
渡嘉敷ペークという人は、とてもジンブン(知恵)があって、感性な方でいらっしゃっる。この人は、首里の王様と一番の友だちであられたそうだが。二人は碁を打ってみたり、話をしたり、あるいは海、山へ狩りをしてみたりと非常に楽しんでおられた。渡嘉敷ペークは、ジンブンが強くて、ある人たちに、「私は、王様より、位は上だよ。」とおっしゃったらしいね。そしたら、村の人たちは、「あなたは国王より、位が上だと言ったら、国王は合点がいかない。この話をなさると、すぐ打ち首にされるよ。」と言われた。「いや、そうではない、本当は私は御主加那志より位が上であるよ。それなら、あなたたちがそうでないと思うなら、私が確かめて見せる。それでは、何時の何日には、私たちに来なさい、そのときには、私が王様を家に来させるので。」と言った。そうして、来年の六月十五日にと日を決めたらしいね。そうして、渡嘉敷の屋敷の門の入り口には、低めにゴーヤー棚を作って、ナーベーラー(ヘチマ)も作って、いっぱい実らしていた。「ゴーヤーやナーベーラーがたくさんできたので、王様も見にいらしてください。」と言って、案内した。渡嘉敷は、家の奥で王様がいらっしゃるのを待っていたわけ。あとは、「どうぞ、お入りください、お入りください。」としたらしい。そうしたら、ペークは棚を低めに作ったので、「それでは、入ろうね、渡嘉敷。」と言って、お辞儀をするように入ったわけ。そうしたら、「それ見ろ、私の位が上だから、私を恐れて、こうしてお辞儀をしながらいらっしゃるんだよ。」とおっしゃったって。そのように言ったので、「ああ、やっぱり、この人はジンブンのある方だ。」「この人はすごい人だ。」と、村の人も思ったって。
| レコード番号 | 47O421787 |
|---|---|
| CD番号 | 47O42C055 |
| 決定題名 | 渡嘉敷ペーク 低頭門(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | 渡嘉敷ペークの話 |
| 話者名 | 古謝振裕 |
| 話者名かな | こじゃしんゆう |
| 生年月日 | 19080605 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 具志川市西原 |
| 記録日 | 19800801 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸調査団 |
| 元テープ番号 | 具志川市T50 A1 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 13 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 雨降りや祝の席などに聞いた |
| 文字化資料 | 通観694頁 具志川市史第3巻下596頁 |
| キーワード | 渡嘉敷ペーク,御主加那志,首里,碁,ニガウリ棚,へちま,門, |
| 梗概(こうがい) | 渡嘉敷ペークという人は、とてもジンブン(知恵)があって、感性な方でいらっしゃっる。この人は、首里の王様と一番の友だちであられたそうだが。二人は碁を打ってみたり、話をしたり、あるいは海、山へ狩りをしてみたりと非常に楽しんでおられた。渡嘉敷ペークは、ジンブンが強くて、ある人たちに、「私は、王様より、位は上だよ。」とおっしゃったらしいね。そしたら、村の人たちは、「あなたは国王より、位が上だと言ったら、国王は合点がいかない。この話をなさると、すぐ打ち首にされるよ。」と言われた。「いや、そうではない、本当は私は御主加那志より位が上であるよ。それなら、あなたたちがそうでないと思うなら、私が確かめて見せる。それでは、何時の何日には、私たちに来なさい、そのときには、私が王様を家に来させるので。」と言った。そうして、来年の六月十五日にと日を決めたらしいね。そうして、渡嘉敷の屋敷の門の入り口には、低めにゴーヤー棚を作って、ナーベーラー(ヘチマ)も作って、いっぱい実らしていた。「ゴーヤーやナーベーラーがたくさんできたので、王様も見にいらしてください。」と言って、案内した。渡嘉敷は、家の奥で王様がいらっしゃるのを待っていたわけ。あとは、「どうぞ、お入りください、お入りください。」としたらしい。そうしたら、ペークは棚を低めに作ったので、「それでは、入ろうね、渡嘉敷。」と言って、お辞儀をするように入ったわけ。そうしたら、「それ見ろ、私の位が上だから、私を恐れて、こうしてお辞儀をしながらいらっしゃるんだよ。」とおっしゃったって。そのように言ったので、「ああ、やっぱり、この人はジンブンのある方だ。」「この人はすごい人だ。」と、村の人も思ったって。 |
| 全体の記録時間数 | 2:43 |
| 物語の時間数 | 2:43 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |