
私達が小さいときにあった話です。この部落に共同井戸がありますけれども、今は使かってないので、その石は見当たらないんですが。この石というのが、黒いマーイサーというもので、すべすべして、直径一メートル余りもあったと思います。傷のようになって、周囲の方に切り込みが三つか四つあったと思います。共同井戸の入口の方に、敷かれていたんです。他は普通の石で、石畳のようになって、洗濯する所になっておりました。その黒い石の話ですけど、この石が鳴いたということです。牛の泣くように、「モー、モー。」と鳴いていたそうです。それを聞いた村人達は集まり、「どうしたら、この石が泣き止むか。」ということを考えたそうです。村人達が相談しまして、「フグイ(ふぐり)を取れば、鳴き止むんじゃないか。そして、汚れたものを飲ませば鳴き止むんじゃないか。」いろいろ考えたあげく、そのようにしたそうです。なんで、そのフグイ(ふぐり)を切ったか、それはわかりませんけれども、その石の四か所ぐらいを切って、
この共同井戸の出入口の方に置いてありました。私達はその上で洗濯をしましたけれども、汚れたものを飲
ますと、やっぱり、鳴き止んだそうです。そういうことで、村人達は、「ああ、よかった。これで良かった
。」というふうに安心したそうです。私達の小さい頃は、その話を盛んにやっていましたけれど、今はそう
いう話も消えて、その石はどこへいったか、見当たらなくなっています。
| レコード番号 | 47O421518 |
|---|---|
| CD番号 | 47O42C047 |
| 決定題名 | 夜泣き石(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 天願恵美 |
| 話者名かな | てんがんえみ |
| 生年月日 | 19110421 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 具志川市喜屋武 |
| 記録日 | 19800804 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸調査団 |
| 元テープ番号 | 具志川市T43 B9 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 20 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 具志川市史第3巻上253頁 具志川市の民話ふるさとの昔ばなし178頁 |
| キーワード | 喜屋武,共同井戸,粟石,牛, |
| 梗概(こうがい) | 私達が小さいときにあった話です。この部落に共同井戸がありますけれども、今は使かってないので、その石は見当たらないんですが。この石というのが、黒いマーイサーというもので、すべすべして、直径一メートル余りもあったと思います。傷のようになって、周囲の方に切り込みが三つか四つあったと思います。共同井戸の入口の方に、敷かれていたんです。他は普通の石で、石畳のようになって、洗濯する所になっておりました。その黒い石の話ですけど、この石が鳴いたということです。牛の泣くように、「モー、モー。」と鳴いていたそうです。それを聞いた村人達は集まり、「どうしたら、この石が泣き止むか。」ということを考えたそうです。村人達が相談しまして、「フグイ(ふぐり)を取れば、鳴き止むんじゃないか。そして、汚れたものを飲ませば鳴き止むんじゃないか。」いろいろ考えたあげく、そのようにしたそうです。なんで、そのフグイ(ふぐり)を切ったか、それはわかりませんけれども、その石の四か所ぐらいを切って、 この共同井戸の出入口の方に置いてありました。私達はその上で洗濯をしましたけれども、汚れたものを飲 ますと、やっぱり、鳴き止んだそうです。そういうことで、村人達は、「ああ、よかった。これで良かった 。」というふうに安心したそうです。私達の小さい頃は、その話を盛んにやっていましたけれど、今はそう いう話も消えて、その石はどこへいったか、見当たらなくなっています。 |
| 全体の記録時間数 | 3:25 |
| 物語の時間数 | 3:25 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |