
沖縄は、唐からいろんな物を貰うために、唐から皇帝がいらっしゃるときには、冠船踊りをお目にかけたって。一つは、親孝行と親不孝の狂言をやってお目にかけた。その狂言は、どんなものであるかといえば、一人の親孝行者が親子で旅をしていた。その親孝行者は、道中歩き疲れて、夜、寝るときになったら、親の方にいる蚊を追っ払ったり、薪を燃やして暖めたりしていた。そこに虎がやって来た。その親孝行者は、 「親を喰わしては大変。」と言って、自分が喰われてしまった。その子は、親孝行者であるといっているわけ。また、今度は親不孝の狂言をして見せたら、これも親子で山道を歩いていて、日が暮れたので、親不孝の子はもう、自分勝手をして、自分にまとわりつく蚊を追っ払って親の方に行かせたり、また薪を燃やして、自分が暖まっていたって。そうしているところに虎が来たら、「親を喰わしてしまえ。」と言って、親を喰わしてしまって自分は逃げたって。唐の皇帝は、「沖縄の狂言は親不孝は親孝行である。また、沖縄が親孝行といって見せてあるのは、親不孝である。」とおっしゃられたって。やっぱり、子が元気で、先祖を守るのが親孝行であって、子が喰われてしまって、「私にも子どもがいたがねえ。」と、「親を『ああ、ああ』させて悲しませるのは、親不孝である。」と言って、親孝行者と親不孝者とが反対になっていたって。もう一つは、組踊りだが。その組踊りで、敵を討つ場面になると、クヮーン、クヮーン、クヮーンと鐘を打ったり、また、幕を引っ張ってその幕を揺らしたりするよ。そうして、鐘を打ったり幕を揺らすのは、「これは、唐のクゥミィがよく使う業だが。沖縄も知恵があるねえ。」とおっしゃたって。どうしてそう言ったかといえば、唐のクゥミィは知恵者だが、不思議なことにクゥミィの作戦では、いつも負け戦であったわけ。ニーセー踊りに麾という踊りがあるさあ。麾というのは、竹串に布を付けたものだが、振ったりするさあ。この麾は、武器の意味らしいよ。それと同じで、敵には千里眼の人が居るので、その人の目をごまかすという意味で、幕をゆらゆら揺すっているわけさ。また、太鼓や鐘をクヮーン、クヮーンして鳴らすのは、敵には千里耳の人が居るので、こちらの相談事を聞かれないように、鐘を打つんだよ。「やっぱし、沖縄も知恵があるな。」と唐の皇帝はおっしゃられたって。
| レコード番号 | 47O421799 |
|---|---|
| CD番号 | 47O42C055 |
| 決定題名 | 御冠船踊りと組踊りの話 |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 古謝振裕 |
| 話者名かな | こじゃしんゆう |
| 生年月日 | 19080605 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 具志川市西原 |
| 記録日 | 19800801 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸調査団 |
| 元テープ番号 | - |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 20 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 雨降りや祝の席などに聞いた |
| 文字化資料 | 具志川市史第3巻上555頁 |
| キーワード | 唐,沖縄,皇帝,御冠船踊り,狂言,蚊,虎,組踊り,千里,鉦,二才踊り,ゼー |
| 梗概(こうがい) | 沖縄は、唐からいろんな物を貰うために、唐から皇帝がいらっしゃるときには、冠船踊りをお目にかけたって。一つは、親孝行と親不孝の狂言をやってお目にかけた。その狂言は、どんなものであるかといえば、一人の親孝行者が親子で旅をしていた。その親孝行者は、道中歩き疲れて、夜、寝るときになったら、親の方にいる蚊を追っ払ったり、薪を燃やして暖めたりしていた。そこに虎がやって来た。その親孝行者は、 「親を喰わしては大変。」と言って、自分が喰われてしまった。その子は、親孝行者であるといっているわけ。また、今度は親不孝の狂言をして見せたら、これも親子で山道を歩いていて、日が暮れたので、親不孝の子はもう、自分勝手をして、自分にまとわりつく蚊を追っ払って親の方に行かせたり、また薪を燃やして、自分が暖まっていたって。そうしているところに虎が来たら、「親を喰わしてしまえ。」と言って、親を喰わしてしまって自分は逃げたって。唐の皇帝は、「沖縄の狂言は親不孝は親孝行である。また、沖縄が親孝行といって見せてあるのは、親不孝である。」とおっしゃられたって。やっぱり、子が元気で、先祖を守るのが親孝行であって、子が喰われてしまって、「私にも子どもがいたがねえ。」と、「親を『ああ、ああ』させて悲しませるのは、親不孝である。」と言って、親孝行者と親不孝者とが反対になっていたって。もう一つは、組踊りだが。その組踊りで、敵を討つ場面になると、クヮーン、クヮーン、クヮーンと鐘を打ったり、また、幕を引っ張ってその幕を揺らしたりするよ。そうして、鐘を打ったり幕を揺らすのは、「これは、唐のクゥミィがよく使う業だが。沖縄も知恵があるねえ。」とおっしゃたって。どうしてそう言ったかといえば、唐のクゥミィは知恵者だが、不思議なことにクゥミィの作戦では、いつも負け戦であったわけ。ニーセー踊りに麾という踊りがあるさあ。麾というのは、竹串に布を付けたものだが、振ったりするさあ。この麾は、武器の意味らしいよ。それと同じで、敵には千里眼の人が居るので、その人の目をごまかすという意味で、幕をゆらゆら揺すっているわけさ。また、太鼓や鐘をクヮーン、クヮーンして鳴らすのは、敵には千里耳の人が居るので、こちらの相談事を聞かれないように、鐘を打つんだよ。「やっぱし、沖縄も知恵があるな。」と唐の皇帝はおっしゃられたって。 |
| 全体の記録時間数 | 4:30 |
| 物語の時間数 | 4:30 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |