
笑い話をしようね。あるところに、金持ちがいたって。使用人をかかえている金持ちだよ。金持ちの家で働いている人たちがいるでしょう。そして、その人たちに話をするわけさ。昔はね、盗人は家の天井に昼から籠りよったって。昼から籠もったからね、そうして、昼からガサガサして天井に籠っているのをその家の主人には分かっていたわけさ。主人は分かっているから。今度は、「使用人たちよ、夕飯を食べたらみんな上座に上がっておいで、私がいい話を聞かせるから。」と言ったらね、「はい。」と言って、みんな上がってきて正座して、「何ですか。」と言ったら、「あなたたちがね、どんなに働いてもね、私のところで日雇いして働いても、すぐには、裕福にはなれないからね、今、私がいい話を聞かせてあげるから、少しは真似るといいよ。」とおっしゃったって。そうしたら、「何でございますか。」と言ったらね。「私がこんなに金持ちになったのは、ただ金持ちになったのではないよ、半分は盗人をして金持ちになったんだから、おまえたちも私から習ったらいいよ。」と言ったって。そうしたら、「はい。」と言って、座って聞いた。それを、盗人は天井に隠れて聞いていたって。それで、主人が使用人たちに話しているのは、自分(盗人)に言っているのであるがね、ここの主人が知恵を出して言ったわけさ。それで、「人の家に盗みに行ったらね、米を突く臼があるから、その臼にね、自分の着ている着物を脱いで、臼に覆いかぶせて、自分の帯でこうして縛って、その臼の耳を覆うとね、主は起きないから。耳は覆われているので、盗んでもガラガラしても分からないので、そのときに盗みはするんだよ。」と言って、盗みを教えたわけ。そうして、自分の使用人たちは部屋に帰した。それから、主人は寝むったふりをしているのだが、寝ていると思って、盗人はガサガサ下りて来て、すぐに自分の着物を脱いでその臼におっ被せ、そうして帯で縛った。それで、その主人は寝たふりをしているのだから、ガサガサして臼に盗人が着物を脱いで着けさせたから、主人は、起きて、「泥棒だあ。」と、叫んだものだから、泥棒は裸になって逃げるしかないさあ、自分の方が盗まれているでしょう、着物も帯も盗まれているのでね、「私より上手の大泥棒め。」と言って、逃げて行ったって。
| レコード番号 | 47O421529 |
|---|---|
| CD番号 | 47O42C047 |
| 決定題名 | 盗人と臼(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 運天スエ |
| 話者名かな | うんてんすえ |
| 生年月日 | 19100212 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 那覇市首里 |
| 記録日 | 19800804 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸調査団 |
| 元テープ番号 | 具志川市T44 A2 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 13 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 具志川市史第3巻下678頁 |
| キーワード | 金持ち,泥棒,天井,臼,着物,帯, |
| 梗概(こうがい) | 笑い話をしようね。あるところに、金持ちがいたって。使用人をかかえている金持ちだよ。金持ちの家で働いている人たちがいるでしょう。そして、その人たちに話をするわけさ。昔はね、盗人は家の天井に昼から籠りよったって。昼から籠もったからね、そうして、昼からガサガサして天井に籠っているのをその家の主人には分かっていたわけさ。主人は分かっているから。今度は、「使用人たちよ、夕飯を食べたらみんな上座に上がっておいで、私がいい話を聞かせるから。」と言ったらね、「はい。」と言って、みんな上がってきて正座して、「何ですか。」と言ったら、「あなたたちがね、どんなに働いてもね、私のところで日雇いして働いても、すぐには、裕福にはなれないからね、今、私がいい話を聞かせてあげるから、少しは真似るといいよ。」とおっしゃったって。そうしたら、「何でございますか。」と言ったらね。「私がこんなに金持ちになったのは、ただ金持ちになったのではないよ、半分は盗人をして金持ちになったんだから、おまえたちも私から習ったらいいよ。」と言ったって。そうしたら、「はい。」と言って、座って聞いた。それを、盗人は天井に隠れて聞いていたって。それで、主人が使用人たちに話しているのは、自分(盗人)に言っているのであるがね、ここの主人が知恵を出して言ったわけさ。それで、「人の家に盗みに行ったらね、米を突く臼があるから、その臼にね、自分の着ている着物を脱いで、臼に覆いかぶせて、自分の帯でこうして縛って、その臼の耳を覆うとね、主は起きないから。耳は覆われているので、盗んでもガラガラしても分からないので、そのときに盗みはするんだよ。」と言って、盗みを教えたわけ。そうして、自分の使用人たちは部屋に帰した。それから、主人は寝むったふりをしているのだが、寝ていると思って、盗人はガサガサ下りて来て、すぐに自分の着物を脱いでその臼におっ被せ、そうして帯で縛った。それで、その主人は寝たふりをしているのだから、ガサガサして臼に盗人が着物を脱いで着けさせたから、主人は、起きて、「泥棒だあ。」と、叫んだものだから、泥棒は裸になって逃げるしかないさあ、自分の方が盗まれているでしょう、着物も帯も盗まれているのでね、「私より上手の大泥棒め。」と言って、逃げて行ったって。 |
| 全体の記録時間数 | 2:31 |
| 物語の時間数 | 2:31 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |