
今から1200年前、中国の江南省に高利貸の爺がいた。この人は人相が悪く、とてもケチだった。ある日、爺は評判の易者をからかいに行き、持っていた扇子を易者に見せて、「この扇子の寿命はいつまでか」と聞く。易者は、「今年の10月1日」と言う。次に、「では、私の寿命はいつまでか」と聞くと、「あんたの命は来年の3月31日までしかない」と答える。それで爺はこの時から、その扇子を持ち歩くことを止め、風呂敷に包んでタンスの中に仕舞っておいた。9月頃になると爺は扇子のことが気懸かりになり、用事で外に出てもすぐに帰って来て、1日に何度も扇子の無事を確かめた。そのような爺の様子を不思議に思った婆が、タンスの中をこっそり覗くと、そこには女の絵の入った扇子があった。怒った婆は、その扇子を焼き捨てた。それは易者の言った10月1日のことだった。このことから自分の寿命が心配になった爺は、棺箱を作ってその日を待つことにした。亡くなる日の一週間ほど前、爺は家へ帰える途中、ある公衆便所に入り、そこで金を置き忘れて失くし、首を吊ろうとしている男の人に会う。拾った金を返してその人の命を救った爺は、はじめて人助けをし喜んで家に帰った。そして、いよいよ明日が3月31日という日に、爺は天井から棺を下ろすと、婆に遺言を残してその中に入って待った。ところがその日になり、時間になっても死なない。そこでもう一度易者を訪ねると、易者に、「あんたは人のために尽くし良いことをしたので、神様のように人相が変わっている。あんたは120歳まで生きる」と言われ、120歳まで生きたそうだ。
| レコード番号 | 47O235866 |
|---|---|
| CD番号 | 47O23C313 |
| 決定題名 | 金貸しと扇子の寿命(共通語) |
| 話者がつけた題名 | 扇子の寿命 |
| 話者名 | 沢岻安徳 |
| 話者名かな | たくしあんとく |
| 生年月日 | 19220826 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 嘉手納町字野国 |
| 記録日 | 19930829 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄国際大学口承研 |
| 元テープ番号 | 嘉手納T13A04 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 12 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | かでなの民話P296 |
| キーワード | 中国,高利貸,易者,扇子,寿命 |
| 梗概(こうがい) | 今から1200年前、中国の江南省に高利貸の爺がいた。この人は人相が悪く、とてもケチだった。ある日、爺は評判の易者をからかいに行き、持っていた扇子を易者に見せて、「この扇子の寿命はいつまでか」と聞く。易者は、「今年の10月1日」と言う。次に、「では、私の寿命はいつまでか」と聞くと、「あんたの命は来年の3月31日までしかない」と答える。それで爺はこの時から、その扇子を持ち歩くことを止め、風呂敷に包んでタンスの中に仕舞っておいた。9月頃になると爺は扇子のことが気懸かりになり、用事で外に出てもすぐに帰って来て、1日に何度も扇子の無事を確かめた。そのような爺の様子を不思議に思った婆が、タンスの中をこっそり覗くと、そこには女の絵の入った扇子があった。怒った婆は、その扇子を焼き捨てた。それは易者の言った10月1日のことだった。このことから自分の寿命が心配になった爺は、棺箱を作ってその日を待つことにした。亡くなる日の一週間ほど前、爺は家へ帰える途中、ある公衆便所に入り、そこで金を置き忘れて失くし、首を吊ろうとしている男の人に会う。拾った金を返してその人の命を救った爺は、はじめて人助けをし喜んで家に帰った。そして、いよいよ明日が3月31日という日に、爺は天井から棺を下ろすと、婆に遺言を残してその中に入って待った。ところがその日になり、時間になっても死なない。そこでもう一度易者を訪ねると、易者に、「あんたは人のために尽くし良いことをしたので、神様のように人相が変わっている。あんたは120歳まで生きる」と言われ、120歳まで生きたそうだ。 |
| 全体の記録時間数 | 11:50 |
| 物語の時間数 | 11:40 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ○ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |