
昔、ある御殿に下男サンダーという者がいたようです。昔の御殿のウミングヮ(お嬢さん)たちは、まったく色欲もなく生まれてから、男を見たことがないと言ってもいいほどで、まして、肌に触ったこともない、まったくの初であったそうです。その日、家族は、崎樋川のウビーナディー(水撫で)に揃って出かけたので、下男サンダーと、たいそう美しいウミングヮの二人は、「留守番をしておきなさいね、御殿の番をしておきなさい。」と言いつけられて、二人で留守番をしておりました。昔のウミングヮたちは、御殿より外には一歩も出たことがないほどの籠の鳥でありまして、なにもかもお分かりにならないでいたようであります。そうしていると、にわかに大雨が降って、サンダーは、驚き慌てて干し物を入れたり、薪を入れたりなんかして、一人で走り回っていました。すると、ウミングヮは、縁側にいて、それをじっと見ていたようであります。サンダーはもう、一生懸命走り回って行ったり来たりしている間に、突然、下のふんどしが脱げてしまった。ふんどしが脱げるほど、ずっとパタパタして、ふんどしが脱げてしまって大事なものがぶらぶらと揺れていた。夢中になっているサンダーは、サナジが脱げているのも分からないで、すぐ、ゆらゆらさせて歩いておりました。それで、ウミングヮがそれを見つめられて、サンダーが干し物を入れ終えてから、「サンダー、おまえのそこに下がっているのは何かね。あまりにも異風なものが下がっているようだけど。」と聞いたので、サンダーは顔を赤くして、「これはウトゥガマ(陰部)をさらうものでございます。」と言ったら、「ウトゥガマというのは、何ねサンダー。」と聞いたので、「それは淑女だけにあるもので、男にはありません。」「それじゃ、私にもあるかねえ、サンダー。」と。「はい、女はみんなございますよ。」と言うと、「それなら、私のウトゥガマをさらってちょうだいね。」とウミングヮが言ったから、「ああ、それはできません。」「どうして、おまえはその道具をもっているのだから、私のものをさらってちょうだい、さらってちょうだいよ。」と言われたので、もうサンダーは仕方がないと思い、しかも誰もいないわけだし、そのときには、「しめしめいい機会だ、こんな美人のウミングヮを。薬になるな。」と言って、喜びいさんで押し込んでさらってあげると、ウミングヮも大いに喜んで、「なんとこんなに気持ちのいいことよ、サンダー。おまえはこんなおもしろいことをもっと早くに教えて、さらってくれればよかったのに。」と言った。それから、ウミングヮは味を覚えて、「おい、サンダー、今日もさらってくれ、さらってくれ。」と、毎日追っかけまわしては、「こんな気持ちいいものを、毎日さらってくれよ。」とおっしゃっていたということです。
| レコード番号 | 47O421039 |
|---|---|
| CD番号 | 47O42C033 |
| 決定題名 | 掃除の結末(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | 下男サンラーの物語 |
| 話者名 | 徳村政伸 |
| 話者名かな | とくむらせいしん |
| 生年月日 | 19100321 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 那覇市首里 |
| 記録日 | 19800805 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸調査団 |
| 元テープ番号 | 具志川市T31 A3 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 15 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 具志川市史第3巻下787頁 |
| キーワード | 御殿,下男,ウミングヮ,ウビナデー,留守番,ふんどし |
| 梗概(こうがい) | 昔、ある御殿に下男サンダーという者がいたようです。昔の御殿のウミングヮ(お嬢さん)たちは、まったく色欲もなく生まれてから、男を見たことがないと言ってもいいほどで、まして、肌に触ったこともない、まったくの初であったそうです。その日、家族は、崎樋川のウビーナディー(水撫で)に揃って出かけたので、下男サンダーと、たいそう美しいウミングヮの二人は、「留守番をしておきなさいね、御殿の番をしておきなさい。」と言いつけられて、二人で留守番をしておりました。昔のウミングヮたちは、御殿より外には一歩も出たことがないほどの籠の鳥でありまして、なにもかもお分かりにならないでいたようであります。そうしていると、にわかに大雨が降って、サンダーは、驚き慌てて干し物を入れたり、薪を入れたりなんかして、一人で走り回っていました。すると、ウミングヮは、縁側にいて、それをじっと見ていたようであります。サンダーはもう、一生懸命走り回って行ったり来たりしている間に、突然、下のふんどしが脱げてしまった。ふんどしが脱げるほど、ずっとパタパタして、ふんどしが脱げてしまって大事なものがぶらぶらと揺れていた。夢中になっているサンダーは、サナジが脱げているのも分からないで、すぐ、ゆらゆらさせて歩いておりました。それで、ウミングヮがそれを見つめられて、サンダーが干し物を入れ終えてから、「サンダー、おまえのそこに下がっているのは何かね。あまりにも異風なものが下がっているようだけど。」と聞いたので、サンダーは顔を赤くして、「これはウトゥガマ(陰部)をさらうものでございます。」と言ったら、「ウトゥガマというのは、何ねサンダー。」と聞いたので、「それは淑女だけにあるもので、男にはありません。」「それじゃ、私にもあるかねえ、サンダー。」と。「はい、女はみんなございますよ。」と言うと、「それなら、私のウトゥガマをさらってちょうだいね。」とウミングヮが言ったから、「ああ、それはできません。」「どうして、おまえはその道具をもっているのだから、私のものをさらってちょうだい、さらってちょうだいよ。」と言われたので、もうサンダーは仕方がないと思い、しかも誰もいないわけだし、そのときには、「しめしめいい機会だ、こんな美人のウミングヮを。薬になるな。」と言って、喜びいさんで押し込んでさらってあげると、ウミングヮも大いに喜んで、「なんとこんなに気持ちのいいことよ、サンダー。おまえはこんなおもしろいことをもっと早くに教えて、さらってくれればよかったのに。」と言った。それから、ウミングヮは味を覚えて、「おい、サンダー、今日もさらってくれ、さらってくれ。」と、毎日追っかけまわしては、「こんな気持ちいいものを、毎日さらってくれよ。」とおっしゃっていたということです。 |
| 全体の記録時間数 | 2:59 |
| 物語の時間数 | 2:59 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |