物言う牛(共通語)

概要

昔、この村に大変な働き者で正直者の方がおりました。その方は自分の家畜もよその家畜も自分の家畜同様に哀れんでいたわり、その方は働きに行く途中で、道端につながれた牛、馬を繋いでいる縄が木や石ころにかかったりしている牛を見ると、「大変気の毒だ。」と、自分の家畜のようにいたわって、いっぱい草を食べられるように放して、また夏の暑い日には水を飲ませてやったりしていたようであります。それが何日か続いて夏の暑いさなかにいつも同じ所に縛られて主が現われない牛がいて、大変ひもじい思いをしていたが、その方のいたわりで生命を取り戻しておったようであります。働き者のその方は、「何日たってもあなたをつなぎかえない。これは不思議だ。この牛には主がいないかも知らない。主が出るまで放してやるから自由に行って水も飲みなさい。草も食べなさい。生き長らえて幸福にしなさい。」と人間にお話をするように話していたわったようであります。おかげでその牛はだいぶ太りまして、ある日、牛が働き者の方に初めて話をしたと。「あなたは、自分の家畜もよその家畜もいたわっている。あなたの行為は大変尊いものであります。私には、何も恩返しもできませんが、どこどこの丘に私が踏んで印をしておきますから、ご面倒でも向こうを掘り起こして下さい。下から出てきたものは、あなたにご恩返しと思って贈ります」ということを牛が話したようであります。当の本人は、「これは牛でない。私を試す神であるに違いない。」と牛の話した所へ行って掘り起こしてみたらそこの下から金銀、珊瑚の宝物が出てきたと。それで、その方は、生き物をいたわったおかげで、神からの授かりだと牛に感謝しながら、喜んで宝物をいただいて裕福に暮らしたという話であります。終わり。

再生時間:4:28

民話詳細DATA

レコード番号 47O340039
CD番号 47O34C003
決定題名 物言う牛(共通語)
話者がつけた題名
話者名 東成底光秀
話者名かな ひがしなりそこみつひで
生年月日 19130127
性別
出身地 沖縄県石垣市字宮良
記録日 19760802
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 石垣市字宮良 T36 B07
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 12
発句(ほっく) むかし
伝承事情 慶田花宜佐さんという宮良の方から、草取りの合間に。
文字化資料 日本昔話通観第26巻 P175 
キーワード 正直者,牛,宝物
梗概(こうがい) 昔、この村に大変な働き者で正直者の方がおりました。その方は自分の家畜もよその家畜も自分の家畜同様に哀れんでいたわり、その方は働きに行く途中で、道端につながれた牛、馬を繋いでいる縄が木や石ころにかかったりしている牛を見ると、「大変気の毒だ。」と、自分の家畜のようにいたわって、いっぱい草を食べられるように放して、また夏の暑い日には水を飲ませてやったりしていたようであります。それが何日か続いて夏の暑いさなかにいつも同じ所に縛られて主が現われない牛がいて、大変ひもじい思いをしていたが、その方のいたわりで生命を取り戻しておったようであります。働き者のその方は、「何日たってもあなたをつなぎかえない。これは不思議だ。この牛には主がいないかも知らない。主が出るまで放してやるから自由に行って水も飲みなさい。草も食べなさい。生き長らえて幸福にしなさい。」と人間にお話をするように話していたわったようであります。おかげでその牛はだいぶ太りまして、ある日、牛が働き者の方に初めて話をしたと。「あなたは、自分の家畜もよその家畜もいたわっている。あなたの行為は大変尊いものであります。私には、何も恩返しもできませんが、どこどこの丘に私が踏んで印をしておきますから、ご面倒でも向こうを掘り起こして下さい。下から出てきたものは、あなたにご恩返しと思って贈ります」ということを牛が話したようであります。当の本人は、「これは牛でない。私を試す神であるに違いない。」と牛の話した所へ行って掘り起こしてみたらそこの下から金銀、珊瑚の宝物が出てきたと。それで、その方は、生き物をいたわったおかげで、神からの授かりだと牛に感謝しながら、喜んで宝物をいただいて裕福に暮らしたという話であります。終わり。
全体の記録時間数 4:38
物語の時間数 4:28
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

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