ハナの主(共通語)

概要

石川橋は昭和六年に架けられたんですが、戦争の時に爆弾でやられ、現在では、わずかに人が通れるくらいの破損した形で残っております。その橋の架かる以前は、ここに渡し舟があったんですが、潮が引くと歩いても渡れたんですよ。私らも、橋の架かる前の頃の状態も記憶に残っておりますけども。渡し船があった頃の船頭ば、非常に気立てのやさしい人で、ハナの主(すー)という、ニックネームで呼ばれていた。そのハナの主(すー)は昔の人で、無学で字が読めないものですから、紙切れに字の書かれているもの、何事であろうと好奇心を持ち、そして、「何て書いてあるか、子どもたちよ。」と、いちいちたずねていた。この人の性格は、非常に、バカ正直で字の読める人たちを信じきっていると皆わかっていたものだから。ある日、字の書かれた紙切れが近くに落ちていたらしく、いつものように、その書かれている内容を知りたがって、通りがかりの若い人に、「何て書かれているの、子どもたちよ。」と聞いたら、通りがかりの子どもたちは、ハナの主(すー)の性格を知っているもんだから、ハナの主(すー)を、少しからかってみようと、読むまねをして、そして、「近いうちに大和から沖縄の太っている人を皆殺して、油をしぼると書かれていますねえ、主(すー)。」と、全くウソの内容のことをいったら、「ああ、自分も近いうちに殺されるんだなあ。」と非常に心配して、かたすみに行き、シクシク泣いていたという話を聞いた。本当かウソか知りませんが。

再生時間:3:27

民話詳細DATA

レコード番号 47O412228
CD番号 47O41C085
決定題名 ハナの主(共通語)
話者がつけた題名 ハナの主
話者名 石川実
話者名かな いしかわみのる
生年月日 19240518
性別
出身地 石川市石川
記録日 19820314
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 石川市T01B03
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 20
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 いしかわの民話伝説編P90
キーワード 石川橋,渡し舟,ハナの主,船頭
梗概(こうがい) 石川橋は昭和六年に架けられたんですが、戦争の時に爆弾でやられ、現在では、わずかに人が通れるくらいの破損した形で残っております。その橋の架かる以前は、ここに渡し舟があったんですが、潮が引くと歩いても渡れたんですよ。私らも、橋の架かる前の頃の状態も記憶に残っておりますけども。渡し船があった頃の船頭ば、非常に気立てのやさしい人で、ハナの主(すー)という、ニックネームで呼ばれていた。そのハナの主(すー)は昔の人で、無学で字が読めないものですから、紙切れに字の書かれているもの、何事であろうと好奇心を持ち、そして、「何て書いてあるか、子どもたちよ。」と、いちいちたずねていた。この人の性格は、非常に、バカ正直で字の読める人たちを信じきっていると皆わかっていたものだから。ある日、字の書かれた紙切れが近くに落ちていたらしく、いつものように、その書かれている内容を知りたがって、通りがかりの若い人に、「何て書かれているの、子どもたちよ。」と聞いたら、通りがかりの子どもたちは、ハナの主(すー)の性格を知っているもんだから、ハナの主(すー)を、少しからかってみようと、読むまねをして、そして、「近いうちに大和から沖縄の太っている人を皆殺して、油をしぼると書かれていますねえ、主(すー)。」と、全くウソの内容のことをいったら、「ああ、自分も近いうちに殺されるんだなあ。」と非常に心配して、かたすみに行き、シクシク泣いていたという話を聞いた。本当かウソか知りませんが。
全体の記録時間数 3:31
物語の時間数 3:27
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

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