
昔、この辺の子守り歌で、私の生まれたところは、首里城なんだが、「親にわけがあって 田舎下りをしている。」という子守り歌があったが、どうして、この子守り歌が出たかというと。嘉手苅の僑口家の娘の中から乳母が出たからなんだ。乳母というのは、結局、子どもを生んだ者がなるよな、赤ん坊を抱いた者が。だから、橋口の娘たぶん妊娠していたわけだ。城に行って、そこで子どもを生んで、そのまま母親は乳母になったんだな。だけど生まれた子が三つの時に下りてきたんだが、自分の母親は城にいるよなあ、それで、私の生まれたところは城の中だが、親にわけがあってという子守り歌ができたんだ。あの頃乳母になるのは、だいたいがいい体格で美人から選ばれたはずだからなあ。で、(その母親は城中にいるもんだから)この子どもは、ここではいい暮らしはしていなかったそうだね。親にわけがあって、しかたがないということでな。親は城に連れていかれて、自分はここで、田舎暮らしをさせられているわけだから。まあ、そういう、いわれのある歌なんだ。この乳母も尚質王の乳母だよ。まあ、橋口は金持ちの家系だったんだろうなあ。ねえ、お婆。だから王の乳母とか妾とかが出たんだ。妾になった人はよ、諸見里(むるみさとぅ)阿護母志良礼(あごむしらに)という名前与えられているよ。諸見里阿護母志良礼。子ども一人を産んでいるよ、王との間に。だけど、「・王代記。」には「生死伝わらず。」というふうになっているんだ。生死、葬った所ね、どこに葬られたかわからんと、伝わっていないと書かれているが、ウフガチの西端の方にガタになっているところがありますでしょう。あそこに、拝みをする墓があるというんだ、橋口一門の。王の乳母になっていた人の墓ではないかなあ、はっきりはわからないんだが。
| レコード番号 | 47O412934 |
|---|---|
| CD番号 | 47O41C117 |
| 決定題名 | 橋口のチーアン(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 伊波信光 |
| 話者名かな | いはしんこう |
| 生年月日 | 19010221 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 石川市伊波 |
| 記録日 | 19820803 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 石川市T33A05 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 20 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | いしかわの民話伝説編P183 |
| キーワード | 子守り歌,田舎下り,嘉手苅の僑口家の娘,乳母,諸見里阿護母志良礼 |
| 梗概(こうがい) | 昔、この辺の子守り歌で、私の生まれたところは、首里城なんだが、「親にわけがあって 田舎下りをしている。」という子守り歌があったが、どうして、この子守り歌が出たかというと。嘉手苅の僑口家の娘の中から乳母が出たからなんだ。乳母というのは、結局、子どもを生んだ者がなるよな、赤ん坊を抱いた者が。だから、橋口の娘たぶん妊娠していたわけだ。城に行って、そこで子どもを生んで、そのまま母親は乳母になったんだな。だけど生まれた子が三つの時に下りてきたんだが、自分の母親は城にいるよなあ、それで、私の生まれたところは城の中だが、親にわけがあってという子守り歌ができたんだ。あの頃乳母になるのは、だいたいがいい体格で美人から選ばれたはずだからなあ。で、(その母親は城中にいるもんだから)この子どもは、ここではいい暮らしはしていなかったそうだね。親にわけがあって、しかたがないということでな。親は城に連れていかれて、自分はここで、田舎暮らしをさせられているわけだから。まあ、そういう、いわれのある歌なんだ。この乳母も尚質王の乳母だよ。まあ、橋口は金持ちの家系だったんだろうなあ。ねえ、お婆。だから王の乳母とか妾とかが出たんだ。妾になった人はよ、諸見里(むるみさとぅ)阿護母志良礼(あごむしらに)という名前与えられているよ。諸見里阿護母志良礼。子ども一人を産んでいるよ、王との間に。だけど、「・王代記。」には「生死伝わらず。」というふうになっているんだ。生死、葬った所ね、どこに葬られたかわからんと、伝わっていないと書かれているが、ウフガチの西端の方にガタになっているところがありますでしょう。あそこに、拝みをする墓があるというんだ、橋口一門の。王の乳母になっていた人の墓ではないかなあ、はっきりはわからないんだが。 |
| 全体の記録時間数 | 7:56 |
| 物語の時間数 | 7:45 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |