よりきのぬし
昔、ある所に男がいて、ある日その男が海へ行った。海の潮がなかなか引かないため、流木を枕にして寝ていると、神様が話をしているのが聞こえた。「西の家に女の子、東の家に男の子が産まれ、西の家では三味線や歌でお祝いをしていたため幸をつけてきた。東の家では神様に汚い水をかけたため幸をつけて来なかった。」男は東の家の人だったため、西の家の人と話をして、二人を結婚させる相談をした。二人は結婚し、金持ちになった。ある日、女が麦の粉を炊いて男に上げると、「これは食べ物ではない」と言って、それを女にかけた。女が残念に思いながら俵の上に寝ていると、西の方に行きなさい、という夢を見た。女が、ここでは暮らせないと歩いていると、夜遅くなってしまった。みると山の中に灯りがあり、そこに行って見ると男の人が炭を焼いていた。女が泊めてくださいと言うと、その男は、何もないがそれでよければ泊まりなさい、と言ってくれた。二人は夫婦になり、やがて金持ちになった。ある日、女の前の夫が、乞食の姿になって炭焼の家を訪ねてきた。男が「ひもじいから何でもください」と言ったので、麦の粉を炊いてあげると美味しいと食べた。女が「どうして美味しいのなら、それを私にかけたのか」と聞くと、男は驚いて死んでしまった。
クリックすると動画が再生されます。
研究および教育普及目的以外での無断使用は固く禁じます。
コンテンツの複製、利用については、博物館に必ず許可を得てください。
レコード番号 | 47O233272 |
---|---|
CD番号 | 47O23C157 |
決定題名 | 寄り木の主(方言) |
話者がつけた題名 | - |
話者名 | 松川サト |
話者名かな | まつかわさと |
生年月日 | 19121130 |
性別 | 女 |
出身地 | 平良市島尻 |
記録日 | 19960224 |
記録者の所属組織 | 沖縄国際大学口承研 |
元テープ番号 | 平良T33A01 |
元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
分類 | 12 |
発句(ほっく) | - |
伝承事情 | - |
文字化資料 | 平良市北部の民話H8卒論P161 |
キーワード | 男女の福分,流木,麦の飯,炭焼 |
梗概(こうがい) | 昔、ある所に男がいて、ある日その男が海へ行った。海の潮がなかなか引かないため、流木を枕にして寝ていると、神様が話をしているのが聞こえた。「西の家に女の子、東の家に男の子が産まれ、西の家では三味線や歌でお祝いをしていたため幸をつけてきた。東の家では神様に汚い水をかけたため幸をつけて来なかった。」男は東の家の人だったため、西の家の人と話をして、二人を結婚させる相談をした。二人は結婚し、金持ちになった。ある日、女が麦の粉を炊いて男に上げると、「これは食べ物ではない」と言って、それを女にかけた。女が残念に思いながら俵の上に寝ていると、西の方に行きなさい、という夢を見た。女が、ここでは暮らせないと歩いていると、夜遅くなってしまった。みると山の中に灯りがあり、そこに行って見ると男の人が炭を焼いていた。女が泊めてくださいと言うと、その男は、何もないがそれでよければ泊まりなさい、と言ってくれた。二人は夫婦になり、やがて金持ちになった。ある日、女の前の夫が、乞食の姿になって炭焼の家を訪ねてきた。男が「ひもじいから何でもください」と言ったので、麦の粉を炊いてあげると美味しいと食べた。女が「どうして美味しいのなら、それを私にかけたのか」と聞くと、男は驚いて死んでしまった。 |
全体の記録時間数 | 5:39 |
物語の時間数 | 5:39 |
言語識別 | 方言 |
音源の質 | 〇 |
テープ番号 | - |
予備項目1 | - |