
三味線の師匠が弟子の家に出向いて指導されて、夜遅く家に帰って来られたら、その途中に泣いとる小さい女の子がいたので、「ありゃ、こんな夜中に迷子か。どこの子か。」と聞いても一言も言わないで、ただ泣いとる。先生が、「かわいそうに。」と思って、自分の家に連れて行って、二日、三日するとその師匠が病気になり、容体がひどく悪くなったから、弟子の連中が集まって、「大変なことになってしまった。もう師匠人は危篤になっているから、今晩は師匠に教えてもらったものを全部弾いて最後のお別れにしよう。」ということになり、教えてもらった唄の数々を全部弾いた。終わろうとしたら、誰かが言った。「まだあと一つアマガワが残っている。」と言うと、「ああ、そうか。」とほかの弟子も言って、アマガワを弾いた。そしたら、二日、三日前に師匠が連れて来て、今まで給仕していた女の子が、すっと立って出て行ったかと思っうと石垣にぴょいっと上がって小さい木の姿になったから、それを見た弟子達が、「ようし、アマカワを弾いたら柳節を弾こう。」と言うて、てんてんてんてんてんてんてん、とぅんたんたんたん、とんとん、はいと柳節を弾いて、二人の弟子が両方に別れて、その小さな木を門の外に追い出すと、二度と入ってこないように門の前に白い砂を撒いて、「こいつがお化けだったと。」とその木を叩き切ったら、木から血がだらだらと出て消えてしまった。すると危篤で寝ていた師匠はすぐに元気になって、「こやつにやられておったか。」と言って、それからは、「魔除けには柳節。」というようになった。
| レコード番号 | 47O340397 |
|---|---|
| CD番号 | 47O34C028 |
| 決定題名 | 柳節の悪霊払い(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 喜舎場兼次郎 |
| 話者名かな | きしゃばけんじろう |
| 生年月日 | 19040113 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県石垣市字川平 |
| 記録日 | 19960909 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 石垣市字川平 T64 B01 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 20 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 三味線,師匠,弟子,小さい女の子,病気,危篤,アマガワ,木の姿,柳節,門の前,白い砂,お化け,魔除け |
| 梗概(こうがい) | 三味線の師匠が弟子の家に出向いて指導されて、夜遅く家に帰って来られたら、その途中に泣いとる小さい女の子がいたので、「ありゃ、こんな夜中に迷子か。どこの子か。」と聞いても一言も言わないで、ただ泣いとる。先生が、「かわいそうに。」と思って、自分の家に連れて行って、二日、三日するとその師匠が病気になり、容体がひどく悪くなったから、弟子の連中が集まって、「大変なことになってしまった。もう師匠人は危篤になっているから、今晩は師匠に教えてもらったものを全部弾いて最後のお別れにしよう。」ということになり、教えてもらった唄の数々を全部弾いた。終わろうとしたら、誰かが言った。「まだあと一つアマガワが残っている。」と言うと、「ああ、そうか。」とほかの弟子も言って、アマガワを弾いた。そしたら、二日、三日前に師匠が連れて来て、今まで給仕していた女の子が、すっと立って出て行ったかと思っうと石垣にぴょいっと上がって小さい木の姿になったから、それを見た弟子達が、「ようし、アマカワを弾いたら柳節を弾こう。」と言うて、てんてんてんてんてんてんてん、とぅんたんたんたん、とんとん、はいと柳節を弾いて、二人の弟子が両方に別れて、その小さな木を門の外に追い出すと、二度と入ってこないように門の前に白い砂を撒いて、「こいつがお化けだったと。」とその木を叩き切ったら、木から血がだらだらと出て消えてしまった。すると危篤で寝ていた師匠はすぐに元気になって、「こやつにやられておったか。」と言って、それからは、「魔除けには柳節。」というようになった。 |
| 全体の記録時間数 | 7:38 |
| 物語の時間数 | 4:53 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |