
昔、あるところにユーベー(妾)をもっている男がいたようで、妻とユーベーは、やきもちをやきけんかばっかりやっていた。男は、「どうしたもんか。これは誰か一人に決めなきゃならん。二人もというわけにはいかんな。」と思っているが、どちらを捨てていいのか分からない。実際、本心から自分のことを思っているのは、誰だろうと考え、それを試みるために、「私は、今日は、一日中畑仕事をするから、昼ご飯を持って来い。」と二人に言いつけた。言われたとおり、二人は昼ご飯を持って畑に行った。すると、かち合うと同時に、すぐ、チリニンクヮンクヮン女同志、畑の中で取っ組みあいのけんかをしたらしい。けんかをしたもんだから、「おまえたちのようなものは。私一人を欲しがり、二人ともみっともない、けんかまでするとは。私はどうしようもない。これがあるので、おまえたちも、これがあるせいでけんかもするはずだから、男根は引っこ抜いて捨ててしまう。もう、私などは死んだ方がいい。」と言って、亀を準備してあったらしいので、亀を尻に敷いて、亀の首をとっ掴まえてすぐ引っこ抜いて、血がだらだらしている首を放り投げて、自分は鼻をひくひくさせて気絶の真似をした。そうして、血がだらだらしている亀の首を取って放り投げたら、ユーベーは亀の首の方へ、男根が大切だと走って行った。気絶した妻がすぐ、「アイエナー。」と叫んだので、そのときには、夫は飛び起きてすぐ抱きしめて、「泣くなアンマー。これで分かったよ。」と言った。「おまえは、男根がかわいくて私はかわいくないんだな。妻は本当に真心から私を愛している、たとえそれがなくなっても私を愛していることが分かった。」と言って、それ以来、妾を突き放し、縁を切った。そして、「おまえだけだ、私を思っているのは。」と言って、妻一人をたいそうかわいがったようです。
| レコード番号 | 47O421041 |
|---|---|
| CD番号 | 47O42C033 |
| 決定題名 | 亀の頭(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 徳村政伸 |
| 話者名かな | とくむらせいしん |
| 生年月日 | 19100321 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 那覇市首里 |
| 記録日 | 19800805 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸調査団 |
| 元テープ番号 | 具志川市T31 A5 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 15 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 具志川市史第3巻下815頁 |
| キーワード | 妾,本妻,畑,亀の首 |
| 梗概(こうがい) | 昔、あるところにユーベー(妾)をもっている男がいたようで、妻とユーベーは、やきもちをやきけんかばっかりやっていた。男は、「どうしたもんか。これは誰か一人に決めなきゃならん。二人もというわけにはいかんな。」と思っているが、どちらを捨てていいのか分からない。実際、本心から自分のことを思っているのは、誰だろうと考え、それを試みるために、「私は、今日は、一日中畑仕事をするから、昼ご飯を持って来い。」と二人に言いつけた。言われたとおり、二人は昼ご飯を持って畑に行った。すると、かち合うと同時に、すぐ、チリニンクヮンクヮン女同志、畑の中で取っ組みあいのけんかをしたらしい。けんかをしたもんだから、「おまえたちのようなものは。私一人を欲しがり、二人ともみっともない、けんかまでするとは。私はどうしようもない。これがあるので、おまえたちも、これがあるせいでけんかもするはずだから、男根は引っこ抜いて捨ててしまう。もう、私などは死んだ方がいい。」と言って、亀を準備してあったらしいので、亀を尻に敷いて、亀の首をとっ掴まえてすぐ引っこ抜いて、血がだらだらしている首を放り投げて、自分は鼻をひくひくさせて気絶の真似をした。そうして、血がだらだらしている亀の首を取って放り投げたら、ユーベーは亀の首の方へ、男根が大切だと走って行った。気絶した妻がすぐ、「アイエナー。」と叫んだので、そのときには、夫は飛び起きてすぐ抱きしめて、「泣くなアンマー。これで分かったよ。」と言った。「おまえは、男根がかわいくて私はかわいくないんだな。妻は本当に真心から私を愛している、たとえそれがなくなっても私を愛していることが分かった。」と言って、それ以来、妾を突き放し、縁を切った。そして、「おまえだけだ、私を思っているのは。」と言って、妻一人をたいそうかわいがったようです。 |
| 全体の記録時間数 | 2:31 |
| 物語の時間数 | 2:31 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |