食わず女房(シマグチ)

概要

今の五月五日のウマチー、甘菓子を作る道理は、昔、夫婦であるが、夫が儲けて来ては妻に何でも買ってきてあげたりして、食事もちゃんと食ベ、大変仲のよい夫婦だった。だけど、どれだけ儲けて来ても、食べる物がすぐに無くなるから、不思議に思って、ある日、夫は、「沢山食べ物を買ってきて食わせるのに、私の妻は、どうしてこんなに早く食べ物が無くなるのだろう。こんなに物をもうけても、もうけても足りないのかねえ。どんなにして世帯持ちしているのかな。」と、あんまり不思議なので、仕事に行ってから、十時半ごろにまた家に戻ってきてのぞきこんで見ると、妻は、ご飯を炊いておにぎりにしているから、口に入れると思ったら、頭が二つに裂けて、頭の中におにぎりは入れ、おにぎりは入れして、かま一杯のご飯もあっという間に無くなった。「ああ、どうしよう。私の妻は女かと思ったら鬼だったんだねえ、ああ、なんとおそろしい。」と、仕事に行き、そして、「あの女はもう甘菓子がとても好きで、大変菖蒲(しょうぶ)が嫌いだから、これはひとつ考えなくてはいけない。」と言って、五月五日に甘菓子を煮て、菖蒲と一緒にして、「さあ、菖蒲は魔除けのものだからねえ、菖蒲で早く食べなさい。」と言って出して甘菓子を食べさせようとするが、妻は勧めても絶対食べない。そして、「さあ、こんなことしていてはいけない。」と言って、そのまま夫が自分の仕事へ出かけている間に、妻は、「私の夫は判っているねえ。」と思い切腹したのか、何をしたのかそのままいなくなり、夫が家に帰ってみると居なくなっているから、「あはあ、なるほど、女かと思っていたら鬼だったんだねえ。さあこれはもう世間の人々にこの事を知らせて、五月五日には、甘菓子を作り、菖蒲とは魔除けのものだから、菖蒲で甘菓子を食べないといけない。」と、その時から、菖蒲で甘菓子を食べるようになったということらしいです。

再生時間:2:50

民話詳細DATA

レコード番号 47O412879
CD番号 47O41C115
決定題名 食わず女房(シマグチ)
話者がつけた題名
話者名 伊波澄
話者名かな いはすみ
生年月日 19150226
性別
出身地 石川市伊波
記録日 19820803
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 石川市T30B07
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 12
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 いしかわの民話昔話P118
キーワード 五月五日のウマチー,変仲のよい夫婦,鬼,甘菓子,菖蒲,魔除け
梗概(こうがい) 今の五月五日のウマチー、甘菓子を作る道理は、昔、夫婦であるが、夫が儲けて来ては妻に何でも買ってきてあげたりして、食事もちゃんと食ベ、大変仲のよい夫婦だった。だけど、どれだけ儲けて来ても、食べる物がすぐに無くなるから、不思議に思って、ある日、夫は、「沢山食べ物を買ってきて食わせるのに、私の妻は、どうしてこんなに早く食べ物が無くなるのだろう。こんなに物をもうけても、もうけても足りないのかねえ。どんなにして世帯持ちしているのかな。」と、あんまり不思議なので、仕事に行ってから、十時半ごろにまた家に戻ってきてのぞきこんで見ると、妻は、ご飯を炊いておにぎりにしているから、口に入れると思ったら、頭が二つに裂けて、頭の中におにぎりは入れ、おにぎりは入れして、かま一杯のご飯もあっという間に無くなった。「ああ、どうしよう。私の妻は女かと思ったら鬼だったんだねえ、ああ、なんとおそろしい。」と、仕事に行き、そして、「あの女はもう甘菓子がとても好きで、大変菖蒲(しょうぶ)が嫌いだから、これはひとつ考えなくてはいけない。」と言って、五月五日に甘菓子を煮て、菖蒲と一緒にして、「さあ、菖蒲は魔除けのものだからねえ、菖蒲で早く食べなさい。」と言って出して甘菓子を食べさせようとするが、妻は勧めても絶対食べない。そして、「さあ、こんなことしていてはいけない。」と言って、そのまま夫が自分の仕事へ出かけている間に、妻は、「私の夫は判っているねえ。」と思い切腹したのか、何をしたのかそのままいなくなり、夫が家に帰ってみると居なくなっているから、「あはあ、なるほど、女かと思っていたら鬼だったんだねえ。さあこれはもう世間の人々にこの事を知らせて、五月五日には、甘菓子を作り、菖蒲とは魔除けのものだから、菖蒲で甘菓子を食べないといけない。」と、その時から、菖蒲で甘菓子を食べるようになったということらしいです。
全体の記録時間数 3:20
物語の時間数 2:50
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

トップに戻る

TOP