
ずっと前、沖縄からでぃよ、年寄りのお爺さんが来てよ、こっちで話されたことがあるさ。昔よ、沖縄は
支那の領地であったらしいね。そして沖縄では、トウヤマと言って、内地はヤマトゥ、支那はトウとか言う
でしょ。それで、そのトウに、お爺さんとよ、長男の二人が居ったらしいよ。そいでも、二人の生活である
からよ、変な暮らしでしょ。そいで、長男の子がよ、ある日よ、山に薪取った取りにいったらしいよ。行く
と山の中でよ、十八、九の女がどこから来たか来てよ、男の子によもう、「あなたの妻なしてよ、家へ連れ
ていきなさい。」と言う。で、「自分の立場であるから、もう今の立場にあんな事は出来ない。」と返答し
てもよ、許さないさ。「必ず。」という。あんまりも女から急ぎだからよ、家に連れてきたらしいよ。それ
から女は、もう夜も昼ももう眠らないでよ、機を織るわけ。むこうの王さんの服を作るといってよ。家にき
てからも夜も昼も眠らないで、一生懸命に機を織っていた。「何の準備か。」と言って、家の人が問い尋ね
たら、「こっちの王さんの服を作る。」と。普通の人はよ、王様の服は、三年六ヵ月で作るらしい。あの女
はよもう、二ヵ年八ヵ月で作ったるで、もう約半分で作るぐらい、熱心だったらしいよ。そしてからもうそ
の時がきたらさ、「私がこの服を作ったのはよ、あなたたち二人の生活のことを思ってやった。私は普通の
人間ではない。天から使われてきたよ。この服売れたらよ、あんたたち二人はゆっくり食って暮らせる。」
と言って話したらしいよ。それから、もう服も売れたから、行ったらしいよ。して、その女が、天に現れて
見えておるのはよ、あれに七斗星とあるでしょ。あれの何番目の星かが現れておる。してよ、で、これは、
親が徳があったか、子が徳があったかは分からない。
| レコード番号 | 47O150095 |
|---|---|
| CD番号 | 47O15C006 |
| 決定題名 | 天人女房(共通語) |
| 話者がつけた題名 | 北斗七星から降りた女神の話 |
| 話者名 | 前津宇登 |
| 話者名かな | まえつうと |
| 生年月日 | 18990708 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県石垣市大浜 |
| 記録日 | 19750804 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 石垣市大浜T11A05 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 12 |
| 発句(ほっく) | むかしよー |
| 伝承事情 | 沖縄から来たおじいさんから聞いた話。 |
| 文字化資料 | 大浜の民話(平成7年度卒業論文)P69 |
| キーワード | 薪取り,機織り,北斗七星 |
| 梗概(こうがい) | ずっと前、沖縄からでぃよ、年寄りのお爺さんが来てよ、こっちで話されたことがあるさ。昔よ、沖縄は 支那の領地であったらしいね。そして沖縄では、トウヤマと言って、内地はヤマトゥ、支那はトウとか言う でしょ。それで、そのトウに、お爺さんとよ、長男の二人が居ったらしいよ。そいでも、二人の生活である からよ、変な暮らしでしょ。そいで、長男の子がよ、ある日よ、山に薪取った取りにいったらしいよ。行く と山の中でよ、十八、九の女がどこから来たか来てよ、男の子によもう、「あなたの妻なしてよ、家へ連れ ていきなさい。」と言う。で、「自分の立場であるから、もう今の立場にあんな事は出来ない。」と返答し てもよ、許さないさ。「必ず。」という。あんまりも女から急ぎだからよ、家に連れてきたらしいよ。それ から女は、もう夜も昼ももう眠らないでよ、機を織るわけ。むこうの王さんの服を作るといってよ。家にき てからも夜も昼も眠らないで、一生懸命に機を織っていた。「何の準備か。」と言って、家の人が問い尋ね たら、「こっちの王さんの服を作る。」と。普通の人はよ、王様の服は、三年六ヵ月で作るらしい。あの女 はよもう、二ヵ年八ヵ月で作ったるで、もう約半分で作るぐらい、熱心だったらしいよ。そしてからもうそ の時がきたらさ、「私がこの服を作ったのはよ、あなたたち二人の生活のことを思ってやった。私は普通の 人間ではない。天から使われてきたよ。この服売れたらよ、あんたたち二人はゆっくり食って暮らせる。」 と言って話したらしいよ。それから、もう服も売れたから、行ったらしいよ。して、その女が、天に現れて 見えておるのはよ、あれに七斗星とあるでしょ。あれの何番目の星かが現れておる。してよ、で、これは、 親が徳があったか、子が徳があったかは分からない。 |
| 全体の記録時間数 | 4:41 |
| 物語の時間数 | 3:42 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |