
昔大浜で、大変姿勢のいい人が二名おったらしいんですよ。それが、一人の名前はナーハンシラーという
んですよ。もう一人はカニグヤーという人だ。この人なんか、とっても利口なもんで、田んぼ行っても畑に
行っても、一緒です。いつももう一緒に行ってるもんで、田んぼも番地が一つで隣ですよ。そして、だいた
い畑の戻りは、帰ってくると、カニグヤーという人が、前になって、昔の道はやっぱり道路が悪いもんだか
ら、草が生えてるしね。それで、道の側に隠れて、サージって鉢巻きを道端に投げてですね、ナーハンシラ
ーを来ると引っ張って、いつも、おどしよったらしいですよ。それをもうナーハンシラー知ってるもんだか
ら、「また自分をワチャクする。先なってしまい、ないさ。<また自分を悪戯しようとして、先になってし
まって居ないさ。>」と言うて、ほうきはいつも持って歩くんだから、このほうきで、ぱたきちてもうたら
しいですよ。ちょっと、悔しがってたらしいですよ。これが一つの話。また、田んぼやってるんですよ。田
んぼでもやっぱしもう面白い話がある。昔は道が悪いもんだから、田んぼ小屋作って泊まって仕事していた
んだが、泊まって二人がいろんな話してるんですよ。ナーハンシラーが、山ししを生け捕りして、持ってき
たらしい。で、「自分はまた、今度は屋根をする。屋根のすすきの花に火を点けるから、あんたは、きをつ
けて。」と言ったらしい。そさで、ナーハンシラーが一本一本点けたら、カニグヤーが消したらしいですね
。ナーハンシラーが今度は、「じゃ、あんた消してみるか。」と消して、今度は束にしてですね、いっぺん
に点けたらしいですよ。それで、次に全部焼いてしまってですね。ナーハンシラーとカニグヤーの二人がな
ーくにやそのまま帰ってきたらしいですよ。
もう一つはまた、あ田んぼのじえい人は、おおものすぼというんですね。むこうは、すぼの田んぼですよ
。むこうは田んぼ探しに夕方帰るまでですよ。カナグヤーは馬(んま)から帰る。ナーハンシラーは走って
、橋を通ってきたらしいですね。で、「誰が大浜に早く着くか。」って、これ賭してあるわけ。あの賭はま
たいっつもいっつも先一緒わけなんですよ。牧場あるもんだからね、道は悪いもんだからさ、牧場の戸も、
ナーハンシラーは歩いてきてキックくわすよ。ワッって、あれはあとから、もう下りて、歩いてくるよ。ナ
ーハンシラーはとても足が早かったらしいですよ。帰ってくるときにはもう、部落に、家にくるまでにはも
うカニグヤーが前に来ておったらしいですね。門から入ってくる、あれは裏からスッと入ってきた。家に入
って中にいたから、それでもう、あれは、カナグヤーは負けたって。
これがいろいろなことあるからね。今の平野村(ひらのそん)の裏のほうは、野底ですよ。平野の方で、
やっぱり田んぼむこうにあろうが、病人がおったらしいね。それがユタのところにかけてきたんらしいです
よ。あれも、やっぱり土地のもんだから、あれもう許してね。ユタのところ行ってですよね、ナーハンシラ
ーはまたカナグラーや、本人としても詳しいわけさ。だから、何て言ったか今のはよく当たるってね。当た
る人おるからと言って、やったら、あれが本当にまた当たったらしいんですよ。「あんたたちの前には、狸
がいるから、あの狸は切って捨てい。」とか何というかニガムシから、この人連れてきて、やったらしいん
ですよ。そしたらほんとに治ったらしいんですよ。あれから、あの人本当のもうユタっていうふうな、もう
信じられて。こんな話あるんですよ。あい本当の実話ですよ。
| レコード番号 | 47O150022 |
|---|---|
| CD番号 | 47O15C002 |
| 決定題名 | ナーハンシラーとカニグヤー(方言) |
| 話者がつけた題名 | とんち話 |
| 話者名 | 東長田文吉 |
| 話者名かな | ひがしながたぶんきち |
| 生年月日 | 19091005 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県石垣市大浜 |
| 記録日 | 19750804 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 石垣市大浜T02A06 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 13 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 祖父から聞いた。 |
| 文字化資料 | 大浜の民話(平成7年度卒業論文)P97 |
| キーワード | とんち話 |
| 梗概(こうがい) | 昔大浜で、大変姿勢のいい人が二名おったらしいんですよ。それが、一人の名前はナーハンシラーという んですよ。もう一人はカニグヤーという人だ。この人なんか、とっても利口なもんで、田んぼ行っても畑に 行っても、一緒です。いつももう一緒に行ってるもんで、田んぼも番地が一つで隣ですよ。そして、だいた い畑の戻りは、帰ってくると、カニグヤーという人が、前になって、昔の道はやっぱり道路が悪いもんだか ら、草が生えてるしね。それで、道の側に隠れて、サージって鉢巻きを道端に投げてですね、ナーハンシラ ーを来ると引っ張って、いつも、おどしよったらしいですよ。それをもうナーハンシラー知ってるもんだか ら、「また自分をワチャクする。先なってしまい、ないさ。<また自分を悪戯しようとして、先になってし まって居ないさ。>」と言うて、ほうきはいつも持って歩くんだから、このほうきで、ぱたきちてもうたら しいですよ。ちょっと、悔しがってたらしいですよ。これが一つの話。また、田んぼやってるんですよ。田 んぼでもやっぱしもう面白い話がある。昔は道が悪いもんだから、田んぼ小屋作って泊まって仕事していた んだが、泊まって二人がいろんな話してるんですよ。ナーハンシラーが、山ししを生け捕りして、持ってき たらしい。で、「自分はまた、今度は屋根をする。屋根のすすきの花に火を点けるから、あんたは、きをつ けて。」と言ったらしい。そさで、ナーハンシラーが一本一本点けたら、カニグヤーが消したらしいですね 。ナーハンシラーが今度は、「じゃ、あんた消してみるか。」と消して、今度は束にしてですね、いっぺん に点けたらしいですよ。それで、次に全部焼いてしまってですね。ナーハンシラーとカニグヤーの二人がな ーくにやそのまま帰ってきたらしいですよ。 もう一つはまた、あ田んぼのじえい人は、おおものすぼというんですね。むこうは、すぼの田んぼですよ 。むこうは田んぼ探しに夕方帰るまでですよ。カナグヤーは馬(んま)から帰る。ナーハンシラーは走って 、橋を通ってきたらしいですね。で、「誰が大浜に早く着くか。」って、これ賭してあるわけ。あの賭はま たいっつもいっつも先一緒わけなんですよ。牧場あるもんだからね、道は悪いもんだからさ、牧場の戸も、 ナーハンシラーは歩いてきてキックくわすよ。ワッって、あれはあとから、もう下りて、歩いてくるよ。ナ ーハンシラーはとても足が早かったらしいですよ。帰ってくるときにはもう、部落に、家にくるまでにはも うカニグヤーが前に来ておったらしいですね。門から入ってくる、あれは裏からスッと入ってきた。家に入 って中にいたから、それでもう、あれは、カナグヤーは負けたって。 これがいろいろなことあるからね。今の平野村(ひらのそん)の裏のほうは、野底ですよ。平野の方で、 やっぱり田んぼむこうにあろうが、病人がおったらしいね。それがユタのところにかけてきたんらしいです よ。あれも、やっぱり土地のもんだから、あれもう許してね。ユタのところ行ってですよね、ナーハンシラ ーはまたカナグラーや、本人としても詳しいわけさ。だから、何て言ったか今のはよく当たるってね。当た る人おるからと言って、やったら、あれが本当にまた当たったらしいんですよ。「あんたたちの前には、狸 がいるから、あの狸は切って捨てい。」とか何というかニガムシから、この人連れてきて、やったらしいん ですよ。そしたらほんとに治ったらしいんですよ。あれから、あの人本当のもうユタっていうふうな、もう 信じられて。こんな話あるんですよ。あい本当の実話ですよ。 |
| 全体の記録時間数 | 3:03 |
| 物語の時間数 | 2:44 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |