)てーる風車(かじまやー)持(む)っちゃーなかい、道々、子供達(くゎぬちゃー)孫達(んまがぬちゃー)、また孫達(んまがぬちゃー)、皆(んな)舞踊(すねー)てぃ歩く(あっ)ちさくとぅ、うりが、風車祝(かじまやー)ぬ道舞踊(みちじゅねー)ぬ始まいやんでぃ。あんし、後(あとぅ)ぬ世(ゆー)ぬ人達(ちゅぬちゃー)が、うり見(んー)ち、うんにんからーなー、「神様るなとーみせーん。」でぃち、「神とぅ称(たた)りーる人(ちゅ)やくとぅ。」んでぃち、やーなかい、「七橋(ななはし)ゆ渡(わた)てぃ、七四辻(ななゆちぢ)越(く)ちょてぃ、誠(まくとぅ)風車祝(かじまやー)や神ぬう祝(ゆえ)。」んでぃち、なー、神ぬう祝(ゆえー)んでぃるくとぅんかいなとーん。あんすくとぅ、御祝(ぐすーじ)んかい行ちゃーなかい、杯(さかぐち)かみてぃ、挨拶(いぇーさち)しーねー、「あやかーいがちゃーびたん。あやかーらちくぃみそーり。」んでぇー言(ゆ)んぐとぅ、「拝(うが)まってぃくぃみそーり。」んでぃ言(ゆ)しがる本当(ふんとー)ぬ、挨拶(いぇーさち)ぬ仕方やんでぃる話(ななし)ぬ。神(かめー)あやかーいやならん、拝(うが)みるないるんでぃる話い。人(ちゅ)、人間(にんじん)ぬ始(はじ)いとぅ、風車祝(かじまやーすーじ)、道路舞踊行列(みちじゅねーい)ぬ由来記(ゆれーち)んでぃ。〔共通語訳〕 これは、いかにしてこの世の中に人間が生まれたか、そして、何故九十七才になると風車(かじまやー)祝いや、道路行列(みちじゅねー)があるか、と言うはなしである。昔、昔、大変大昔の事、いまだ人間がこの地上に存在していなくて、他の動物や植物だけが生えている時代に、天の神様がそれを御覧になられてこれではいけないから、人間を造ろうと、お考えになり、地上におりて来られて、土を捏ねて、それで人間の童子の人形を二つ、男と、女と造られて、明日迄乾かせば其れを立て、魂を込めると人間になるからと、二つの人形を造られて、天に戻って行かれました。翌日になって、降りてみてみると、その人形は二つとも、全部掻き崩されていました。天の神様は、何者がやったのだろうこれは、と、言はれながらも又二つ造ったから、明日降りてくると乾いている筈、魂を込めることが出来ると、言はれながら、天に戻っていかれました。翌日降りて来られて、見ると又同じ様に掻き崩されているので、何者のする事だろうかねえ。もう、これは。と、言はれながらも、それでも今日造っておけば又、明日は魂が込められるから。と、言はれて、また造って天に帰られたのですが。翌日降りてきて見るとまた同じように掻き崩されていますので、とうとう天の神様は怒られて、ああもうこの様な事をする者は許せん。と言はれながらも、また造って天に帰られたのですが、今度はもう誰がするのか見届けてやらうと思われて、夜中に天から降りてこられて見ていると。土のなかから真黒い者が、むくむくと出てきて、その人形を二つとも、全部掻き崩してしまったのです。すると、天の神様は「おおお前が私の造った人形を全部掻崩したのだな。もう許さん。」と言れましたので、その真っ黒いものは「おお貴方は天の神様。私は土地の神さまである。私の土を使って、あれも、これも、勝手に造るものは、もう許せない。許せないのは、天の神様貴方だ。」と言いましたので、天の神様は、「おおそうであったか。これは何の相談も無しに、貴方の土を使って、人形を造ったのは、これは私が悪かった。だがねえ。実を言えば、地上に、植物と、他の動物だけしか居ないから、人間を造らうと思ってやっているのだが、其れでは、私が其の土を使って、人間を造り、其の人間の。子供や、孫達が沢山増える間。其の土を私に貸してはくれないか。」と、申されましので、土の神様は。「ああ、いええ、他人の土を、何の相談もなく、勝手に使うものは、これは不将な奴だから許せんが、貸してくれと言うのは聞かなければいけないなあ。だがしかし、百年の間しか貸さないよ。其の二、三年前になると合図するから、其の時は、用意させて又土に返しなさい。」と相談がまとまりましたので、天の神様は、人間の童子の人形を造られて、翌日になると、魂を込められて、人、人間が始めて、この地上に出てきたのです。生まれたのです。だが二人とも童子で、自分たちで食べ物を探して食べることが出来ませんので、天の神様は、お月様から「アカナー」に命じまして、餅を落として童子達に食べさせて、育てさせますと、童子達はすくすくと成長して、いろいろと知恵も付き、あれこれと考えるようになり、恥ずかしさが分かるようになると、クバの葉で前を隠すようになりました。そうして又何年かする中に、もっと知恵が付き、食べ散らかしてある餅を集めて、貯めておくと、何時でも自分たちの食べたいときに食べられる。と、二人で貯えるようになりますと、其の時からはもう、落ちてこなくなりました。すると、其の後は、各人で食べ物を探して歩く様になったそうです。そうこうする中に、子供たちも生まれ、孫達、曾孫達も生まれるようになりますと、其の年寄り達は、今の昔話をするように。「天のお月さまには『アカナー』が集っていて、西の海にいって蟹を取って食べる。」と、話しながら歌った。童歌「アカナーアカナー何処へ行く、西の海へ蟹取りに、慶良間の後ろへ蟹取りに、慶良間の後ろの古お月」と言う歌は、皆が一緒に遊んでいた時の歌です。又もっと小さい子供たちは「アカナー」は蟹は上口だけれども。蟹を取って上げる事は出来ないが、田螺を取ってあげるから。昔のように、私たちにも大きな美味しい餅を沢山落としてくださいと。祖父さん、祖母さんと一緒になって御願いする童歌。「お月さま、お月さま、大きい餅、おいしい餅を落としてくださいませ。田螺を探して上げますから。」と皆でお願いする童歌、今も歌い次がれて、年寄りたちは歌います。そうこうする中に、光陰矢の如く、年は飛び車、月は馬の走り、年月の流れは早く、もう九十七才になりますと、土地の神様が現れになって、「君達は用意しなさいよ。もう三年すると、土に返るのですよ」と申されますと、その年寄りたちは、天の神さまのところに行き、「土の神様から、こう言うお告げがありました」と申し上げますと、天の神様は「そうであったか。それでは、まだ、二・三才の子供たちと同様に成済して、赤い頭巾に赤い羽織を着けて、「アダンの葉で作った玩具の風車を持って、三叉路や十字路、橋の上等を皆で舞い踊りながら練り歩きなさい。そうすると、土地の神様がそれをご覧になって、『あらあら、これは九十七才だと思ったのに、まだ三、四才の子供か』と思われて、土に返りなさいとは申されない筈だから」と教えて下さいましたので、その年寄りたちは、急いで家に帰っていき、赤い頭巾と、赤い羽織を作り、それを着けて、「アダン」の葉で作った、おもちゃの風車を持って、道路をかなたこちらと子供たち、孫たち、曾孫たちと皆で舞を舞ながら踊って歩きました。それが、風車祝いの行列の始まりだそうです。そして、後生野人達がこれを見て、この時からはもう「神様になっておられる」と言うことで「神と称えられる御方」であると言うことで「七橋を渡り七四辻越して誠風車祝は神のお祝い」と申し上げて、神様の御祝と言うようになっているそうです。だから、お祝の座に行き、杯を戴くときの挨拶をするときは「あやかりにきました。あやからしてください。」とは申し上がらないで、「拝みにきました。拝まれてください。」と申し上げて挨拶するのが、本当の挨拶と言う話。すなわち神様をあやかることはできません。拝むことは出来ると言うことです。人間の始まりと、風車祝い、道路行列の由来だとのこと。平成9年2月17日 高江洲亮・上原智子翻字 T1A4 |
| 全体の記録時間数 | 8:44 |
| 物語の時間数 | 8:44 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |