
もう億万長者のねえ、息子がお嫁貰いたいという年頃なって親も年取っているから、それまで女とのふれあいというのがないからねえ、「是非もう息子にお嫁をもらって跡継ぎをさせたい。」と思って、新聞に広告を出すわけ。もう新聞に出したら、財産も沢山あることだからねえ、「ああ、億万長者なら、安心して、将来は生活もできるから、自分ももらい手がいたらねえ、行ってみようかねえ。」と言う気持ちでねえ、ある娘さんが、行ったわけよ。そして、「私は新聞の広告見てねえ、来ましたけどお嫁にもらって下さいませんかあ。」って言ったら、「中にお入り。あんたはどこどこの誰さんですかあ。」って、いろんなのを調べて、「あっ、この人なら健康でもあるし、もう美人でもあるから自分の家庭に、一番いいつごうの嫁さんじゃないかねえ。」と思って、親同士も満足して、また本人も、「あっ、この人ならいいよう。」ということでお嫁になる約束までして、「じゃあ、今日からこっちに来て下さいねえ。」「はい、そうしましょう。」と言って来るわけねえ。そして、その人の親の部屋は下で、息子の部屋は二階にあるからね、「息子の部屋は、ここですよう。」って案内して、そこに泊めるわけよ。泊めて晩になったらねえ、健康そうで美男子だから、もう娘も満足してねえ、寝るわけよう。そこにねえ、寝て夜中になったら、その息子が何か知らないけどねえ、顔は人間だけど、牛に化けてよう、寝ていたらねえ、下の方から足の先の方からねえ、ペロで、もうなめて裸にするでしょう。裸にして、もう自分も納得しているから、裸になっていたら下の方から、みんなもうなめるわけ。そして最初はもう、「大変、いい気持ちだねえ。」と言って寝ていたんだが、だんだん、「なんで、変なもんだねえ。」と思って、みんななめてからにここらへんきたらねえ、牛の舌は大きくもあるし、ザラザラするというさあねえ。おっぱいのところに来て、こっちらへんきたら、もうザラザラするわけさあ。「これは大変だねえ。」と思って、もう身ぶるいしているけど、目を開けられないわけねえ。そして、もうじーっと我慢して、とうとう夜あけたから、「これは、誰に打ち明けてどうしたらいいでしょうねえ。」と思って、もう晩の来るのが恐くなってねえ、そして、もうこっちから逃げ出すわけ。この娘は逃げ出しても、「誰かが行ったらねえ、私は話されるけど。誰も行かなかったら、自分がやられたことは話されないさあねえ。」とあまり恐いもんだから話さなかったわけさあ。それで、もう新聞広告にあるもんだから、またもう二、三日、一週間ぐらいしたらまた誰かが行くわけ。で、誰かが行ったから、その人もそういうふうにされてからにねえ、三日は辛抱していたけどよう、三日以上はもう辛抱やりきれないわけさあ。で、そんなにして何回も何回もこんなにして新聞に広告が出ているから、それを見てからに、その噂が町中に広がったから、あとは嫁ももらえなくなったはずだけどねえ。
| レコード番号 | 47O412925 |
|---|---|
| CD番号 | 47O41C116 |
| 決定題名 | 牛舌男(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 伊波澄 |
| 話者名かな | いはすみ |
| 生年月日 | 19150226 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 石川市伊波 |
| 記録日 | 19820803 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 石川市T32B01 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 30 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 本土に行った時に聞いた。 |
| 文字化資料 | いしかわの民話昔話編P344 |
| キーワード | 億万長者,息子,嫁,新聞,娘,美男子,牛 |
| 梗概(こうがい) | もう億万長者のねえ、息子がお嫁貰いたいという年頃なって親も年取っているから、それまで女とのふれあいというのがないからねえ、「是非もう息子にお嫁をもらって跡継ぎをさせたい。」と思って、新聞に広告を出すわけ。もう新聞に出したら、財産も沢山あることだからねえ、「ああ、億万長者なら、安心して、将来は生活もできるから、自分ももらい手がいたらねえ、行ってみようかねえ。」と言う気持ちでねえ、ある娘さんが、行ったわけよ。そして、「私は新聞の広告見てねえ、来ましたけどお嫁にもらって下さいませんかあ。」って言ったら、「中にお入り。あんたはどこどこの誰さんですかあ。」って、いろんなのを調べて、「あっ、この人なら健康でもあるし、もう美人でもあるから自分の家庭に、一番いいつごうの嫁さんじゃないかねえ。」と思って、親同士も満足して、また本人も、「あっ、この人ならいいよう。」ということでお嫁になる約束までして、「じゃあ、今日からこっちに来て下さいねえ。」「はい、そうしましょう。」と言って来るわけねえ。そして、その人の親の部屋は下で、息子の部屋は二階にあるからね、「息子の部屋は、ここですよう。」って案内して、そこに泊めるわけよ。泊めて晩になったらねえ、健康そうで美男子だから、もう娘も満足してねえ、寝るわけよう。そこにねえ、寝て夜中になったら、その息子が何か知らないけどねえ、顔は人間だけど、牛に化けてよう、寝ていたらねえ、下の方から足の先の方からねえ、ペロで、もうなめて裸にするでしょう。裸にして、もう自分も納得しているから、裸になっていたら下の方から、みんなもうなめるわけ。そして最初はもう、「大変、いい気持ちだねえ。」と言って寝ていたんだが、だんだん、「なんで、変なもんだねえ。」と思って、みんななめてからにここらへんきたらねえ、牛の舌は大きくもあるし、ザラザラするというさあねえ。おっぱいのところに来て、こっちらへんきたら、もうザラザラするわけさあ。「これは大変だねえ。」と思って、もう身ぶるいしているけど、目を開けられないわけねえ。そして、もうじーっと我慢して、とうとう夜あけたから、「これは、誰に打ち明けてどうしたらいいでしょうねえ。」と思って、もう晩の来るのが恐くなってねえ、そして、もうこっちから逃げ出すわけ。この娘は逃げ出しても、「誰かが行ったらねえ、私は話されるけど。誰も行かなかったら、自分がやられたことは話されないさあねえ。」とあまり恐いもんだから話さなかったわけさあ。それで、もう新聞広告にあるもんだから、またもう二、三日、一週間ぐらいしたらまた誰かが行くわけ。で、誰かが行ったから、その人もそういうふうにされてからにねえ、三日は辛抱していたけどよう、三日以上はもう辛抱やりきれないわけさあ。で、そんなにして何回も何回もこんなにして新聞に広告が出ているから、それを見てからに、その噂が町中に広がったから、あとは嫁ももらえなくなったはずだけどねえ。 |
| 全体の記録時間数 | 5:38 |
| 物語の時間数 | 5:12 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |