
城間仲は昔から金持ちで心のやさしい人であった。ある片田舎に子だくさんの貧乏人が居た。その男は大晦日、家族に食べる物でもさがしてこようとでかけていった。そして、城間仲の家にしのびこみ、シシガーミ(肉を入れてあるカメ)の奥にかくれていた。それを見かけた城間仲の主人は、自分や子どもたちが夕飯をすんで年越しをしたあと、もう一人分の食事を準備させ、シシガーミの奥にかくれでいる男にでてくるように言った。男はずかしくて出てくることができない。「大晦日の日に誰が盗みをしたくて、人に家に
はいるもんか。何か深い事情があるはずだ。お前を殺すわけではない。気の毒に思っているのだから、でてきていっしょに年を迎えなさい。」主人にそういわれて、男はゆっくりでてきて頭を下げた。「どうしてお前は、大晦日の日に私たちのカメのそばにすわっているの。」「実はいいたくはないけど、私には年寄りの親と、子ども達が五人います。しかし、あまりにも貧しいので常日頃はいもしか食べさせてないのです。
せめて大晦日だけでも肉をあげようと家をでてきました。この家にはいったものの、肉をめぐんでくれとも
言えず、また盗みをすることもできず、カメのそばにかくれていたのです。」男の話を聞いた主人は、下男、下女に肉や米を準備させ、家まで持たしてやった。家では、嫁と老母が心配して男の帰りを待っていた。子どもたちはと聞くと、いもをあげて寝かしつけてあるという。いっしょについてきた下男、下女は、言葉以上のまずしさにおどろいて主人に報告する。男は大晦日に城間仲に助けられたのを肝に命じなさいといいつつ、一人ひとりの子どもたちをりっぱに育てた。そして、金をもうけて、肉と米をかついで城間仲の家に行った。「あなたに助けられたのを肝に命じて、子どもたちも育て、お礼にあがりました。」といって肉と米をさし出した。「私たちはいくらでもあるので、持ちかえって子どもたちにあげなさい。」「いいえ、恩義をうけた私の気持ちをさっして下さい。」「それならとっておきましょう。」といって主人は受け取った。
| レコード番号 | 47O421814 |
|---|---|
| CD番号 | 47O42C056 |
| 決定題名 | 城間仲 大歳の盗人(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 目取真ウト |
| 話者名かな | めどるまうと |
| 生年月日 | 18900804 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 具志川市安慶名 |
| 記録日 | 19800805 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸調査団 |
| 元テープ番号 | 具志川市T51 A4 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 12 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | ふるさとの昔ばなし155頁 通観308頁 |
| キーワード | 城間仲,金持ち,大晦日,夕食,アルナーカ城間仲, |
| 梗概(こうがい) | 城間仲は昔から金持ちで心のやさしい人であった。ある片田舎に子だくさんの貧乏人が居た。その男は大晦日、家族に食べる物でもさがしてこようとでかけていった。そして、城間仲の家にしのびこみ、シシガーミ(肉を入れてあるカメ)の奥にかくれていた。それを見かけた城間仲の主人は、自分や子どもたちが夕飯をすんで年越しをしたあと、もう一人分の食事を準備させ、シシガーミの奥にかくれでいる男にでてくるように言った。男はずかしくて出てくることができない。「大晦日の日に誰が盗みをしたくて、人に家に はいるもんか。何か深い事情があるはずだ。お前を殺すわけではない。気の毒に思っているのだから、でてきていっしょに年を迎えなさい。」主人にそういわれて、男はゆっくりでてきて頭を下げた。「どうしてお前は、大晦日の日に私たちのカメのそばにすわっているの。」「実はいいたくはないけど、私には年寄りの親と、子ども達が五人います。しかし、あまりにも貧しいので常日頃はいもしか食べさせてないのです。 せめて大晦日だけでも肉をあげようと家をでてきました。この家にはいったものの、肉をめぐんでくれとも 言えず、また盗みをすることもできず、カメのそばにかくれていたのです。」男の話を聞いた主人は、下男、下女に肉や米を準備させ、家まで持たしてやった。家では、嫁と老母が心配して男の帰りを待っていた。子どもたちはと聞くと、いもをあげて寝かしつけてあるという。いっしょについてきた下男、下女は、言葉以上のまずしさにおどろいて主人に報告する。男は大晦日に城間仲に助けられたのを肝に命じなさいといいつつ、一人ひとりの子どもたちをりっぱに育てた。そして、金をもうけて、肉と米をかついで城間仲の家に行った。「あなたに助けられたのを肝に命じて、子どもたちも育て、お礼にあがりました。」といって肉と米をさし出した。「私たちはいくらでもあるので、持ちかえって子どもたちにあげなさい。」「いいえ、恩義をうけた私の気持ちをさっして下さい。」「それならとっておきましょう。」といって主人は受け取った。 |
| 全体の記録時間数 | 7:07 |
| 物語の時間数 | 7:07 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |