
いまから五・六代先の話。その家は大変な貧乏であった。しかし子供に非常に真面目な青年がいた。ある時、二十円の大金が必要になり友達から借りることになる。しかし、返す時期がきて、めどがたたなかったので首里に行き、二十円で使ってくれるよう主人に頼んで工面をする。青年は、せっせと働き、大晦日を迎える。そして、「下男でも正月くらい、いいものを上げよう。」といって、主人は御馳走をふるまう。しかし、青年は涙を流して御馳走を食べなかった。理由を聞くと、「私は田舎もので、こんな御馳走をたべたことがない。これが私の分ならこの御馳走を田舎にいる両親にあげたい。」これを聞いた主人は、いたく感心し、「あなたの両親の分は別にとっておくから、安心して食べなさい。」とすすめた。青年は暇をもら
い、御馳走を手に家に帰る途中、天久の坂にさしかかったとき、一人の老人に会った。老人は箱を持って困っているらしかった。青年が理由を訪ねると、「今日、孫を亡くして、埋める場所をさがしているが、さがそうにも棺桶をひとりにするをけにいかず困っている。」という。青年はそれを聞いて、それでは私がさがしてきてあげましょうというと、あなたにその気があるなら私がさがしてくるまで、この棺桶をみていてほ
しいといって、さがしに出かけた。しかし、老人はさがしにでかけたままいっこうに戻って来る様子がない。青年はしかたなく、自分の家に持っていって自分の家で葬ろうと持ち返った。棺桶と首里の主人からもら
ったてきた御馳走を持ち返った青年は、死人にあげてから食べても、御馳走が減るわけでもないからと供えた。青年は墓をさがしてきて、葬ろうといって棺桶をかつごうとしたが、どうしたことか重くてかつぐこと
ができない。不思議に思って中をあけてみると黄金がいっぱい入っていた。この家は、この日から繁栄していった。
| レコード番号 | 47O421471 |
|---|---|
| CD番号 | 47O42C046 |
| 決定題名 | 大歳の宝(共通語) |
| 話者がつけた題名 | 東恩納の話 |
| 話者名 | 具志堅次郎 |
| 話者名かな | ぐしけんじろう |
| 生年月日 | 18971010 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 具志川市西原 |
| 記録日 | 19800809 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸調査団 |
| 元テープ番号 | 具志川T42 A13 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 12 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 具志川の民話ふるさとの昔ばなし151頁 通観190頁 |
| キーワード | 借金,首里,下男,大晦日,両親,ご馳走,死んだ孫,館桶,黄金 |
| 梗概(こうがい) | いまから五・六代先の話。その家は大変な貧乏であった。しかし子供に非常に真面目な青年がいた。ある時、二十円の大金が必要になり友達から借りることになる。しかし、返す時期がきて、めどがたたなかったので首里に行き、二十円で使ってくれるよう主人に頼んで工面をする。青年は、せっせと働き、大晦日を迎える。そして、「下男でも正月くらい、いいものを上げよう。」といって、主人は御馳走をふるまう。しかし、青年は涙を流して御馳走を食べなかった。理由を聞くと、「私は田舎もので、こんな御馳走をたべたことがない。これが私の分ならこの御馳走を田舎にいる両親にあげたい。」これを聞いた主人は、いたく感心し、「あなたの両親の分は別にとっておくから、安心して食べなさい。」とすすめた。青年は暇をもら い、御馳走を手に家に帰る途中、天久の坂にさしかかったとき、一人の老人に会った。老人は箱を持って困っているらしかった。青年が理由を訪ねると、「今日、孫を亡くして、埋める場所をさがしているが、さがそうにも棺桶をひとりにするをけにいかず困っている。」という。青年はそれを聞いて、それでは私がさがしてきてあげましょうというと、あなたにその気があるなら私がさがしてくるまで、この棺桶をみていてほ しいといって、さがしに出かけた。しかし、老人はさがしにでかけたままいっこうに戻って来る様子がない。青年はしかたなく、自分の家に持っていって自分の家で葬ろうと持ち返った。棺桶と首里の主人からもら ったてきた御馳走を持ち返った青年は、死人にあげてから食べても、御馳走が減るわけでもないからと供えた。青年は墓をさがしてきて、葬ろうといって棺桶をかつごうとしたが、どうしたことか重くてかつぐこと ができない。不思議に思って中をあけてみると黄金がいっぱい入っていた。この家は、この日から繁栄していった。 |
| 全体の記録時間数 | 11:00 |
| 物語の時間数 | 11:00 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |