
昔、崎枝村に、両親が亡くなって兄さんと妹が二人で暮らしていた。カナマターというところに田んぼがあって、ある朝兄さんは妹に、昼になったら田んぼまで弁当を持ってくるように言いつけた。この妹は三日熱とも言うマラリアにかかっていた。この病気は熱が出ていないときは起きて仕事ができる。妹は弁当を作ってフツィプイ(風呂敷)に包み、持って行こうとしたが、急に高熱が出て動けなくなってしまった。しばらく寝て熱が下がると、もう昼は過ぎていた。妹はフツィプイで弁当をつつんで頭にのせ、急いで田んぼへ向かったが、途中で、怒って帰ってきた兄と出会った。兄は妹を殴って、フツィプイ包みを投げ捨ててしまった。当時フツィプイはいつも頭にかぶっている大事なもの。兄も短気を起こしたことを後悔して、二人でフツィプイを探したが、見つからなかった。妹はブナル、ブナルガン(姉妹神)。そのブナルガンのフツィプイが投げられているので、八重山の神が、御願崎の石の上に上げた。それがフツィプイ石と呼ばれる石になった。このとき八重山の神々の集合に竹富島の神と崎枝の神と川平の神の三か所の神が遅刻した。その理由が、竹富の神は村でお産があったから、崎枝の神は葬式があったから、川平の神は願い事(神事)があったからと言った。面白いことに、それから竹富は子孫が増えて繁栄し、崎枝は人が死んで廃村になり、川平は願い事神事が多い。また、姉や妹はブナル、兄と弟はビギルという。兄、弟にとって、ブナルはブナルガンとして、願い事などをしてくれる存在。
| レコード番号 | 47O340270 |
|---|---|
| CD番号 | 47O34C018 |
| 決定題名 | 御願崎のフツプイ石(共通語) |
| 話者がつけた題名 | 御願崎の石あげの話 |
| 話者名 | 喜舎場兼次郎 |
| 話者名かな | きしゃばけんじろう |
| 生年月日 | 19040113 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県石垣市字川平 |
| 記録日 | 19950911 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 石垣市字川平 T55 B01 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 12,20 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 八重山諸島民話集 P160 日本昔話通観第26巻 P365 |
| キーワード | フツプイ,妹,兄,弁当,ブナル,マラリア,崎枝,御願崎,川平の神,崎枝の神,竹富の神,遅刻,お産,葬式,神事, |
| 梗概(こうがい) | 昔、崎枝村に、両親が亡くなって兄さんと妹が二人で暮らしていた。カナマターというところに田んぼがあって、ある朝兄さんは妹に、昼になったら田んぼまで弁当を持ってくるように言いつけた。この妹は三日熱とも言うマラリアにかかっていた。この病気は熱が出ていないときは起きて仕事ができる。妹は弁当を作ってフツィプイ(風呂敷)に包み、持って行こうとしたが、急に高熱が出て動けなくなってしまった。しばらく寝て熱が下がると、もう昼は過ぎていた。妹はフツィプイで弁当をつつんで頭にのせ、急いで田んぼへ向かったが、途中で、怒って帰ってきた兄と出会った。兄は妹を殴って、フツィプイ包みを投げ捨ててしまった。当時フツィプイはいつも頭にかぶっている大事なもの。兄も短気を起こしたことを後悔して、二人でフツィプイを探したが、見つからなかった。妹はブナル、ブナルガン(姉妹神)。そのブナルガンのフツィプイが投げられているので、八重山の神が、御願崎の石の上に上げた。それがフツィプイ石と呼ばれる石になった。このとき八重山の神々の集合に竹富島の神と崎枝の神と川平の神の三か所の神が遅刻した。その理由が、竹富の神は村でお産があったから、崎枝の神は葬式があったから、川平の神は願い事(神事)があったからと言った。面白いことに、それから竹富は子孫が増えて繁栄し、崎枝は人が死んで廃村になり、川平は願い事神事が多い。また、姉や妹はブナル、兄と弟はビギルという。兄、弟にとって、ブナルはブナルガンとして、願い事などをしてくれる存在。 |
| 全体の記録時間数 | 17:39 |
| 物語の時間数 | 8:05 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |