
昔は士族平民があって、士族は外出するときも常に剣を持っておったって。そして、剣術の稽古をするのが昔の武士の本職であったので、女の不貞を戒めてあるんですよ。男が月夜の晩に夜遊びに出たんだよ。ところがね、残りの人はみんな影がはっきり映るんだけれども、この人は影が映らなかったので、隣のお爺さんお婆さんに、「遅くまで遊んでいたら影が見えない。これは何事か教えてくれ。」と聞くと隣のお爺さんお婆さんが教えたんだよ。「あんたの影のないのは死の前ぶれだ。君はいよいよ死ぬことになってるんだ。」と言ったもんだから、「何かこれに対して防御策は無いか。何とか死ななくて生き延びる方法は無いか教えてくれ。」と言ったところが、「八月十五日の晩に別の菱形餅とか餡餅とかじゃなくして、フカーギ餅を作って食べてね、夜遊びに行け。」と教えられたらしいんだ。その人はね、十五夜を待ってフカーギを作って食べてね、また遊びに出かけたらしいんです。そしたら、やはり影はないんだね。それで、遊びふけって家に帰ったんですよ。そうするとね、床はつこうとしてふと見たところに天井にね、刀を持って武装した者が天井の横張のそばに座っておったって。それを見て、怪しい者だと思って、この人はまたね、この身を守る刀は妻にもあり場所を知らせないで極秘にして持っておったわけさ。この怪しいものが来ているから、その自分の極秘の剣を出してきて、二人の格闘になってね、相手の敵を殺したんだよ。殺して見たところが、これは自分の親友であって、その男が自分の妻の情夫であったわけさ。けど夫は分からなかったんですよ。これを隣のお爺さんお婆さんが見ておってね、知っておったけれども本人には言えないでしょ。だから、やはり心得を教えたわけさ。そしてこの八月十五日の日にはね、天井に隠れておった男と妻とが共謀してね、その夫を刺し殺してから、二人仲良くして夫妻になろうと言う約束をしてあったとゆうようなことですよ。これをこの夫は知らなかったが、隣のお爺さんお婆さんの教えたものがうまく的中して相手の敵を刺し殺したと。そしてその翌日からはね、穢れが全部晴れたから、この月の光りの自分の影も出たからね、隣のお爺さんお婆さんにもお礼をしてね、心配なく生活することが出来たということですよ。そしてこれね、どっちかというと女はそんなに貞操を乱してはいけない。男はまた友達と交際するにしてもね、交友関係に注意すべきでありね、程よく交際して程度を超したらいけないということですよ。
| レコード番号 | 47O340016 |
|---|---|
| CD番号 | 47O34C002 |
| 決定題名 | 十五夜の話(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 東宏全 |
| 話者名かな | あずまこうぜん |
| 生年月日 | 19060106 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県石垣市字宮良 |
| 記録日 | 19750804 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 石垣市字宮良 T35 B05 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 12 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 母親などから |
| 文字化資料 | 日本昔話通観第26巻 P270 |
| キーワード | 八月十五日,フカーギ餅,剣 |
| 梗概(こうがい) | 昔は士族平民があって、士族は外出するときも常に剣を持っておったって。そして、剣術の稽古をするのが昔の武士の本職であったので、女の不貞を戒めてあるんですよ。男が月夜の晩に夜遊びに出たんだよ。ところがね、残りの人はみんな影がはっきり映るんだけれども、この人は影が映らなかったので、隣のお爺さんお婆さんに、「遅くまで遊んでいたら影が見えない。これは何事か教えてくれ。」と聞くと隣のお爺さんお婆さんが教えたんだよ。「あんたの影のないのは死の前ぶれだ。君はいよいよ死ぬことになってるんだ。」と言ったもんだから、「何かこれに対して防御策は無いか。何とか死ななくて生き延びる方法は無いか教えてくれ。」と言ったところが、「八月十五日の晩に別の菱形餅とか餡餅とかじゃなくして、フカーギ餅を作って食べてね、夜遊びに行け。」と教えられたらしいんだ。その人はね、十五夜を待ってフカーギを作って食べてね、また遊びに出かけたらしいんです。そしたら、やはり影はないんだね。それで、遊びふけって家に帰ったんですよ。そうするとね、床はつこうとしてふと見たところに天井にね、刀を持って武装した者が天井の横張のそばに座っておったって。それを見て、怪しい者だと思って、この人はまたね、この身を守る刀は妻にもあり場所を知らせないで極秘にして持っておったわけさ。この怪しいものが来ているから、その自分の極秘の剣を出してきて、二人の格闘になってね、相手の敵を殺したんだよ。殺して見たところが、これは自分の親友であって、その男が自分の妻の情夫であったわけさ。けど夫は分からなかったんですよ。これを隣のお爺さんお婆さんが見ておってね、知っておったけれども本人には言えないでしょ。だから、やはり心得を教えたわけさ。そしてこの八月十五日の日にはね、天井に隠れておった男と妻とが共謀してね、その夫を刺し殺してから、二人仲良くして夫妻になろうと言う約束をしてあったとゆうようなことですよ。これをこの夫は知らなかったが、隣のお爺さんお婆さんの教えたものがうまく的中して相手の敵を刺し殺したと。そしてその翌日からはね、穢れが全部晴れたから、この月の光りの自分の影も出たからね、隣のお爺さんお婆さんにもお礼をしてね、心配なく生活することが出来たということですよ。そしてこれね、どっちかというと女はそんなに貞操を乱してはいけない。男はまた友達と交際するにしてもね、交友関係に注意すべきでありね、程よく交際して程度を超したらいけないということですよ。 |
| 全体の記録時間数 | 6:43 |
| 物語の時間数 | 5:41 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |