
薩摩からモーイの親に難題が寄せられた。灰縄と雄鶏の卵と弁ケ岳を持って来いという。お城では大騒ぎになった。モーイの父親は家へ帰ると、これが解けなければ自分は勤めがなくなる、としょげ込んだ。モーイは父親に「心配しないでください。私が行きます」といって、身なりを整え、薩摩へ出掛けた。薩摩に着くと、「やい、ワラビ、何しに来たんのだ」と聞かれたので、「ターリーは通堂までは来たが、急に産気づいたので、私が代わりに来た」と答えた。すると「男が産催すことがあるか」というので、「雄鶏の卵を持って来いというのであれば、私の父親が産催すのは当たり前ではないか」とやり返す。「弁ヌ岳はどうしたか」と聞かれ、「那覇港までは持ってきたが、琉球国には弁ヶ岳を運ぶほどの大きな船がないので、薩摩の船を貸してください」というと、相手は答えられない。「それでは灰縄は持って来たか」といわれ、「ハイこれです」といって、縄を綯い、それを板の上に乗せて燃やして作った灰縄を差し出した。すると薩摩の殿様は、「もう、負けた」と降参し、「それでは沖縄は歌の国、踊りの国といわれているので、一つ芸を見せてくれ」という。モーは「琴を弾きます」といって弾いていると、二人の武士が背後に回り、モーイを取り押さえようとしたが、モーイは咄嗟にその琴で受けて立ち、二人の首根っこを押さえたそうだ。それで、沖縄はジンブン(知恵)が勝っていると感心した殿様は、「何か褒美をやろう。何がよいか。お金か食糧か」と聞く。モーイは「何も欲しくありません。今日一日でいいから、私をあなたのその席に座らせてください」といった。殿様は「よしよし」といって席を譲った。そこでモーイは殿様の席に座ると早速家来たちに、沖縄の税金の証文を持って来るように、と命じた。家来たちは反発したが、殿様に手向かうことは出来ないので、仕方なく証文を出した。モーイは証文を受け取るやいなや、それに火をつけて燃やし、沖縄の税金をちゃらにしたということである。
| レコード番号 | 47O235743 |
|---|---|
| CD番号 | 47O23C307 |
| 決定題名 | モーイ親方 難題 一日殿様(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 金城清子 |
| 話者名かな | きんじょうきよこ |
| 生年月日 | 19090609 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 宜野湾市普天間 |
| 記録日 | 19930828 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄国際大学口承研 |
| 元テープ番号 | 嘉手納T07B20 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 13 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 薩摩,モーイの親,難題,灰縄,雄鶏の卵,弁ケ岳,モーイ,産気,大きな船,琴,褒美,殿様の席,証文 |
| 梗概(こうがい) | 薩摩からモーイの親に難題が寄せられた。灰縄と雄鶏の卵と弁ケ岳を持って来いという。お城では大騒ぎになった。モーイの父親は家へ帰ると、これが解けなければ自分は勤めがなくなる、としょげ込んだ。モーイは父親に「心配しないでください。私が行きます」といって、身なりを整え、薩摩へ出掛けた。薩摩に着くと、「やい、ワラビ、何しに来たんのだ」と聞かれたので、「ターリーは通堂までは来たが、急に産気づいたので、私が代わりに来た」と答えた。すると「男が産催すことがあるか」というので、「雄鶏の卵を持って来いというのであれば、私の父親が産催すのは当たり前ではないか」とやり返す。「弁ヌ岳はどうしたか」と聞かれ、「那覇港までは持ってきたが、琉球国には弁ヶ岳を運ぶほどの大きな船がないので、薩摩の船を貸してください」というと、相手は答えられない。「それでは灰縄は持って来たか」といわれ、「ハイこれです」といって、縄を綯い、それを板の上に乗せて燃やして作った灰縄を差し出した。すると薩摩の殿様は、「もう、負けた」と降参し、「それでは沖縄は歌の国、踊りの国といわれているので、一つ芸を見せてくれ」という。モーは「琴を弾きます」といって弾いていると、二人の武士が背後に回り、モーイを取り押さえようとしたが、モーイは咄嗟にその琴で受けて立ち、二人の首根っこを押さえたそうだ。それで、沖縄はジンブン(知恵)が勝っていると感心した殿様は、「何か褒美をやろう。何がよいか。お金か食糧か」と聞く。モーイは「何も欲しくありません。今日一日でいいから、私をあなたのその席に座らせてください」といった。殿様は「よしよし」といって席を譲った。そこでモーイは殿様の席に座ると早速家来たちに、沖縄の税金の証文を持って来るように、と命じた。家来たちは反発したが、殿様に手向かうことは出来ないので、仕方なく証文を出した。モーイは証文を受け取るやいなや、それに火をつけて燃やし、沖縄の税金をちゃらにしたということである。 |
| 全体の記録時間数 | 5:21 |
| 物語の時間数 | 5:21 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ○ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |