
昔、昔々、大昔、ある所に母親と息子二人が居ったそうですがな。母親は、村一番の働き者で、また情け深い愛情の深い人であったそうです。母親は、朝早く起きて仕事にいらっしゃったと。その母親は、仕事に一緒にいらっしゃってそのまま行方不明になったと。そんで息子は、心配して尋ね回ったらしいですよ。だけれども見た人は居らない。知る人もおらないので、自分の毎日働いている所の畑の側に川が流れておったって。いつももう母親と一緒にあの川に行って水を飲んで何かして、自分の畑の隣だから、あの川の側に立っておっても自分の母を大声で叫んで呼んだらしい。呼んだら水上(みずかみ)の方から木の葉も板くずれも流れ寄ってきてから、この木の葉なんかは水の流れるように流れていくけれども、あの板の切れは、自分の所足元にくっついたらしいよ。だから、不思議に思うてこの板の切れを持って家(うち)に帰ったらしい。帰って、ある日のことこれに自分の母親として、御飯もあげて、裁縫をしておってな。一人三味線を聞いて、あの針をあれ板に刺したらしいよ。また板の切れから、針を取ったところ、血が流れてきたらしいよ。「これはこれはこれはほんとに珍しいもんだ。これはもう間違いない。自分の母親のこれに宿っておる。自分の母親。」といって、これをもう朝晩もう線香を上げて、手合わせして、これが位牌の始まり。そのころは、大昔のことだからよ、位牌ともなかったと。これが、その位牌の始まりとなっておる。
| レコード番号 | 47O150520 |
|---|---|
| CD番号 | 47O15C031 |
| 決定題名 | 位牌の始まり(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 下野阿良賀 |
| 話者名かな | しものあらか |
| 生年月日 | 19050823 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県石垣市大浜 |
| 記録日 | 19950320 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 石垣市大浜 T109 B01 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 12 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 大浜の民話 P85 |
| キーワード | 母親,息子,働き者,行方不明,川,水上,板の切れ,三味線,針,血,線香,位牌 |
| 梗概(こうがい) | 昔、昔々、大昔、ある所に母親と息子二人が居ったそうですがな。母親は、村一番の働き者で、また情け深い愛情の深い人であったそうです。母親は、朝早く起きて仕事にいらっしゃったと。その母親は、仕事に一緒にいらっしゃってそのまま行方不明になったと。そんで息子は、心配して尋ね回ったらしいですよ。だけれども見た人は居らない。知る人もおらないので、自分の毎日働いている所の畑の側に川が流れておったって。いつももう母親と一緒にあの川に行って水を飲んで何かして、自分の畑の隣だから、あの川の側に立っておっても自分の母を大声で叫んで呼んだらしい。呼んだら水上(みずかみ)の方から木の葉も板くずれも流れ寄ってきてから、この木の葉なんかは水の流れるように流れていくけれども、あの板の切れは、自分の所足元にくっついたらしいよ。だから、不思議に思うてこの板の切れを持って家(うち)に帰ったらしい。帰って、ある日のことこれに自分の母親として、御飯もあげて、裁縫をしておってな。一人三味線を聞いて、あの針をあれ板に刺したらしいよ。また板の切れから、針を取ったところ、血が流れてきたらしいよ。「これはこれはこれはほんとに珍しいもんだ。これはもう間違いない。自分の母親のこれに宿っておる。自分の母親。」といって、これをもう朝晩もう線香を上げて、手合わせして、これが位牌の始まり。そのころは、大昔のことだからよ、位牌ともなかったと。これが、その位牌の始まりとなっておる。 |
| 全体の記録時間数 | 4:41 |
| 物語の時間数 | 2:32 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |