
昔、ある部落で、兄弟二人が狩人になってねえ。猪取りに行ったりして、狩りをして生活しておったそう
です。そのある日のこと、兄は、明日は大きい、猪に当たるという夢を見たそうです。そして弟に、「じゃ
、明日二人で一緒に行って、山ししを取ってきましょう。」といって、相談したけど、弟は、「いや、明日
は行かない。明日はもう休む。」兄さんの方は、「必ず行く。」って、そして兄さんは、弾を詰めてですね
、この弾を五つ拵えてね、家の前に置いて、それから便所に行ってね、また馬の鞍を掛けて、山に行く準備
して出てくるうちに、弟は、これはもう家(うち)で寝ころんでおるから、寝ころんで見ていたら、家のな
かにいた猫がですね、この猫が家の猫だが、兄さんが置いた弾を読むそうです。手で、一発、二発、三発、
四発、五発と読む。また、もう一回読んであちらこちら行ったからね、弟がこれをみたら、すぐ猫は、目を
大きくしてウォーと跳んで逃げて、それから見えないしね、探しても探しても居らない。だから、弟が兄さ
んに対して、「今日は山に行くな。今日はちょっと縁起が悪いからね。今日は行かないほうがいいよ。」と
、兄さんはまた、「こんな時が行くんだよ。昨夜もう大きい猪を取れるという夢を見たんだから、猫はもの
を祈るという言葉があるから、まさしく、今日はできるはず。」と言って、一応出掛けようとしたそうです
。出掛けようとしたら、弟が、「兄さん待って、兄さん待ちなさい。」と言って、で、「この弾は読んであ
るから、もう一つこれを持っていって。」と自分の弾を兄さんにくれて、六つ弾を持たしたそうです。
そして、兄さんが山に行ったら、そこに、もう山の小さい道ですね、その道をふさぐような大きな猪が現
れてね、だから、兄さんは、「もうこれはもう大変でかした。」と言って、弾を撃ったわけです。だけども
、一発撃っても当たらないですね。今度、まだ二発目も当たらない。また、三発も当たらないから、後はも
う兄さん震えてですね、「これは、珍しい。三発でも当たらない。」と、とうとう五発まで使っても撃ちき
れないですよ。だから、もう五発撃ったから、この後で猪は暴れて、自分に噛みついてくるわけですよ。だ
から、あと弟からもらった六発目の最後の弾を撃ったら、その時はもうこれで、この大猪を射留めてある。
たがら、弟の言うことも聞かなければならない。家内の言う言葉、親の言う言葉も、子のこともみんな人間
は聞くものであるといって、こんな教えがある。
| レコード番号 | 47O150015 |
|---|---|
| CD番号 | 47O15C002 |
| 決定題名 | 弾の数と猫(共通語) |
| 話者がつけた題名 | 狩人の話 |
| 話者名 | 大工次郎 |
| 話者名かな | だいくじろう |
| 生年月日 | 19030430 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県石垣市大浜 |
| 記録日 | 19750804 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 石垣市大浜T02A03 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 12 |
| 発句(ほっく) | むかし |
| 伝承事情 | 祖父から聞いた。 |
| 文字化資料 | 大浜の民話(平成7年度卒業論文)P92 |
| キーワード | 兄弟,狩人,猪 |
| 梗概(こうがい) | 昔、ある部落で、兄弟二人が狩人になってねえ。猪取りに行ったりして、狩りをして生活しておったそう です。そのある日のこと、兄は、明日は大きい、猪に当たるという夢を見たそうです。そして弟に、「じゃ 、明日二人で一緒に行って、山ししを取ってきましょう。」といって、相談したけど、弟は、「いや、明日 は行かない。明日はもう休む。」兄さんの方は、「必ず行く。」って、そして兄さんは、弾を詰めてですね 、この弾を五つ拵えてね、家の前に置いて、それから便所に行ってね、また馬の鞍を掛けて、山に行く準備 して出てくるうちに、弟は、これはもう家(うち)で寝ころんでおるから、寝ころんで見ていたら、家のな かにいた猫がですね、この猫が家の猫だが、兄さんが置いた弾を読むそうです。手で、一発、二発、三発、 四発、五発と読む。また、もう一回読んであちらこちら行ったからね、弟がこれをみたら、すぐ猫は、目を 大きくしてウォーと跳んで逃げて、それから見えないしね、探しても探しても居らない。だから、弟が兄さ んに対して、「今日は山に行くな。今日はちょっと縁起が悪いからね。今日は行かないほうがいいよ。」と 、兄さんはまた、「こんな時が行くんだよ。昨夜もう大きい猪を取れるという夢を見たんだから、猫はもの を祈るという言葉があるから、まさしく、今日はできるはず。」と言って、一応出掛けようとしたそうです 。出掛けようとしたら、弟が、「兄さん待って、兄さん待ちなさい。」と言って、で、「この弾は読んであ るから、もう一つこれを持っていって。」と自分の弾を兄さんにくれて、六つ弾を持たしたそうです。 そして、兄さんが山に行ったら、そこに、もう山の小さい道ですね、その道をふさぐような大きな猪が現 れてね、だから、兄さんは、「もうこれはもう大変でかした。」と言って、弾を撃ったわけです。だけども 、一発撃っても当たらないですね。今度、まだ二発目も当たらない。また、三発も当たらないから、後はも う兄さん震えてですね、「これは、珍しい。三発でも当たらない。」と、とうとう五発まで使っても撃ちき れないですよ。だから、もう五発撃ったから、この後で猪は暴れて、自分に噛みついてくるわけですよ。だ から、あと弟からもらった六発目の最後の弾を撃ったら、その時はもうこれで、この大猪を射留めてある。 たがら、弟の言うことも聞かなければならない。家内の言う言葉、親の言う言葉も、子のこともみんな人間 は聞くものであるといって、こんな教えがある。 |
| 全体の記録時間数 | 3:38 |
| 物語の時間数 | 3:19 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |