もーいおやかた
薩摩からの命令で雄鶏の卵を持ってこいという命令がきました。その頃、モーイ親方の親は三司官で、そこに集まって話しましたが話は先に進まず3日三晩話し合っても結論は出ませんでした。親が頭を抱えているのを見てモーイ親方は、父親に「どうしたのですか、お父さん。話のけつろんが出ていないようですが・・・?」と言った。すると父親は「子供にはわからない、黙っていなさい」といいました。するとモーイ親方は「いいえ、お父さん、今度は私がお父さんに替って薩摩に返答に行きます」と言いました。すると父親は「おまえがか、子供がでしゃばるな。これはできるはずがない」と言いました。するとまたモーイ親方は「何でもいいですから、私が行きます」と言いました。父親がそのことを皆に伝えると、皆はモーイが頭の良い事をしっているので「そんな事ならモーイにまかせ」ということになり父親に替って内地に返答に出かけました。内地についたモーイは、そこで「私は父のかわりにきました」といいました。すると「父親はどうしたのか・・・?」と訊かれたので「産気づいています」といったそうです。すると「男が産気づくのか・・・?」と聞かれました。そこでモーイ親方は「産気づくでしょう。雄鶏が子供を生むのは見たことはありませんが、雄鶏が卵を生むのならできますよ」と言いました。薩摩の人は、これに「やられた」と言いました。その次に薩摩から「運玉森を持って来い」といわれました。この問いにも困ってしまいました。「引く綱もないし、持っていく舟もない。どうしようか・・・?」ということになりました。するとモーイは「それは簡単な事です。私が行きます」という事でモーイ親方は薩摩に出かけました。すると薩摩の人は「おまえは持って来る事ができますか」と言いました。それにもーい親方は「できます。が…舟もないし下ろす縄もない。あなたがそれを作ってくれたらできます」と答えました。薩摩の人は森を運ぶほどの舟も綱もないと言うことでモーイを追いかえしてしまいました。薩摩の人は、モーイを優れた人間だと言った。それからモーイ親方は親子三代目の三司官の役についた。ヌハ殿内では、モーイ親方は頭はボサボサで一般の人々からは「バカだバカだ」と言われていたらしいが、本当は、バカをよそおってはいるが、じっさいはとても良い政治家だったそうです。
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レコード番号 | 47O360019 |
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CD番号 | 47O36C001 |
決定題名 | モーイ親方 殿様の難題(シマグチ) |
話者がつけた題名 | - |
話者名 | 玉井正徳 |
話者名かな | たまいまさのり |
生年月日 | 18990910 |
性別 | 男 |
出身地 | 沖縄県中城村末吉233番地 |
記録日 | 19810614 |
記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
元テープ番号 | 西原町字兼久調査17班T01B03 |
元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
分類 | 13 |
発句(ほっく) | - |
伝承事情 | - |
文字化資料 | - |
キーワード | モーイ親方,殿様の難題,雄鶏の卵,薩摩,運玉森 |
梗概(こうがい) | 薩摩からの命令で雄鶏の卵を持ってこいという命令がきました。その頃、モーイ親方の親は三司官で、そこに集まって話しましたが話は先に進まず3日三晩話し合っても結論は出ませんでした。親が頭を抱えているのを見てモーイ親方は、父親に「どうしたのですか、お父さん。話のけつろんが出ていないようですが・・・?」と言った。すると父親は「子供にはわからない、黙っていなさい」といいました。するとモーイ親方は「いいえ、お父さん、今度は私がお父さんに替って薩摩に返答に行きます」と言いました。すると父親は「おまえがか、子供がでしゃばるな。これはできるはずがない」と言いました。するとまたモーイ親方は「何でもいいですから、私が行きます」と言いました。父親がそのことを皆に伝えると、皆はモーイが頭の良い事をしっているので「そんな事ならモーイにまかせ」ということになり父親に替って内地に返答に出かけました。内地についたモーイは、そこで「私は父のかわりにきました」といいました。すると「父親はどうしたのか・・・?」と訊かれたので「産気づいています」といったそうです。すると「男が産気づくのか・・・?」と聞かれました。そこでモーイ親方は「産気づくでしょう。雄鶏が子供を生むのは見たことはありませんが、雄鶏が卵を生むのならできますよ」と言いました。薩摩の人は、これに「やられた」と言いました。その次に薩摩から「運玉森を持って来い」といわれました。この問いにも困ってしまいました。「引く綱もないし、持っていく舟もない。どうしようか・・・?」ということになりました。するとモーイは「それは簡単な事です。私が行きます」という事でモーイ親方は薩摩に出かけました。すると薩摩の人は「おまえは持って来る事ができますか」と言いました。それにもーい親方は「できます。が…舟もないし下ろす縄もない。あなたがそれを作ってくれたらできます」と答えました。薩摩の人は森を運ぶほどの舟も綱もないと言うことでモーイを追いかえしてしまいました。薩摩の人は、モーイを優れた人間だと言った。それからモーイ親方は親子三代目の三司官の役についた。ヌハ殿内では、モーイ親方は頭はボサボサで一般の人々からは「バカだバカだ」と言われていたらしいが、本当は、バカをよそおってはいるが、じっさいはとても良い政治家だったそうです。 |
全体の記録時間数 | 4:37 |
物語の時間数 | 4:30 |
言語識別 | 方言 |
音源の質 | ◎ |
テープ番号 | - |
予備項目1 | - |