せおいくらべ
昔、山猪と蛙が遊んでおって、蛙から「山猪さん、私を一里くらいまで乗せて走ってくれたら、次は山猪さんを乗せてあげますよ。」と言う。蛙が先に山猪に乗ったら、山猪はよく走ってまたたくまに一里になった。今度は蛙が山猪を乗せることになったが、蛙が山猪に、「あんたが下を見たら、うちは歩けないよ。だから天ばっかり見ていてくれ。」と話した。そこで山猪は、小さな蛙に跨って天ばっかり見ておったら、風が強くて雲が流れて行くので、もう一里は走ったなと思って下を見たら、同じところにいた。と言うから、山猪が下を見たら、同じところにいた。山猪がだましたなと怒って蛙を食べてしまおうとしたら、蛙は、「私は小さいからあんたの口に合わんよ。稲が実るころになったら、友達にも頼んでみんな集まって田んぼでゴロゴロ鳴いてあげる。そうしたら、あんたは気づかれずに稲の実を食べられるから、どうぞ食わないで下さい」と頼んだ。米の実が入る頃になると、蛙は特別に田んぼではゴローゴロゴロゴローとやがましいくらい鳴くらしいです。
クリックすると動画が再生されます。
研究および教育普及目的以外での無断使用は固く禁じます。
コンテンツの複製、利用については、博物館に必ず許可を得てください。
レコード番号 | 47O340125 |
---|---|
CD番号 | 47O34C008 |
決定題名 | 背負いくらべ(方言) |
話者がつけた題名 | 猪と蛙のおんぶ比べ |
話者名 | 大底米 |
話者名かな | おおそこよね |
生年月日 | 19041115 |
性別 | 女 |
出身地 | 沖縄県石垣市字川平 |
記録日 | 19750810 |
記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
元テープ番号 | 石垣市字川平 T19 A15 |
元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
分類 | 11 |
発句(ほっく) | あるとこになーどぅ |
伝承事情 | 川平出身の養母に、7、8歳の頃までよく話をきいた。 |
文字化資料 | - |
キーワード | 山猪,蛙,五月,田んぼ |
梗概(こうがい) | 昔、山猪と蛙が遊んでおって、蛙から「山猪さん、私を一里くらいまで乗せて走ってくれたら、次は山猪さんを乗せてあげますよ。」と言う。蛙が先に山猪に乗ったら、山猪はよく走ってまたたくまに一里になった。今度は蛙が山猪を乗せることになったが、蛙が山猪に、「あんたが下を見たら、うちは歩けないよ。だから天ばっかり見ていてくれ。」と話した。そこで山猪は、小さな蛙に跨って天ばっかり見ておったら、風が強くて雲が流れて行くので、もう一里は走ったなと思って下を見たら、同じところにいた。と言うから、山猪が下を見たら、同じところにいた。山猪がだましたなと怒って蛙を食べてしまおうとしたら、蛙は、「私は小さいからあんたの口に合わんよ。稲が実るころになったら、友達にも頼んでみんな集まって田んぼでゴロゴロ鳴いてあげる。そうしたら、あんたは気づかれずに稲の実を食べられるから、どうぞ食わないで下さい」と頼んだ。米の実が入る頃になると、蛙は特別に田んぼではゴローゴロゴロゴローとやがましいくらい鳴くらしいです。 |
全体の記録時間数 | 2:37 |
物語の時間数 | 2:29 |
言語識別 | 方言 |
音源の質 | ◎ |
テープ番号 | - |
予備項目1 | - |