阿麻和利(共通語)

概要

この人もね、多分、大川按司の時代に生まれた人らしいんですよね。それで、お母さんは字屋良の人。で、お父さんは誰か知らないが、おそらく屋良城のね、大川城の侍だったかもしれない。それで、生まれてもね、父無しで、いわゆる私生児になったわけさあねえ。お父さんが分からない、お母さんだけしか分からない子供のこと私生児というんですよね。それで、生まれてね、しかも、また身体が弱くてさあ、もうダヤーみたい、蛸みたいにもう健康体では生まれてないわけさあね。どんなに、成長していっても、こういう状態で、今で言えば身障者みたいな形だったらしい。それで、もうしょうがなくてね、おじさん達がさあ、「もうこれは、こんなにしては生きられんからね、あのサシガーの洞に入っておきなさい。」と言ってね、もう籠なんか担いでさ、一方は阿麻和利入れて、一方は食べ物入れて、そうやって、この川べりのこのサシガーの洞穴に連れていったらしい。そして、もう持ってった飯を食ってね、 「もうこれがあるまでは生きておきなさい。もう後は自分で勝手に生きなさい。」ということで、あの洞に置かれたらしい。そしたら、もうある間は食べてさ、もう無くなったからね、「もう何しようか。」といってね、それからは、もう蜘蛛が、こう巣を作っておったらしい。そして、一生懸命、その尻からか、糸を出してね、蜘蛛の巣を作ったわけだ。そしてね、そこに何かが引っ掛かると、これを食べておったと。これを見てね、「あの蜘蛛でさえも、ああいうふうに自分で生きてね、やるのに。」ということで、それから、這ってでもあっちこっちあれしてね、こう自分で生活したらしい。そして、その蜘蛛のあれを見て、何をしたかというと、いろんな山から葛みたいなね、物を持ってきて、網、魚を採る網があるでしょ。あれを作ったらしい。そして、その網で川から魚を採ってね、食べて、こんなあこんなあして、もう死なないで、どんどんどんどん自分で生きていってやったらしい。まあ、それから結局もうその採った魚をね、ずっと担いで泡瀬辺りのみんなこの貧しい人達にどんないあげたらしい。もう魚採やーして、後はもう海に出たんでしょうね。そして、毎日魚採ってきて、みんな住民に食べさせてね、色々考えたんでしょうね。それから、今度は勝連城に行ってね、イモノカサ、草刈やーと言って、「いわゆる草刈りの仕事でもいいからさせてくれ。」と言って、乗り出して行ってやったら、もう勝連城に雇われたわけ。そしたら、もうどんどんどんどんこうやって、いわゆるそれから野望を王様達がね、いわゆる按司達がやってるのを見てね、「ぬーが、あったーがないらわーがんないるする(何で、あれ達にできるなら俺にもできる)。」ということで、色々やって、もう頭を磨いて、一人でどうしたら按司になるかということを考えたんでしょうね。これで、「もう何でもどういう仕事でもやる。」と言って、そして、とうとう部落の人達が、「もう御恩返しができない。」と言ったらね、「僕がね、合図した場合には、何でもいいから松明を持ってね、あの浜から、こうずっと歩いてね、勝連城に向かってこい。」と。「それで僕の恩義は返したことにするから。」ということでやってね、結局夜襲をかけさせたわけよ。そしたら、もうこの城は、ちょうど宴会の宴たけなわの時だから、反対側から敵の軍隊が攻め込んで来るんだということで、大騒動なったわけさあ。そして、もう按司が、あっちに出てみたらね、このアマンジャナーが行って、「たくさんの敵の軍隊が来るなあ。」なんて言って話をしながらね、立っておって、その反対に突き倒し、突き落としてね、自分が按司になったということなんだよね。それと、今度は、自分の奥さんは、いわゆる首里のね、王様のウナイといって、もう兄弟の娘をもらったわけでしょうね。そして、今度はまた、何とか護佐丸を滅ぼそうと思って、首里城の王様によ、この護佐丸もね、向こうの婿だそうだ。そんで、「護佐丸が謀叛企んでね、首里城に攻め込んで来るんだ。」という嘘を王様に言ったわけさあ。すると、「討ち取れ。」と言われて、護佐丸はそんなことは何も考えていないのにさあ、阿麻和利は討ち滅ぼされたから、自分がまた謀叛をやろうとやったらしい。そして、護佐丸は阿麻和利に負けたけれども、今度は王様それを分かって怒ってね、今度は、鬼大城といってね、強い人を遣ってさ、勝連城を叩き潰して、阿麻和利を殺してしまったということらしいんだがね。色々、まあ阿麻和利は悪い悪いというあれもあるんだけれども、また、他のあれではまた、いいこともあったということなんですよね。

再生時間:7:59

民話詳細DATA

レコード番号 47O416201
CD番号 47O41C329
決定題名 阿麻和利(共通語)
話者がつけた題名
話者名 津嘉山正弘
話者名かな つかやませいこう
生年月日 19260425
性別
出身地 嘉手納町野国
記録日 19940919
記録者の所属組織 沖縄国際大学口承研
元テープ番号 嘉手納T31A04
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 20
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 かでなの民話P122
キーワード 大川按司,字屋良,私生児,サシガーの洞,阿麻和利,蜘蛛,網,勝連城,夜襲,首里の王様,護佐丸
梗概(こうがい) この人もね、多分、大川按司の時代に生まれた人らしいんですよね。それで、お母さんは字屋良の人。で、お父さんは誰か知らないが、おそらく屋良城のね、大川城の侍だったかもしれない。それで、生まれてもね、父無しで、いわゆる私生児になったわけさあねえ。お父さんが分からない、お母さんだけしか分からない子供のこと私生児というんですよね。それで、生まれてね、しかも、また身体が弱くてさあ、もうダヤーみたい、蛸みたいにもう健康体では生まれてないわけさあね。どんなに、成長していっても、こういう状態で、今で言えば身障者みたいな形だったらしい。それで、もうしょうがなくてね、おじさん達がさあ、「もうこれは、こんなにしては生きられんからね、あのサシガーの洞に入っておきなさい。」と言ってね、もう籠なんか担いでさ、一方は阿麻和利入れて、一方は食べ物入れて、そうやって、この川べりのこのサシガーの洞穴に連れていったらしい。そして、もう持ってった飯を食ってね、 「もうこれがあるまでは生きておきなさい。もう後は自分で勝手に生きなさい。」ということで、あの洞に置かれたらしい。そしたら、もうある間は食べてさ、もう無くなったからね、「もう何しようか。」といってね、それからは、もう蜘蛛が、こう巣を作っておったらしい。そして、一生懸命、その尻からか、糸を出してね、蜘蛛の巣を作ったわけだ。そしてね、そこに何かが引っ掛かると、これを食べておったと。これを見てね、「あの蜘蛛でさえも、ああいうふうに自分で生きてね、やるのに。」ということで、それから、這ってでもあっちこっちあれしてね、こう自分で生活したらしい。そして、その蜘蛛のあれを見て、何をしたかというと、いろんな山から葛みたいなね、物を持ってきて、網、魚を採る網があるでしょ。あれを作ったらしい。そして、その網で川から魚を採ってね、食べて、こんなあこんなあして、もう死なないで、どんどんどんどん自分で生きていってやったらしい。まあ、それから結局もうその採った魚をね、ずっと担いで泡瀬辺りのみんなこの貧しい人達にどんないあげたらしい。もう魚採やーして、後はもう海に出たんでしょうね。そして、毎日魚採ってきて、みんな住民に食べさせてね、色々考えたんでしょうね。それから、今度は勝連城に行ってね、イモノカサ、草刈やーと言って、「いわゆる草刈りの仕事でもいいからさせてくれ。」と言って、乗り出して行ってやったら、もう勝連城に雇われたわけ。そしたら、もうどんどんどんどんこうやって、いわゆるそれから野望を王様達がね、いわゆる按司達がやってるのを見てね、「ぬーが、あったーがないらわーがんないるする(何で、あれ達にできるなら俺にもできる)。」ということで、色々やって、もう頭を磨いて、一人でどうしたら按司になるかということを考えたんでしょうね。これで、「もう何でもどういう仕事でもやる。」と言って、そして、とうとう部落の人達が、「もう御恩返しができない。」と言ったらね、「僕がね、合図した場合には、何でもいいから松明を持ってね、あの浜から、こうずっと歩いてね、勝連城に向かってこい。」と。「それで僕の恩義は返したことにするから。」ということでやってね、結局夜襲をかけさせたわけよ。そしたら、もうこの城は、ちょうど宴会の宴たけなわの時だから、反対側から敵の軍隊が攻め込んで来るんだということで、大騒動なったわけさあ。そして、もう按司が、あっちに出てみたらね、このアマンジャナーが行って、「たくさんの敵の軍隊が来るなあ。」なんて言って話をしながらね、立っておって、その反対に突き倒し、突き落としてね、自分が按司になったということなんだよね。それと、今度は、自分の奥さんは、いわゆる首里のね、王様のウナイといって、もう兄弟の娘をもらったわけでしょうね。そして、今度はまた、何とか護佐丸を滅ぼそうと思って、首里城の王様によ、この護佐丸もね、向こうの婿だそうだ。そんで、「護佐丸が謀叛企んでね、首里城に攻め込んで来るんだ。」という嘘を王様に言ったわけさあ。すると、「討ち取れ。」と言われて、護佐丸はそんなことは何も考えていないのにさあ、阿麻和利は討ち滅ぼされたから、自分がまた謀叛をやろうとやったらしい。そして、護佐丸は阿麻和利に負けたけれども、今度は王様それを分かって怒ってね、今度は、鬼大城といってね、強い人を遣ってさ、勝連城を叩き潰して、阿麻和利を殺してしまったということらしいんだがね。色々、まあ阿麻和利は悪い悪いというあれもあるんだけれども、また、他のあれではまた、いいこともあったということなんですよね。
全体の記録時間数 8:05
物語の時間数 7:59
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

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