兄妹始祖(シマグチ)

概要

津堅、久高島での話だよ。昔、人間は男と女の二人の子どもしかいなかったって。天は、この子どもたちに、毎日、餅を落としてやっていた。天からか、人が持って来たのか分からないが、天と言っているわけ。そうして、二人は、天から餅を落としてもらって食べていたが、そのうち、この子どもたち二人は知恵がつき、「余っているので、隠しておこう。」と、残ったものを隠すようになった。天は、この子どもらは欲がでてきて、自分らで食べることが出来るからと、餅を落とさなくなったって。
 私の出身地の首里では、お月さまに向かって、『アットーメー〔お月さま〕たい タリタリタリ 大餅
やとぅ餅 うたびみそーり〔大餅大きな餅与えください〕アットーメーたい タリタリタリ 来年ぬ八月
馬ぐゎーやらわん 牛ぐゎーやらわん〔来年の八月には 馬でも牛でも〕登ぶてぃ 供ぎーぐとぅ 落とぅちくみそーり〔登ってお供えします。落としてください〕』と歌っていたよ。これは二人の子どもが、天から餅を落としてくれるのを願って歌われたんでしょうね。そうして、沖縄はこの二人の広がりだといわれているよ。二人の子どもだが百姓や士族も作ったわけ。沖縄というのは、この二人の広がりであるが、王もいないといけないし、また、畑を耕す農民もいないといけない。それに、勤め人や学者もいないといけない。だから、二男、三男になると、田舎下りをしたり、長男は勤めさせたり、あれこれをやって、この沖縄は次第に大きく広がったって。私もよく、天のお月様に向かって、『アットーメーたい タリタリタリ 大餅やとぅ餅 うたびみそーり アットーメーたい タリタリタリ 来年ぬ八月 馬ぐゎーやらわん 牛ぐゎーやらわん 登てぃ供ぎーぐとぅ 落とぅちくみそーり。』と、小さいときに、赤ちゃんをあやしながら歌ったよ。この人たちのいわれから、餅はいつも大きく作るようになったわけ。「願いは大きく持ちなさい。」という意味なんだよ。餅は、小さく作るよりいつも大きく作りなさいって。

再生時間:3:36

民話詳細DATA

レコード番号 47O420914
CD番号 47O42C028
決定題名 兄妹始祖(シマグチ)
話者がつけた題名
話者名 運天スエ
話者名かな うんてんすえ
生年月日 19100212
性別
出身地 具志川市喜屋武
記録日 19800805
記録者の所属組織 沖縄口承文芸調査団
元テープ番号 具志川市T26 A1
元テープ管理者 伝承話資料センター
分類 12,20
発句(ほっく) ウヤヌチャーカラチチャル
伝承事情
文字化資料 具志川市史第3巻上444頁
キーワード 久高,津堅,天の神様,餅,兄妹,アットーメー,子守唄
梗概(こうがい) 津堅、久高島での話だよ。昔、人間は男と女の二人の子どもしかいなかったって。天は、この子どもたちに、毎日、餅を落としてやっていた。天からか、人が持って来たのか分からないが、天と言っているわけ。そうして、二人は、天から餅を落としてもらって食べていたが、そのうち、この子どもたち二人は知恵がつき、「余っているので、隠しておこう。」と、残ったものを隠すようになった。天は、この子どもらは欲がでてきて、自分らで食べることが出来るからと、餅を落とさなくなったって。  私の出身地の首里では、お月さまに向かって、『アットーメー〔お月さま〕たい タリタリタリ 大餅 やとぅ餅 うたびみそーり〔大餅大きな餅与えください〕アットーメーたい タリタリタリ 来年ぬ八月 馬ぐゎーやらわん 牛ぐゎーやらわん〔来年の八月には 馬でも牛でも〕登ぶてぃ 供ぎーぐとぅ 落とぅちくみそーり〔登ってお供えします。落としてください〕』と歌っていたよ。これは二人の子どもが、天から餅を落としてくれるのを願って歌われたんでしょうね。そうして、沖縄はこの二人の広がりだといわれているよ。二人の子どもだが百姓や士族も作ったわけ。沖縄というのは、この二人の広がりであるが、王もいないといけないし、また、畑を耕す農民もいないといけない。それに、勤め人や学者もいないといけない。だから、二男、三男になると、田舎下りをしたり、長男は勤めさせたり、あれこれをやって、この沖縄は次第に大きく広がったって。私もよく、天のお月様に向かって、『アットーメーたい タリタリタリ 大餅やとぅ餅 うたびみそーり アットーメーたい タリタリタリ 来年ぬ八月 馬ぐゎーやらわん 牛ぐゎーやらわん 登てぃ供ぎーぐとぅ 落とぅちくみそーり。』と、小さいときに、赤ちゃんをあやしながら歌ったよ。この人たちのいわれから、餅はいつも大きく作るようになったわけ。「願いは大きく持ちなさい。」という意味なんだよ。餅は、小さく作るよりいつも大きく作りなさいって。
全体の記録時間数 3:36
物語の時間数 3:36
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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