
大和では親捨山というんですよね。沖縄でもね、これに似たような話があるんですよね。結局、人間男も女も60才になるとね、口減らしということで、大昔は、空き墓とかね、畑の畦にね、その幾らかの食べ物を持っていって、そこに座らしてさ。それがある間は、生きて、それがなくなったら、もう死んでもいいよということで。いわゆる口減らしのためにやったのが、沖縄での親捨山に似たような話なんですがね。それが、姥捨てをしてはいけないなあということがあったらしいんですよね。というのは、昔、薩摩が琉球征伐をして、琉球王府をね、自分達の配下に入れて、いわゆる中国とか南方貿易をさせて、その利潤は全部薩摩藩が吸い上げるような格好に、植民地みたいにしたわけですよね、いわゆる薩摩が琉球征伐して、首里まで攻めてきて、もう薩摩の属領みたいに琉球王府はなったわけですよね。その時に、薩摩の役人がね、この琉球に対して、無理難題をふっかけたそうです。その中にね、こういうのがあったそうだ。「馬二頭にね、馬二頭に、鞍一つだけ置いて持ってきなさい。」と。問題の一つはそれ。で、二つ目の質問はね、木灰ね、「灰でね、縄をなって持ってこい。」と。灰で縄ができるわけないでしょ。これ無理難題と言ってるんだがね。そしたら、その言いつけられた人はね、「もうどうしようかなあ。」って、もう考えても考えられないようなことでしょ。馬二頭に鞍一つ、もう、思案のあげくね、「なー(もう)、お爺がだったら分かるかなあ。」といって、その空き墓に連れていってある自分のお爺を連れてきて、そのお爺に聞いたわけよ。親父ね。もう60余りなったから、習ったらね、「あんな簡単な問題はね、こうして解決しなさい。」って言ってね。「馬二頭に鞍一つというのは、妊娠した馬にね、鞍一つ着けなさい。もう一つの灰で縄をなうというのはね、一応縄をぬってね、それを火をつけて燃やして、そのまま持って行きなさい。」と。この縄は、もう崩れなければ縄でしょ。そういうことで、親捨山に連れられていったお爺さんに習ってやったらもう、「これからは年寄り孝行せんといかんなあ。」ということでもう60なったら空き墓に連れていくということは取り止めにしたということらしいです。
| レコード番号 | 47O416313 |
|---|---|
| CD番号 | 47O41C335 |
| 決定題名 | 親捨山(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 津嘉山正弘 |
| 話者名かな | つかやませいこう |
| 生年月日 | 19260425 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 嘉手納町野国 |
| 記録日 | 19940919 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄国際大学口承研 |
| 元テープ番号 | 嘉手納T38A05 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 12 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | かでなの民話P322 |
| キーワード | 親捨山,60才,空き墓,畑の畦,薩摩,琉球征伐,無理難題,馬二頭に鞍一つ,灰縄 |
| 梗概(こうがい) | 大和では親捨山というんですよね。沖縄でもね、これに似たような話があるんですよね。結局、人間男も女も60才になるとね、口減らしということで、大昔は、空き墓とかね、畑の畦にね、その幾らかの食べ物を持っていって、そこに座らしてさ。それがある間は、生きて、それがなくなったら、もう死んでもいいよということで。いわゆる口減らしのためにやったのが、沖縄での親捨山に似たような話なんですがね。それが、姥捨てをしてはいけないなあということがあったらしいんですよね。というのは、昔、薩摩が琉球征伐をして、琉球王府をね、自分達の配下に入れて、いわゆる中国とか南方貿易をさせて、その利潤は全部薩摩藩が吸い上げるような格好に、植民地みたいにしたわけですよね、いわゆる薩摩が琉球征伐して、首里まで攻めてきて、もう薩摩の属領みたいに琉球王府はなったわけですよね。その時に、薩摩の役人がね、この琉球に対して、無理難題をふっかけたそうです。その中にね、こういうのがあったそうだ。「馬二頭にね、馬二頭に、鞍一つだけ置いて持ってきなさい。」と。問題の一つはそれ。で、二つ目の質問はね、木灰ね、「灰でね、縄をなって持ってこい。」と。灰で縄ができるわけないでしょ。これ無理難題と言ってるんだがね。そしたら、その言いつけられた人はね、「もうどうしようかなあ。」って、もう考えても考えられないようなことでしょ。馬二頭に鞍一つ、もう、思案のあげくね、「なー(もう)、お爺がだったら分かるかなあ。」といって、その空き墓に連れていってある自分のお爺を連れてきて、そのお爺に聞いたわけよ。親父ね。もう60余りなったから、習ったらね、「あんな簡単な問題はね、こうして解決しなさい。」って言ってね。「馬二頭に鞍一つというのは、妊娠した馬にね、鞍一つ着けなさい。もう一つの灰で縄をなうというのはね、一応縄をぬってね、それを火をつけて燃やして、そのまま持って行きなさい。」と。この縄は、もう崩れなければ縄でしょ。そういうことで、親捨山に連れられていったお爺さんに習ってやったらもう、「これからは年寄り孝行せんといかんなあ。」ということでもう60なったら空き墓に連れていくということは取り止めにしたということらしいです。 |
| 全体の記録時間数 | 6:06 |
| 物語の時間数 | 5:57 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |