首のない影 十五夜由来(シマグチ)

概要

毎月十5日はあるが、8月十5日にはどうして月を眺めるかという話を申し上げます。昔、男友だち二人で、月夜で八月十五日の日だったらしいが。夜遊びに行くと、一人の者の頭の影はあるが、一人の者の頭の影がない。「これはどうしたことだ。おまえのは何だか変だが。こんなに明々と照っている月の夜なのに、おまえには影がないが。」と言って、それから三世相の家に行った。その三世相の言うことには、「おまえは、今日帰って行って、おまえが一番愛しい者を殺さなければ、今日で命はなくなるよ。」と。「これは、普通の弓では殺せない、私が弓を貸してあげるからこの弓を持って行って、おまえが一番愛しい者を殺しなさい。そうすれば、おまえの命は助かるよ。」と言われた。そうして、三世相から弓を借りて家に帰ると、妻は夜なべをしていた。戸棚をうしろにして座っていて、縫い物をしていた。男はとても馬が好きで、乗馬の上等馬を飼っていたらしいんだが、外からその馬小屋に向け弓を引いたところ、真っ暗なんだが、その馬は飛んだり跳ねたりしてあばれたので、弓をゆるめ、「どうしたことだろう。家畜に、私が弓を引いていることが分かるはずはないのだが。」と言って、しばらく座って考えていたら、「やっぱり一番愛しいのは妻だ、妻よりも馬が愛しいとは話にならない。それなら、一番愛しいのは妻だから、妻を射ることにしよう。」と決めた。座って夜なべをしている妻を射ると、妻はうしろの戸棚に、若者を隠してあったらしい。そうして、「夫が戻って来たら殺して、二人は一緒になろうね。」と相談してあったらしい。ちょうどその日だったわけさ。それで、隠した男の姿は見えなかったのだが、妻を射ったところ、妻を射通して、戸棚も貫通し、中に入っていた若者も一緒に殺してあったって。それで、「十五夜の月はこんなにも嘉例なものだから。」と言って、それで月を眺めることになったらしいんです。

再生時間:2:05

民話詳細DATA

レコード番号 47O420982
CD番号 47O42C030
決定題名 首のない影 十五夜由来(シマグチ)
話者がつけた題名
話者名 幸喜得英
話者名かな こうきとくえい
生年月日 19120120
性別
出身地 具志川市西原
記録日 19800801
記録者の所属組織 沖縄口承文芸調査団
元テープ番号 具志川市T29 A4
元テープ管理者 伝承話資料センター
分類 12
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 具志川市史第3巻下198頁 具志川市の民話ふるさとの昔ばなし46頁 127頁 通観270頁
キーワード 8月15日,頭の影,三世相,馬,馬小屋,弓,妻,十五夜
梗概(こうがい) 毎月十5日はあるが、8月十5日にはどうして月を眺めるかという話を申し上げます。昔、男友だち二人で、月夜で八月十五日の日だったらしいが。夜遊びに行くと、一人の者の頭の影はあるが、一人の者の頭の影がない。「これはどうしたことだ。おまえのは何だか変だが。こんなに明々と照っている月の夜なのに、おまえには影がないが。」と言って、それから三世相の家に行った。その三世相の言うことには、「おまえは、今日帰って行って、おまえが一番愛しい者を殺さなければ、今日で命はなくなるよ。」と。「これは、普通の弓では殺せない、私が弓を貸してあげるからこの弓を持って行って、おまえが一番愛しい者を殺しなさい。そうすれば、おまえの命は助かるよ。」と言われた。そうして、三世相から弓を借りて家に帰ると、妻は夜なべをしていた。戸棚をうしろにして座っていて、縫い物をしていた。男はとても馬が好きで、乗馬の上等馬を飼っていたらしいんだが、外からその馬小屋に向け弓を引いたところ、真っ暗なんだが、その馬は飛んだり跳ねたりしてあばれたので、弓をゆるめ、「どうしたことだろう。家畜に、私が弓を引いていることが分かるはずはないのだが。」と言って、しばらく座って考えていたら、「やっぱり一番愛しいのは妻だ、妻よりも馬が愛しいとは話にならない。それなら、一番愛しいのは妻だから、妻を射ることにしよう。」と決めた。座って夜なべをしている妻を射ると、妻はうしろの戸棚に、若者を隠してあったらしい。そうして、「夫が戻って来たら殺して、二人は一緒になろうね。」と相談してあったらしい。ちょうどその日だったわけさ。それで、隠した男の姿は見えなかったのだが、妻を射ったところ、妻を射通して、戸棚も貫通し、中に入っていた若者も一緒に殺してあったって。それで、「十五夜の月はこんなにも嘉例なものだから。」と言って、それで月を眺めることになったらしいんです。
全体の記録時間数 2:05
物語の時間数 2:05
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

トップに戻る

TOP