
ある日、西恩納に、戦船が三艘来たって。三艘向かって来たから、西恩納はもう、村中騒動して、
「みんな外に出なさい。」と叫んで、万座毛に松明をつけて明るくし、鐘や鼓をぐゎーん、ぐゎーんと鳴らしたって。戦船が向かって来るよと、心配していた。「これは、一大事なことだ。戦船が向かって来るので、早く、ムッコー家のナビーぐゎーを、連れて来いよう。」と、すぐ騒動になった。恩納ナビーは、ムッコー家のナビーぐゎーと言われていたわけ。そしたら、この恩納ナビーが、「何で、そう慌てるのか、心配するな。」と言うと、「ほら、戦船が向かって来るのに、心配せずにいられるか。お前は首を切られた方がいいのか。」と言うと、「いや、この者たちは、心配する必要はない。」と言い、恩納万座毛の東の方に、小高い丘があるが、そこに駆け登って、この戦船に向かって、歌を詠んで聞かせたらしい。『恩納前ぬ浜や
シジだかさあむぬ〔恩納の前の浜は 霊力が高い所だから〕向かてぃ来ゅる船や 戻てぃたぼーり 〔向かってくる船は 戻ってください〕』と。すぐ、恩納ナビーがもう、とても大きな声で、三声、四声、叫んだって。そうして、詠んだから、三艘、ここに向かって来ているのに、この船は戻って行った。それから、三日ぐらい、恩納の村は、夜明け通し皆で見張りをして、寝なかったって。こうして、このナビーが、歌を叫んだから、戦船は向かっては、来れなかったって。ムッコー家のナビーという人は、珍しい人だったってよ。
| レコード番号 | 47O420961 |
|---|---|
| CD番号 | 47O42C029 |
| 決定題名 | 恩納ナベ 戦船(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 目取真ウト |
| 話者名かな | めどえうまうと |
| 生年月日 | 18900804 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 具志川市田場 |
| 記録日 | 19800808 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸調査団 |
| 元テープ番号 | 具志川市T27 B5 |
| 元テープ管理者 | 伝承話資料センター |
| 分類 | 20 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 具志川市史第3巻上731頁 |
| キーワード | 西恩納,戦船,万座毛,松明,恩納ナビー |
| 梗概(こうがい) | ある日、西恩納に、戦船が三艘来たって。三艘向かって来たから、西恩納はもう、村中騒動して、 「みんな外に出なさい。」と叫んで、万座毛に松明をつけて明るくし、鐘や鼓をぐゎーん、ぐゎーんと鳴らしたって。戦船が向かって来るよと、心配していた。「これは、一大事なことだ。戦船が向かって来るので、早く、ムッコー家のナビーぐゎーを、連れて来いよう。」と、すぐ騒動になった。恩納ナビーは、ムッコー家のナビーぐゎーと言われていたわけ。そしたら、この恩納ナビーが、「何で、そう慌てるのか、心配するな。」と言うと、「ほら、戦船が向かって来るのに、心配せずにいられるか。お前は首を切られた方がいいのか。」と言うと、「いや、この者たちは、心配する必要はない。」と言い、恩納万座毛の東の方に、小高い丘があるが、そこに駆け登って、この戦船に向かって、歌を詠んで聞かせたらしい。『恩納前ぬ浜や シジだかさあむぬ〔恩納の前の浜は 霊力が高い所だから〕向かてぃ来ゅる船や 戻てぃたぼーり 〔向かってくる船は 戻ってください〕』と。すぐ、恩納ナビーがもう、とても大きな声で、三声、四声、叫んだって。そうして、詠んだから、三艘、ここに向かって来ているのに、この船は戻って行った。それから、三日ぐらい、恩納の村は、夜明け通し皆で見張りをして、寝なかったって。こうして、このナビーが、歌を叫んだから、戦船は向かっては、来れなかったって。ムッコー家のナビーという人は、珍しい人だったってよ。 |
| 全体の記録時間数 | 2:20 |
| 物語の時間数 | 2:20 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |